王子から飛鳥山を左に見ながら本郷通りを南へ進むと、西ヶ原の一里塚の辺り、滝野川警察署の手前に七社神社の鳥居がある。ここを右折すると七社神社への参道になる。参道と言っても住宅地。この道の突き当たりに七社神社の境内が広がる。 この日は東京十社徒歩巡拝の途上にお参りしたので王子から歩い…… more てるが、地下鉄南北線の西ヶ原駅からならもっと近い。 七社神社　東京都北区西ヶ原二丁目１１番１号 御祭神、伊邪那岐命〔いざなぎのみこと〕・伊邪那美命〔いざなみのみこと〕・天児屋根命〔あめのこやねのみこと〕・伊斯許理度賣命〔いしこりどめのみこと〕・市寸島比賣命〔いちきしまひめのみこと〕・仲哀天皇〔ちゅうあいてんのう〕（帯中日子命〔たらしなかつひこのみこと〕）・応神天皇〔おうじんてんのう〕（品陀別命〔ほむだわけのみこと〕） 『江戸名所図会』には「七社〔ななのやしろ〕」と記され、無量寺の裏手の高台にある。無量寺は古河庭園の西隣に位置しており、当時の七社は今の古河庭園辺りにあったのだろうといわれる。 『新編武蔵風土記稿』によれば、西ヶ原村の無量寺の項のなかに「七所明神社」とあり、「村の鎮守とす。紀伊国高野山四社明神を写し祀り、天照大神、春日、八幡の三座を合祀す。故に七所明神と号す。末社に天神、稲荷あり」と記されている。 明治の神仏分離ののち、明治二年に現在地である旧一本杉神明宮の社地に遷座した。由緒などの古文書古記録の類は寛政五年（1793）の火事で焼失。 村の鎮守という面影がいまも残っているような何となく優しい印象の神社。神社の印象は祀られている神様の性格性質にもよるが、崇敬している人々や神職の気質にもよると思う。 パッと神社には見た目には整備されているけれど、どこか荒んでいる印象のある神社も少なくない。そうゆうところは言葉少なく立ち去り、ブログにも載せないかもしれません。わざわざ批判的な発言をするのに時間をとるのはもったいないから。多少の皮肉は書きますが。 拝殿左手奥の社務所で御朱印をお願いする。書いていただいている間、社務書の玄玄関で椅子に腰を掛けさせていただき、お茶までいただいた。こうゆう心遣いはとてもありがたいものです。そんなところが、この神社がよい感じのする理由のひとつかもしれません。 御朱印には七社の桜として知られる八重桜の品種の福禄寿が赤で、御衣黄〔ぎょいこう〕が緑で描かれている。春には紅白の桜が楽しめるらしい。そして、都電も御朱印に。七社神社は都電荒川線飛鳥山からも近い。 境内にはもともとこの地の一本杉神明宮が天祖神社として祀られている。天祖神社の裏手には社名の起こりとなった一本杉の古木が残されている。 他に稲荷、三峰、道真公などの末社が並ぶ。神社には珍しく孔子さま孟子さまの石像もあった。 また七社神社の狛犬は「子守犬〔こまいぬ〕」とされ、子宝、安産、家庭円満のご利益があるとか。絵馬にも子守犬が描かれている。 さて、七社神社を出て本郷通りを南下。古河庭園とかのぞいて見たい気持ちもあったが、次第にポツリポツリと雨模様。それほどの降りには至らなかったが、この日は駒込駅で家路につく。   新編武蔵風土記稿. 巻之１８ 豊島郡之１０，巻之１９ 豊島郡之１１，巻之２０ 葛飾郡之１，巻之２１ 葛飾郡之２，巻之２２ 葛飾郡之３，巻之２３ 葛飾郡之４，巻之２４ 葛飾郡之５ - 国立国会図書館デジタルコレクション 東京都北区で安産・厄除・初宮詣｜ご祈願・お参りは【七社神社】   close

七社神社（北区西ヶ原二丁目） - 此岸ノオト