生駒郡平群町越木塚に鎮座する平群石床（へぐりいわとこ）神社。その境内に置かれた神篭石について、先日の記事で紹介しました。今回は、それ以外の古い習俗や旧社地の巨大な磐座について記事にしたいと思います。まずは、この土団子。同じ境内の消渇神社は、旅の僧が腰の病を治してもらってから下半身…… more の病気に御利益があるとして村人に信仰されるようになりました。江戸時代には社名から女性の病気や性病に効果があるとして京都祇園からの参拝者もあり、参道に茶店が出るほど賑わったといわれます。その願掛けに、土の団子を十二個つくり、これを供えて祈願し、願いが叶うとお礼に米の団子を十二個お供えする風習があるのです。 　土団子を作るところも完備しています。さらに、同じ境内の一段高い場所には、七社神社があります。このお社の詳しいことは不明です。周囲の土塀はあちこちが崩れており、失礼ながらかなり荒れた雰囲気です。古くからの氏子さんたちだけで維持管理するのは、もはや限界があるのでしょうか。　　☆石床神社は、大正十三年（１９２４年）に旧社地より移動して現在地に合祀されました。合祀前の旧社地には巨大な磐座が残っているので、集落の細い道をたどります。新社地を出て右に山麓をたどれば、10分くらいで着くはずと適当に歩いたら、案の定道に迷いました。あらかじめ地図上で特定していなければ、右へ登ったらいったん下に向かい、この小さな道案内を見つけて、細い道を進む以外はありません。で、なんとかたどり着いたのが、ここです。由緒には、越木塚集落の南東部、伊文字川流域を見おろす位置にあり、本殿や拝殿は当初からなく、鳥居と社務所があっただけで、崖面に露頭した高さ約6ｍ、幅10数ｍの巨大な「陰石」を御神体としている。「延喜式」に記載のある式内社で、祭神は剣刃石床別命(けんじんいわとこわけのみこと)。貞観元年(859年)には従五位上を授けられている。地域での磐座(陰石)信仰が窺え、古い信仰形態を伝える貴重な神社である。大正13年(1924)に集落内の素盞鳴神社(石床神社)に合祀されている。鳥居と社務所はあっても、本殿や拝殿は当初からなかったという、原始神道そのままのお社でした。「陰石」とされますが、岩の割れ目を女性器に見立てて単に五穀豊穣と子孫繁栄を祈るというより、隙間に差し込む朝日を男性太陽神との「聖婚」と見る古代信仰・古代儀礼があったのではないでしょうか。それにしても車でここまで来るのはかなり難しく、徒歩では近鉄竜田川駅より25分という不便さで、観光客が気軽にくるようなお社ではありません。観光収入は見込めないけれど、そのかわり荒らされることも少なく、古代からそのままの巨石磐座信仰が見られる、大変貴重なお社でした。取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

平群岩床神社・原初の神社がそのままありました