対馬の神社を代表する景色のひとつは、静かな入り江に鳥居が立つ、和多都美神社でしょう。ここには、彦火々出見尊（ひこほほでみのみこと）と豊玉姫命（とよたまひめのみこと）の夫婦神が祀られるとともに、古くから竜宮伝説が残されています。そして本殿正面の5つの鳥居のうち2つは、波に洗われてい…… more ます。なんとも神秘的な光景です。これは明らかに、海の民の信仰です。神様も参詣者も、ともに海からやってきたのでしょう。　　☆海神系の神を祀り、波打ち際に鳥居が建てられ、干潮と満潮で様相が一変する神社は他にもあります。最も有名なのは、安芸の宮島。厳島神社の大鳥居です。伊勢志摩の海にも。和歌山の周参見。やはり海神は海から来臨するのでしょうね。干満はありませんが、湖や池にも水中の鳥居はあります。例えば、琵琶湖にも。大分県中津市には、ご神体の池に鳥居が。琵琶湖の沖島には、一の鳥居がまさに陸と湖の境界線に建てられています。　　☆ところが和多都美神社には、もう一つ不思議な鳥居がありました。三柱鳥居で、海際と陸上の二ヶ所にあります。これにそっくりの三柱鳥居は、京都市右京区の「木嶋坐天照御魂神社」、通称蚕ノ社(かいこのやしろ)にもありました。こちらも、元々は水中にあり、中央部の石積みが少し顔を出していました。ここは、由緒書きに「景教(キリスト教の一派ネストル教、約1300年前に日本に伝わる)遺物ではないかと伝われている」と記されています。この影響なのか、和多都美神社の三柱鳥居にも、原始キリスト教やユダヤ教、ヘブライ語との関連があるという説が、ネットにはかなり出回っていました。しかし最近、和多都美神社の三柱鳥居は比較的新しく、信者の奉納したものだと判明したようです。ただ、それにしてもなぜ三つ鳥居を奉納・寄進したのか、それを当時の宮司さんが容認したのはなぜなのか、いろいろ疑問は残りますが、原始キリスト教やユダヤ教と直接的な関係はなかったようです。(ちょっとがっかりした方もおられそうですね(^^♪ただし、写真では海の漂流物に半ば隠れている奇妙な岩に関して、こう書かれています。磯良恵比須背面に鱗状の亀裂が見られる　この岩は今もなお神社に霊場として祭られている。これを磯良の墓として伝説があるが、これらは社殿が営まれる以前古い祭祀において霊場か御神体だったのではないかと思われている。つまり、三柱鳥居自身は比較的新しいとしても、その中心部にある岩は、まぎれもなく古代から神の来臨する神聖な岩とされてきたのでょう。まさに「奇しき岩に神が宿る」ですね。いずれにしろ、各地にある水際の鳥居は、広々とした水面に映えてそれぞれ神秘の絶景を作り出していました。これは確実に、日本の古き佳き伝統美だと思います。ところが、和多都美神社では水辺だけが神秘の景色ではなく、本殿の奥には、さらに不思議なものがありました。「なんでこれが゛・・・・・」と絶句する奇妙なものなどを、次回報告します。(続く)取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

和多都美神社・海の女神の絶景