秋田県大館市岩瀬。冷水神社の南方。北方には田代岳。田代岳は山そのものが御神体であり、昭和初期までは霊峰田代山と呼ばれていました。山頂の田代山神社には「白髭大直日大神」が祀られ、9合目には「山の神」の御神体「大日貴命」「小彦名命」の御神体があります。地元には「津軽の猟師彦之丞が、獲…… more 物を追って田代岳山頂まで来たところで、幾多の水田を発見し、驚いていたところに白髭の白髪で白衣の翁が現われ、この翁を白髭大神として祀ったのが、田代山神社の始まり」と記された由来書が残されています。 農民がこの地方のほとんどを占めていた時代に、豊作を祈る信仰心の篤い信者たちは、田代岳詣りを重ねる一方、集落に程近いところに里宮や信仰碑を建立し「田代山」を祀ってきました。今も市内の広い範囲に「田代山神社」や「田代山」などと刻まれた小社や石碑が残っており、その建立年を見ると古くからの信仰が伺えます。ちなみに一番古い年代は、慶応元年に建立された大館神明社境内の石碑です。白髭大神は、田神、水神、作神ともいわれ、田代岳は雨乞いの山として広く知られるようになり、「点々と水を湛えた池塘の守護神である白髭大神に祈願することで、豊饒の雨を田んぼに授かる」といったこの地方独特の農業信仰が根付いています。 太平山三吉神社と田代山白髪神社の石碑が残されています。 紀年銘はいずれも明治21年4月17日です。 移転及び階段設置記念碑…『昭和53年圃場整備事業により中渡り22番（現山瀬131番）より現在地に移転。昭和63年過疎農道施行により鳥居等移転費充当で階段を新設す。昭和63年9月17日』 close

田代山白髪神社 （大館市）