平家の侍大将であった平悪七兵衛景清は、弓の名手、剛勇の士でありながら、源平の覇権争いに敗れた悲劇の人として、今に至るまで人々の信仰を集めています。(歌川国芳画『耀武八景 大寺晩鐘 悪七兵衛景清』・ウィキペディアより)能・謡曲・歌舞伎・浄瑠璃等では、景清が登場する作品を一括して景清…… more 物（かげきよもの）と呼ぶくらい有名なのですが、その実像は謎めいています。その景清を祀る景清神社が、岡山県西粟倉村影石の山中にありました。　　☆ここは、景清の生誕地で、景清が産水をとったと言われる「産水池」「腰掛岩」などの伝説がこの地に残されています。また、このお社は眼病に霊験あらたかで、参拝者も多いそうです。それにしても、本来のご神体は背後の巨石でしょう。景清は、巨石の下で生まれたというのでしょうか？横から見ると、また違った様相です。神社の前は、谷川の清流が結構激しく流れています。清流で禊をして渡り、参拝するというのは、多くの巨石・磐座信仰のお社で見られるパターンです。景清以前から、この巨石に対する信仰はあったものと思います。　　☆能における景清は、平家没落後落ちぶれて、両眼を失いながら日向国（宮崎県）に流されています。そして、景清の娘である人丸が、父恋しさに鎌倉から日向に向かうのですが、粗末な草庵で乞食生活を送る景清は、実の娘と分かりながら父と名のることができません。哀れに思った村人により再会するのですが、娘は名乗らない父を涙ながらに責め、父は名を隠すしかない自らを恥じながら娘を抱き寄せるというストーリーです。この筋とは別に、江戸時代中期の『日向見聞録』によれば、景清は鎌倉で目をえぐって頼朝への怨念を断ちます。そして日向勾当という僧となって日向に下り、その両眼を祀ったのが生目神社だという、なかなか壮絶な展開もあります。あるいは眼病で目を悪くした、合戦で目を傷つけたなど、東北から九州各地にそれぞれの伝説が伝わっているようです。(新作歌舞伎をモチーフにした岩手県紫波町の景清。ウィキペディアより)景清が目を悪くしたのは間違いないようですが、自分で目をくり抜いたのか、、戦いで目が傷ついたのか、眼病にかかったのか、何が事実かは霧の中。まさに「諸説有り」の世界です。ひょっとすると、例の「片目を傷つけた神」の古い伝説が絡んでいるのかもしれません。人身供犠か、それとも金属神の崇拝か・・・・ところで西粟倉村には、ダルガ峰の山中にひっそりと佇む謎の石柱群があります。(智頭急行株式会社 沿線みどころガイドより)付近では石器や弥生土器が発見されており、神秘的な古代の遺構なのだとか。また付近の岩倉寺にも、巨大な岩石露頭があります。どうもこの周辺は、いろいろと謎深き地域のようですね。それにしても、巨石信仰と景清生誕に、何か関係があるのでしょうか？景清という人物の真実の姿も、なかなか奥が深くて簡単にはわからないようですね(＠_＠;)取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

景清神社・悲劇の平家伝説と巨石磐座信仰