←目次 　２００６年１月２７日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 昨日行われた祇園祭のお迎え提灯を見てきました。山鉾巡行が祇園祭の中心的な行事と思われがちですが、本来の祭りは八坂神社の神幸祭・還幸祭です。（八坂神社の東の鳥居の前に「祇園祭音頭」を踊る…… more 女の子たちが並んでいました。） 神幸祭・還幸祭で祭神をのせた神輿が氏子地域を渡御する前に、その道筋を祓い清めるための行列が山鉾巡行です。（鳥居の横にある「清々館」には「鷺踊（さぎおどり）」の子たちが準備をしています。）一方、主祭神・素戔嗚尊を乗せる神輿・中御座神輿は7月10日の夜8時頃に鴨川の水で洗い清められます（「神輿洗」）。「お迎え提灯」はその神輿を八坂神社でお迎えした習わしが始まりです。（祇園祭音頭の子らの後、鷺踊の年長の子がやってきました。） 最初のお迎え提灯は、江戸時代に北座や南座などの芝居小屋の役者が趣向を凝らした提灯に火を入れ、鳴物で神輿洗の神輿を迎えました。（続いて、お囃子の「赤熊（しゃぐま）」の年少の子供たち。） その後お迎え提灯は長く途絶えていましたが、昭和27年（1952）に神輿洗に付随する子供たちが主役の行事として復活しました。（八坂神社の本殿にお参りします。） お参りの後、お迎え提灯の行列が並ぶ八坂神社の北の道に向かいます。 現在のお迎え提灯は「祇園万灯会」が主催し、神輿を迎える前触れとして神輿洗が行われる四条大橋を通り、市役所で舞踊を披露した後、八坂神社に戻り神輿を迎えます。ただし、現在市役所は工事中なので、今年は本能寺境内に変更されています。 八坂神社でも舞踊の奉納があり、夜遅くに神輿を迎えるので、小さい子供たちににとっては大変な一日です。（先回りして、石段下の交差点の前で待っていると、行列の先頭の触れ太鼓が出発しました。左の提灯には「おむかえ」と書いてあります。） 行列のお囃子は昨年に続いて「函谷鉾」の皆さんの奉仕です。櫓の屋台車につるされた太鼓と鉦を鳴らし、笛を吹きます。 子供の武者の「鬼武者」が続きます。 その後に、花笠を付け、御神燈と書かれた提灯が並んでいます。これが本当の意味のお迎え提灯のようです。 「小町踊」の京舞篠塚流の皆さんです。先頭の幟（のぼり）を持っているのは外人さんのようです。小町踊は江戸時代の初め、七夕の日に少女が舞った元禄時代の風流な舞だそうで、色っぽい衣装です。 この行列の主役ともいうべき「鷺踊」はかっては「鷺舞」と呼ばれていました。先日の七夕の記事でも説明したように、牽牛と織女が出会うため天の川に桟を渡した鵲（かささぎ）が、京都では白鷺とみなされて、古くから鷺の踊りが八坂神社に奉納されてきました。 しかし、江戸時代中期以降、絢爛豪華な山鉾や花笠巡行におされて京都では途絶えてしまいました。一方で、八坂神社の鷺舞は室町時代後期に（山口県）津和野に伝えられて現在に至るまで継承されてきました。 昭和31年（1956）に津和野に伝わる鷺舞を狂言師の木村正雄が習得して京都に伝え、八坂神社の祇園祭に鷺舞が復活、以来「鷺舞保存会」が継承してきました。しかし、平成18年（2006）に保存会と八坂神社の対立があり、子供による鷺踊に代わりました。 鷺踊と一緒に来るはずの赤熊が見当たりません。代わりにお母さんたちが何か？を手に持っています。おそらく、猛暑の中で年少の子が行進するのを避けたようです。　 最初に見た祇園祭音頭の女の子たちです。 みんな楽しそうです。 行列の最後は「馬長稚児(うまおさちご)」です。 「馬長」は、祇園祭の前身・祇園御霊会の神事に、騎乗して社頭の馬場を練り歩いた者だそうです。 水干姿で綾藺笠（あやいがさ）をかぶり、行列の最後に相応しい凛々しい姿です。 お迎え提灯の行列は、四条大橋を渡り、河原町通を北上して本能寺に向かいます。私は子供たちの舞踊を見るために本能寺に先回りします。、 三条大橋の上から、先日の大雨で鴨川の護岸が崩れた場所が見えます。「緊急工事」の看板があります。 先斗町歌舞練場の前で、復旧作業をしていました。 河原町通を渡るとき、ちょうど行列がやってきました。この後は明日の記事に続きます。 お帰りの際には、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。 　　★こちらを是非よろしく→ 　　ブログ村→ ------------------------------------------------------------------- close

祇園祭お迎え提灯　八坂神社を出発