あの竜宮とは和多都美神社のことなのか?の詳細

あの竜宮とは和多都美神社のことなのか?
神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
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記事タイトル あの竜宮とは和多都美神社のことなのか?
概要

一昨日の記事である『和多都美神社・海の女神の絶景』の後篇です。海とは思えない、静かな水面に立つ鳥居。ここに来ると、なんとも美しい幽玄の世界を感じます。さて、下の絵画は、ある有名なシーンを描いています。ウィキペディアよりこれは、青木繁が描いた『わだつみのいろこの宮』という有名な作品…… more です。この作品の舞台は、一体どこなのでしょうか?『わだつみのいろこの宮』は、山幸彦と豊玉毘売命の出会いを描いたものです。ではその山幸彦と海幸彦の神話の概要を、ウィキペディアから借ります。山幸彦と海幸彦(やまさちひことうみさちひこ)は、『記紀』に記された日本神話。主に「海幸山幸(うみさちやまさち)」と呼ばれ、神話に多い神婚説話、理想郷に留まる内容であり、民話「浦島太郎」のもととなっている名前のごとく、山の猟が得意な山幸彦(弟)と、海の漁が得意な海幸彦(兄)の話である。兄弟はある日猟具を交換し、山幸彦は魚釣りに出掛けたが、兄に借りた釣針を失くしてしまう。困り果てていた所、塩椎神(しおつちのかみ)に教えられ、小舟に乗り「綿津見神宮(わたつみのかみのみや)」(又は綿津見の宮、海神の宮殿の意味)に赴く。 海神(大綿津見神)に歓迎され、娘・豊玉姫(豊玉毘売命・とよたまひめ)と結婚し、綿津見神宮で楽しく暮らすうち既に3年もの月日が経っていた。山幸彦は地上へ帰らねばならず、豊玉姫に失くした釣針と、霊力のある玉「潮盈珠(しおみつたま)」と「潮乾珠(しおふるたま)」を貰い、その玉を使って海幸彦をこらしめ、忠誠を誓わせたという。この海幸彦は大陸と交易していた筑紫海人族もしくは南方と交易していた隼人族の祖と考えられる。 その後、妻の豊玉姫は子供を産み、それが鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)であり、山幸彦は神武天皇の祖父にあたる。これは日本神話の一部ですから、現実の国土ではないと考えるのが普通かもしれませんね。ましてや浦島太郎伝説に関係するのなら、海の底のメルヘンのはず。しかし、その舞台はここだ、というお社がありました。それが、和多都美神社なのです。    ☆このお社の由緒の一部をご覧ください。縁起を辿れば、神代の昔、海神である豊玉彦尊が当地に宮殿を造り、宮を「海宮」と名づけ、この地を「夫姫」と名付けた。その宮 殿の大きさは、高さ一町五反余り、広さ八町四方もあったという。 そして神々しい神奈美「夫姫山」のさざ波よせるこの霊地に彦火々出見尊と豊玉姫命の御夫婦の神を奉斎したと伝えている。豊玉彦尊には一男二女の神があり、男神は穂高見尊、二女神は 豊玉姫命・玉依姫命という。ある時、彦火々出見尊は失った釣り 針を探して上国より下向し、この宮に滞在すること三年、そして豊玉姫を娶り妻とした。この海幸彦・山幸彦の伝説は当地から生まれたものである。満潮の時は、社殿の近くまで海水が満ち、その様は龍宮を連想させ、海神にまつわる玉の井伝説の遺跡跡や満珠瀬、干珠瀬、磯良恵比須 の磐座などの旧跡も多く、また本殿の後方に二つの岩がある。これを夫婦岩と称し、この手前の壇が豊玉姫命の墳墓(御陵)である。  また、西手の山下に、石があり、それが豊玉彦尊の墳墓(御陵)である。このように当社は古い歴史と由緒を持ち、時の国主や藩主の崇敬も篤く、たびたびの奉幣や奉献それに広大な社領の寄進があった。現在でも対馬島民の参拝は勿論のこと全国各地からの参拝が多い。では、ここが本当に、日本神話の舞台であり、しかも竜宮のモデルだったのでしょうか?しかしそれにしては、私たちが「竜宮」に思い浮かべる絢爛豪華なイメージはまったくありません。しかも、対馬の中でもここはかなり辺鄙なところです。  ☆この和多都美神社から直線距離で数キロのところに、豊玉町の銘という小集落があります。現在の戸数はわずか20戸ほど。ところが地区の親方である吉田家の蔵には、60~70振りの刀が所蔵され、年一回は土用干しをしているそうです。いったいなぜそんな大量の刀剣類があるのか。かつては、刀を持ち、集落ぐるみで交易に出かけていたと推測されています。『高麗史』には対馬から高麗国王にミカンを進呈したと書かれているそうですが、銘集落の裏山には、今でも柑橘類の古木があります。柑橘栽培に適さない朝鮮半島に対する貿易品だったのかもしれません。あるいは、単なる貿易としては武装が過ぎると考えるならば、正史に残らない倭寇のような活動の拠点だった可能性もあります。いずれにしろ、豊玉町にいまよりはるかに豊かで人口も多い時代が過去にあったとすれば、満潮時には社殿前まで潮が満ちる和多都美神社に、当時の人から見れば「竜宮」のように立派な建物があったとして不思議はありません。さらにその建物で、来訪者を海の幸で贅沢にもてなすことは現実にあったかもしれません。  ☆説明と推測が長くなりました。境内の気になる場所を紹介します。本殿の向かって右側、摂社の背後には、磐座と思われる立石がありました。出雲の佐太神社境内にも、二本の小さい立石があります。なにか案外重要な、海神系の祭祀物なのかもしれません。さらに社殿に向かって左には、龍の姿のようだとされる松の大きな根。本殿から背後に道が続いていました。しばらく森を歩くと、左に鳥居があります。その先にあったのがこれです。豊玉姫の墓と書いてあります。しかし、どうみても墓のようには見えません。ウィキペディアに豊玉姫命は”仁位の高山”に葬られたと社家には伝承されているので、この磐座は恐らく古い斎場の跡であったものが、戦後の混乱期に社家がいったん途絶した為、「豊玉姫の墳墓」と言われるようになったと考えられる。と推測されているように、磐座の一種と見るべきでしょう。それにしても、背後の岩肌は特殊です。おそらくここは、海から鳥居を通って来臨した神が宿るところだと思います。すぐ横には谷川の真水も流れていて、静かな湾岸は住むのには快適でしょう。かつて大きな館があったのかもしれません。交易などによる豊かな経済力を基盤とした、祭祀王や王女や巫女がこの静かな湾に住んでいて、後に竜宮として記憶されたとしても不思議はないなと思った次第です。取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

あの竜宮とは和多都美神社のことなのか?
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タグ 水辺の聖地 神社
投稿日時 2019-04-11 05:20:07

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