八大神社と一乗寺下り松の詳細

八大神社と一乗寺下り松
京都を歩くアルバム
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記事タイトル 八大神社と一乗寺下り松
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←目次  2006年1月27日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 昨日の記事の詩仙堂を出て、坂道の上にある八大神社を訪れました。「八大神社」は鎌倉時代の永仁2年(1294)に創建され、一乗寺の産土神(うぶすながみ)、氏神として信仰されてきました。 …… more 産土神はその者が産まれた土地の神で、その者を一生守護すると考えられています。氏神は、かってはその一族だけが祀った神のことでしたが、のちにその土地に住む者を護る神を指すようになりました。(参道の坂を登ると社務所・授与所があります。) また、古くから八大神社は「北天王」(北の祇園)と称されて、皇居守護神十二社中の一つにもなっています。(向うに御神木の巨木が見えます。左は樅(もみ)、右は杉。) かっての祭神は、祇園社(現八坂神社)と同じく、牛頭天王(ごずてんのう)、頗梨采女(はりさいじょ)、八王子を祀っていました。牛頭天王は疫病をおこす神、頗梨采女はその后、八王子はそれらから誕生した神です。 牛頭天王、頗梨采女、八王子は、それぞれ、素盞嗚命(すさのをのみこと)、稲田姫命(くしなだひめのみこと)、八王子命(はちおうじのみこと)と類似することから、昔から同一視(神仏習合)されてきました。素盞嗚命にも子の八神がいました。 明治政府の神仏分離令によって、祭神として仏教の神である牛頭天王、頗梨采女、八王子から、素盞嗚命、稲田姫命、八王子命に改めたものと考えられます。 禊祓い、農耕・水、森林・山、縁結び・和歌、方除・厄除、学業・教育と様々な御神徳があると信じられています。 本殿の右に「七社」があります。右から、加茂大神社・柊大神社、赤山大神社・貴布禰大神社、春日大神社・新宮大神社、諏訪大神社・竈大神社、賢防大神社、八幡大神社、日吉大神社。 七社の左に「皇大神宮社」、伊勢神宮の内宮の祭神・天照大神が祀られています。 七社の右に「鷺森台神社」と「大将軍社」があります。 さらに、本殿の右の斜面の上に立派な構えの「常盤稲荷」があります。 江戸時代の剣客・宮本武蔵(1582-1645)が、吉岡一門との「一乗寺下り松の戦」の前に八大神社に立ち寄ったといわれています。生年は1584年との説もあります。 武蔵は21歳頃のとき、蓮台野で道場主・吉岡清十郎、三十三間堂でその弟・伝七郎を倒し、「一乗寺下り松」で、吉岡一門の70数人を相手に戦うことになりました。(吉岡側の記録は異なる結果が書かれていますが、戦いがあったのは事実のようです。) 武蔵は、必勝祈願に拝殿の鈴を鳴らそうとして思いとどまり、頭をさげただけで立ち去りました。後年武蔵はそのときの心境を「神仏を尊んで神仏に恃(たの)まず」と述べたそうです。(当時の一乗寺下り松の一部が祠に納められています。) この松は、宮本武蔵が決闘した以前から昭和20年頃まで生きた大木で、その古株が武蔵にゆかりのある当神社に奉納されました。 平成15年(2003)に八大神社創建710年、一乗寺下がり松の決闘から400年を迎えることから、記念事業としてブロンズ製の宮本武蔵像が建立されました。 制作したのは、鎌倉仏師定朝の末裔、仏師・田中文彌氏と柴田篤男氏です。田中文彌氏は国宝などの海外流出を防ぐために、多くの仏像を模造したことで知られ、柴田篤男氏は、亀山公園の角倉了以像の制作者です。 現在の一乗寺下がり松を見に行くために、八大神社を出て前の坂道を下ります。 詩仙堂・八大神社からの坂道と曼殊院道の交差点まで下って来ました。左に行くのが曼殊院道です。向うに八大神社の鳥居が見えます。下ってきた坂道はかっては八大神社の参道だったようです。 交差点の南西の角に一乗寺下がり松があります。この松は古くから旅人の目印として植え継がれてきて、現在は4代目だそうです。 八大神社に古株があるのは初代の松で、その後2代目は修学院離宮から移植されたそうです。3代目が昭和56年(1981)に枯死して、翌年現在の4代目が植えられました。 「宮本 吉岡 決闘之地」の石碑、 「大楠公戦陣地」の石碑 『太平記』によると、南北朝時代の1336年、足利軍と対峙する武将・楠木正成は名和長年とともにこの地に陣を構えたといわれます。 交差点から曼殊院道を少し行くと、このあたりの地名の由来となった「一乗寺址」の石碑があります。一乗寺は、平安中期から中世にかけここにあった延暦寺の末寺、園城寺の別院で、南北朝の動乱以後に廃絶しました。横の建物は一乗寺の集会所です。 向かいには「雲母(きらら)坂お茶所」があります。接待所とあるのでお茶を頂けるようです。左に茄子の石像がありますが、 横に雲母(きらら)漬けの老舗「穂野出」があります。創業は元禄2年(1689)で、曼殊院や延暦寺にお参りに来た人々や僧兵にお茶請けに漬物を振舞ったお茶屋が始まりです。 雲母漬けは一口サイズの小なすを京都の白味噌で漬けたもので、歯触りがよく白味噌の香りが口に広がり、ちょっと病みつきになる漬け物です。 今日もお越し頂き、ありがとうございます。お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。   ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→ ------------------------------------------------------------------- close

八大神社と一乗寺下り松
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投稿日時 2018-05-24 15:20:03

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