両足院 半夏生の庭2018の詳細

両足院 半夏生の庭2018
京都を歩くアルバム
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記事タイトル 両足院 半夏生の庭2018
概要

←目次  2006年1月27日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 昨日の記事に続いて、建仁寺の北門をくぐり両足院(りょうそくいん)を訪れました。通常は非公開ですが、5月25日から7月12日の期間、初夏の特別拝観をしています。 建仁寺の境内の東に…… more ある塀で囲まれた高台に塔頭が並んでいますが、そのうち毘沙門天の門が拝観の入り口です。 「両足院」は、鎌倉時代の龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師を開山とする建仁寺の塔頭「知足院」が始まりです。徳見は、建仁寺の開山・明庵栄西(みんなんようさい)禅師の法脈・黄龍派(おうりょうは)を受け継いでいました。(庫裡から方丈に向かいます。) 「閼伽井庭」 方丈と庫裡の中庭で、閼伽(仏膳に供える水)を汲む井戸とその水を受ける水鉢があります。三尊石が中心にあり、横に礼拝石と燈籠、水鉢を配置しています。 徳見禅師は知足院に葬られ、1428年にその法脈を継ぐ3世文林寿郁(ぶんりんじゅいく)が両足院を創建、一庵一麟(いちあんいちりん)が霊泉院を創建して、知足院はそれらの黄龍派寺院の本院でした。(「方丈」から) 創建当時の両足院は、知足院の別院として建仁寺開山堂・護国院の中にありました。(方丈前庭は桃山時代作庭の枯山水庭園です。) この方丈は、本堂、客殿、住職居室を兼ね、室中に二重格天井を備え内陣に本尊「阿弥陀如来立像」を安置しています。 ここから庭園に下ります(別途拝観料が必要です)。丸窓の反対側は唐門になっていて、その向こうに「唐門前庭」がありますが、こちらは今回の特別公開に含まれていません。 天文年間(1532-1554)の兵火により建仁寺の多くの伽藍や塔頭などが焼失しました。その後、知足院と両足院の両院を併せて「両足院」として再建され、現在に至ります。(霊泉院は別途再建され、現在は霊源院と名を改めています。) 再建された寺院に知足院の名を避けた理由には諸説ありますが、一説では時の天皇・後奈良天皇の諱名「知仁」に触れる事が原因とされています。(庭から見た方丈の本陣。) 庭園の散策路は高台に上り、方丈の東側を北に向かいます。方丈の東庭は帰りに通ります。 「書院前庭」 10世・雲外東竺の元に参禅した茶道の薮内流5代・竹心紹智の作庭による。池泉回遊式庭園で、京都府指定名勝になっています。池は「水」の字の形をしていて、正面が大書院、右に二つの茶室があります。 池の周囲の半夏生(はんげしょう)が白く色づいていました。散策路は茶室の前を通りますが、お茶席になっていてお客が並んでいたので、写真は後で遠くから撮ります。向うは方丈。 再建された両足院は安土・桃山時代から江戸時代の8世利峰東鋭の代までは主に、林浄因(りんじょういん)とその子孫によって、霊泉院は龍山和尚の生家・千葉氏出身の禅僧たちによって護られていきます。 半夏生の名前の由来は、半夏生(太陽の黄経が100°になる日)の頃に花を咲かせることに由来する説と、葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧」とする説があるそうです。 白い部分は葉で、葉の付け根から垂れている黄緑の房状のものが花です。これから2段目、3段目の葉も白くなっていくそうです。 向こうに茶室の水月亭(左)と臨池亭(右)が見えます。水月亭は織田有楽斎好みの如庵(国宝)の写しとして明治43年に建てられ、2畳半台目。臨池亭は大村梅軒好みの茶室で6畳。高台寺にあった大村家別荘の茶室を昭和元年に移築したものです。 庭園の散策路は帰りに方丈の東庭を通ります。東庭の南側は方丈の前庭の延長の枯山水になっていて、右の築山は亀山だそうです。 もう一度方丈に上がり、外縁を大書院に向かいます。方丈の東庭の北側は書院前庭とつながっていて池があります。方丈東庭の亀山に対応して、書院前庭の池の形が鶴になっているともいわれています。 大書院は、もともとは寺院の僧侶の私室、書斎ですが、現在では学術研究の一時的研究室、法要の控室、大寄せの茶席、展示会場など多様な用途で使用されているそうです。 ところで、両足院を護持した林浄因は、南北朝時代の1349年龍山徳見が元から帰国したときに連れてきた宋の僧で、饅頭(まんじゅう)を日本にもたらしたことでも知られています。(大書院の中からが一番の眺めのようです。) 中国では肉饅頭を意味していましたが、肉食が許されない日本の僧のために、茶菓子として現在のような饅頭が考案されたそうです。こちらからは茶室がよく見えます。 両足院の門を入った左に鎮守の「毘沙門天堂」があります。この毘沙門天はかって鞍馬寺の毘沙門天の胎内仏でした。織田信長の比叡山焼き討ちの際、鞍馬寺の僧が安全のため尊像を室町将軍家の茶家・比喜多養清宅に疎開させました。 武将・黒田長政は1600年の関ヶ原の戦いに際して、尊像を内兜に納めて奮戦し、戦勝したことから、代々黒田家で信仰されました。比喜多養清は、京都の黒田家御用達だったそうです。(ここは狛虎が守っています。) 明治時代の1877年頃、尊像は両足院に寄進され、1888年に新築した毘沙門堂に安置されました。以来、勝利の神として商売繁盛、合格祈願、誓願成就などの信仰を集めています。 お堂には本尊の毘沙門天と、脇仏に閻魔大王、不動明王を祀っています。香炉にも虎がいて、寅年生まれの人を守護するともいわれています。 祇園の芸舞妓が、いい旦那様が見つかりますようにとお参りして、願いがかなったことから、良縁成就のご利益もあるとされています。 お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。   ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→ ------------------------------------------------------------------- close

両足院 半夏生の庭2018
サイト名 京都を歩くアルバム
タグ お寺
投稿日時 2018-06-17 16:41:02

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