昨日の続きです。1年でたった2日しか営業しないJRの駅と、やはりたった2日しか通れない橋がこれでした。(三豊市観光交流局様より)ここは、香川県三豊市三野町の津嶋神社です。風光明媚な瀬戸内海に浮かぶ津島には、素盞鳴命（すさのおのみこと）を祀る本殿、幣殿、拝殿、神饌殿、社務所、守札授…… more 与所があります。江戸時代から子どもの健康と成長の守り神として信仰が厚いのですが、この島へ渡れるのは毎年8月4、5日の夏季例大祭の時だけです。 この二日間の参拝者は、のべ10万人を超えるのだとか。 　 ☆この島を初めて見たのは、数年前に香川県三豊市の貴峰山に登った時でした。貴峰山は、典型的な神体山の様相です。山麓には、ぽつんと超巨石。ここは日枝神社の御旅所のような場所です。頂上には、これまた不思議な様相の巨石がありました。奥津磐座なのでしょう。そしてこの山頂から、反対側の瀬戸内海を見降ろした時、長い橋と小島が見えたのが、最初の出会いでした。あの橋の島にも、古くからの信仰があるのだろうな。どうもこの地域は、簡単には解明できない不思議な原始信仰がたくさん隠れているようだ・・・・そう感じたのを覚えています。そして何年か後、あの時山頂から見た、津嶋神社という謎めいたお社に行って写したのが、赤い橋でした。しかしこの時、不思議なものを沖合に見つけました。これです。岩礁に石の祠が置かれたような、不思議な存在感の島です。地図で確認すると、内陸部の津嶋神社境内と、津島と、この不思議な岩礁が一直線に並びます。 　 ☆島に関わる有名な神社で、直線上に関係地が位置するケースはいくつもあります。「世界遺産『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の宗像大社と中津宮の大島、そして沖ノ島の３カ所は一直線に並びます。出雲の美穂神社では、美保関灯台に隣接する鳥居(遥拝所)と地之御前と沖之御前が一直線に並びます。神迎神事では｢沖ノ御前島｣まで船で参向し、神霊を美保神社本殿までお迎えするという重要な岩礁です。「地御前」という地名で言えば、広島県の厳島神社。下(南)から順に、弥山山頂(巨石群)・厳島神社・地御前神社と見事に並びます。地御前神社は、厳島神社の外宮として建立された重要な神社でした。　　☆これらの信仰をもたらしたのは、間違いなく海人系の人々でしょう。彼らは、遠い沖合からでもはっきり識別できる陸上の秀でた山々(それは神体山であることが多いのですが)を結び、その延長線を海に投影して海上での自らの位置を知りました。山当て、あるいは山立てと呼ばれる手法です。もともとひときわ目立つ秀峰が選ばれていたのですから、海の神の信仰と関係が深いのは当然かもしれません。水平移動する海人系の神は、まず沖合の小島に依り付き、内陸部の本社へと渡ってくると信じられていたのでしょうね。いずれにしろ、「島嶼信仰の直線性」という海人系の祭祀パターンがあるならば、津島本殿の背後にある謎めいた岩の小島も、「不通浜」の嶋大國魂神社にある島も、同じ重要性を持つ神の示現地だったと私は推測します。どちらにも祀られるスサノオにも、いろいろ複雑な謎がありそうですね。しかし、現地でお年寄りにでも聞かない限り、これらの島々に関する情報は全くありません。ひょっとすると、私が勝手に妄想しているだけなのでしょうか。もし何らかの伝承等、情報をお持ちの方がおられましたら、ぜひともご教示いただければ幸いです。取材とネタもそろそろ限界ですが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

宗像大社・厳島神社・美保神社・島大國魂神社・津島神社に秘められた直線の謎