和歌山県田辺市の海岸に、不思議な光景があります。鳥居が海の中に立っています。そして、その近くに、不思議な島があります。なんだか大きな穴があります。背後から見ると、なんとこんなアフロ島？でした。不思議な小島ですが、鳥居の向きを考えると、関係がなさそうですね。ではいったい、この海中鳥…… more 居は、何のために立っているのか。海中鳥居のすき間をアップして、その彼方を見ると・・・赤い鳥居が小さく見えました。なるほど、あそこに神社があって、その一の鳥居がこれなのでしょう。という事で、赤い鳥居へ行ってみる事にしました。昔は島だったようですが、現在は防波堤の上をしばらく歩くと、島に下りる事ができます。この辺りは水もきれいで、かわいい魚が群れています。ひょっとすると、毒のあるゴンズイの赤ちゃん？で、神社にたどり着きました。元嶋神社という名前です。主祭神は市杵島姫命。背後には、なんだか奇妙な模様があります。海面の上昇や下降に伴う海蝕、風蝕によって形成された自然景観です。おそらく、この奇妙で不思議な岩を神の依りつく磐座として、信仰ができたのでしょう。まさに柳田国男のいう「奇しき岩」だと思います。ところが、説明を読むと、意外なことが。ここの弁天大神（市杵島姫命）は、元々「田所島」に祀られていたというのです。度重なる台風でお社が壊されたため、大正十五年にここへ遷座したこと、その一年前に海中鳥居が立てられたことが記されています。そして、もともと鎮座していた田所島とは、最初にアフロ島と勝手に思った島のようなのです。田所島は不思議な島です。見る角度によって、まったく姿を変えます。祠を立てる場所くらいはあるようです。洞窟もあり、なかなか神秘的な様相ですね。ここもまた、「奇しき島」だと思います。神が依りつくにふさわしい、聖なる島だというわけです。　　☆では、現在の場所に移転した理由は何だったのか？台風の影響を受けにくい場所として、たまたま選ばれたのでしょうか？私はそうではないと思います。紀伊半島沿岸部には、浸食地形が神社仏閣や伝説に結びついている場所がいくつもありました。例えば、上富田町生馬の救馬渓観音。ここは、約1300年の歴史を持つ、和歌山県南部で最古・最大の開運・厄除の霊場とされます。境内には、こんな場所が。同じ上富田町の岩崎波切不動は、巨大な龍蛇が壁を貫いているようにも見えます。ここにもまた、こんな地形がありました。これは、古座川町池野山の虫喰岩です。穴の開いた小石に糸を通して願掛けをすると耳の病気が治ると言う言い伝えがあります。そしてよく見ると、上の方の岩窟には、四角く白い障子のようなものが見えます。この中には観音様が祀られているそうですが、よくもこんなところにと、正直驚きます。やはり、不思議な印象の浸食地形には、古い聖地の名残があるように思います。最後にもう一つ。鬼ヶ城（おにがじょう）は三重県 熊野市木本町にある海岸景勝地です。2004年7月に、ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として登録されました。そして、この沖合に浮かぶ魔見ヶ島。ここには、こんな伝説があります。この魔見ヶ島は、観音の化身である童子が舞いを舞ったと伝えられる聖地なのです。仏教以前には、海の彼方から神が来臨する原始信仰の岩礁だったのかもしれません。私には、魔見ヶ島と鬼ヶ城の関係が、田所島と元嶋神社の関係と重なります。宗像大社の大島と沖ノ島も同様です。それぞれ、神社に社殿ができるよりずっと古い、土着の聖地なのでしょう。なんとか記事を続けています。三つクリックしていただくと大変励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

元嶋神社・気持ち悪い模様？・・・聖なる岩でした！