←目次 　２００６年１月２７日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 一昨日の記事の花山稲荷神社から西に下ります。下りは左の道で右の石段は通れません。ここから南西にあるいくつかの寺社に向かいます。 「大石道（大石街道）」　この南北の通りの名は大石蔵之介（良…… more 雄）が由来で、潜伏先から祇園に出かけるときに通ったとされています。　 しばらく南に歩くと、この散策の初めに通ってきた新十条通に出会います。交差点を西（右）に曲がると、 東山を通る「稲荷山トンネル」　2007年に開通した、山科区、東山区、伏見区にまたがる全長2537ｍ、片側2車線のトンネルで、2019年からトンネルを含む山科-鴨川東の区間が無料開放されました。 トンネルの手前の南北の通りは「新大石道」で、交差点の左（南）に「西野山公会堂」があります。大石蔵之介が潜んでいたのは西野山とよばれるこのあたりで、いくつかの旧跡が残っています。 公民館の横に山に向かう坂道があり、途中の左手に寺があります。 「福王寺」　浄土宗の寺院で、大石蔵之介が隠棲していたとされる候補地の一つです。 創建の年代や経緯に関しては不明ですが、後で訪れる極楽寺の末寺だったようです。江戸時代中期の1701-1702年、内蔵助は当寺に隠棲したと伝わっています。 山門の右が本堂で、本尊の地蔵菩薩は蔵之介の念持仏だったそうです。 江戸時代後期の1822年、浅草の観音寺で当寺が保管していた蔵之介の遺品など19点が開帳されあました。目録には脇差・硯石等内蔵助遺品、義士の手紙15通等が記載されています。（庭には石仏が安置されています。） 現在でも、蔵之介が当地に潜んでいたことを示す、直筆の書籍や着物なども残っています。当寺は蔵之介の密会場所ともいわれ、かっては隠し扉ながあり、忍者屋敷の様だったそうです。 第2次大戦の戦災により本堂が焼失、戦後再建されました。（手水鉢の横にカエルを発見！） 坂道の突き当りに「極楽寺」があり、こちらも浄土宗の寺院です。 室町時代前期の1416-1419年頃に創建され、開基は心誉秀残、開度は眼阿練透といわれています。 大石蔵之介が西野山に隠棲したとき当時の檀家となり、主君・浅野内匠頭の位牌を納めました。また、義兄・進藤源四郎と共に寺を修復し、主君の永代供養のため菜地を寄進したといわれます。 本堂には阿弥陀如来を祀り、山号「蔡華山(さいかさん)」の扁額がかかっています。かっては地名の地名の「西花山」に由来する「西華山(にしかさん)」だったそうですが、改称の経緯は不明です。 寺には内蔵助の遺品という防具の鎖帷子(くさりかたびら)、硯箱、赤穂義士の遺品などが残されているそうです。（珍しい形の手水鉢がありました。） 右の「頌徳（しょうとく）碑」は古い物ではなく、近年の住職の功績をたたえるものです。境内の南は墓地になっていて、TOPの写真の観音菩薩像が塀のそばに立っています。 江戸時代後期の1807年夏、火災のため仏堂・庫裡・什器・宝物などすべて焼失、わずかに仏像や位牌等が残っただけでした。（隅には六地蔵とともに石仏が祀られています。） そのため福王寺を本寺に代え、6年後に仮堂を再建して仏像等を戻しました。この後、大石蔵之介ゆかりの神社に向かいました。 お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。 ★こちらを是非よろしく→ 　　ブログ村→ -------------------------------------------------------------------   close

山科　福王寺と極楽寺