三千院 有清園から観音堂への詳細

三千院 有清園から観音堂へ
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記事タイトル 三千院 有清園から観音堂へ
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←目次  2006年1月27日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 昨日に続いて三千院の宸殿から池泉回遊式庭園の「有清園」に降りました。三千院は山の斜面に建てられ、境内は門前通りからさらに高く4段になっています。昨日の聚碧園が一番下、この庭は2段目になりま…… more す。 有清園の名は中国南朝宋の詩人、謝霊運の「山水有清音」という句に由来するのだそうです。まだ紅葉は始まっておらず、苔地と木々の緑に包まれた庭園に、石像が静かに立っています。 宸殿の向かいにある往生極楽院の横に池があり、東(右)の斜面に造られた「細波の滝」から水が流れてきます。どこが滝かはっきりしませんが、向うは宸殿。 よく見ると、東の斜面にお地蔵さんがいます。 こちらにも 「朱雀門」 往生極楽院の正面にある朱塗りの門で、かって極楽院が本堂だった頃の正門にあたります。呂川沿いの道に面しています。 「往生極楽院」(重文) 平安時代中期の986年、恵心僧都源信(942-1017)が父母の菩提のために、姉の安養尼とともに建立しました。近くから写真を撮ると、国宝の阿弥陀三尊(坐像)が写ってしまいます。 有清園の南東の苔地に、石彫家の杉村孝氏の作品の「わらべ地蔵」が置かれています。この日は望遠が利くカメラを持っていたので、アップの写真が多くなります。 杉村氏は昭和12年(1937)藤枝市の石材店の三男に生まれ、全国的に認められたのは50歳近くからです。故郷の山奥の不動峡に8年かけて巨大な不動尊の像を刻んだり、「富嶽文化賞・ビエンナーレ展」で大賞をとったことでも知られます。 作品に似合わず、強い反骨精神の持ち主で熱心な平和運動家でもあり、最後の無頼派芸術家とも呼ばれます。常葉美術館の企画では10トンの石を利用して「9条の碑」を建てる工事をインスタで発表、役人をあわてさせたそうです。 東日本大震災の後、不動峡で311個の風船に鎮魂のことばを書き紐を付け、水流へ放ち自ら老いた裸にシーツを纏って入水し命がけの祈願をしました。長年「核兵器廃絶を願う美術家の会」でも活動。 平和を求め人を救いたいという強い願いが、わらべ地蔵の表情となって表れているのでしょう、最近では宗派を問わずたくさんのお寺に作品が置かれるようになりました。 南禅寺塔頭の牧護庵(ぼくごあん)には100体以上のわらべ地蔵が置かれています。  「弁天池」に流れ込んでいる水は「延命水」、ここから坂道と石段があり、さらに3段目の高台まで登ります。 途中に京の七福神の一つ「妙音福寿大弁財天」と「宇賀神」が祀られています。宇賀神と弁財天は神仏習合によってより功徳を増すといわれ、宇賀神は下の檻の中に蛇の姿をしています。 「金色不動堂」 護摩祈祷を行う祈願道場として平成元年に建立され、本尊として智証大師作と伝えられる秘仏「金色不動明王」(重文)を祀ります。毎年4月に行われる不動大祭期間中の約1ヶ月間、秘仏が御開帳されます。 右は「民謡に生きる」の碑 民謡研究家の竹内勉氏の民謡採集50周年記念として1999年に建立。氏は長年NHKラジオで民謡番組を担当、英文学者の工藤直太郎氏は最晩年にこのラジオ番組に投書したことから二人は知り合いました。 百歳を越えると家族のほとんどが先に逝き、死後の世話をしてくれる者はほとんどいません。それでも、文面は乱れを見せない格調高いもので、感銘を受けた竹内氏は「生きてごらんなさい 百歳の手紙」という書を出版しました。 そして105歳で亡くなった工藤氏を看取りました。左は「生きてごらんなさい」、右は小堀光詮前門主の「一日一生」の碑。竹内氏と親交があった小堀師は「民謡の守門者」の称号を与えました。小堀師は2013年、竹内氏は2015年に亡くなりました。 「草木供養塔」 山形では昔から草や木の生命をいとおしんで「草木塔」を建立したそうです。建設会社社長・千歳栄氏は草木塔を建立する活動をしていて、その話に感銘を受けた小堀師がここに建立したものです(長崎産六方石、玄武岩)。 金色不動堂の右手にある石段を上ると、一番高い4段目の高台に「観音堂」があります。平成10年に建立され、身丈3メートルの金色の観音像が祀られています。 観音堂の両側に「小観音堂」がいくつも建っていて、奉納された小観音像が安置されています。こちらは左の小観音堂で、その横に美しい姿の「聖観音像」が立っています。 石仏彫刻家・長岡和慶師の作品です。師は石彫家として初めて三井寺や三千院から大仏師の称号を受け、石仏の文化財あるいは信仰の対象としての価値を高めたと評価されています。永観堂阿弥陀堂前にある「やすらぎ観音」も師の作品です。 観音堂には御朱印やお守り、お札などがあります。境内の各所をまわるスタンプラリーはここまで来なくてはいけません。スタンプを全部集めると、可愛い「大原シール」がいただけます。 中根史郎作庭の「二十五菩薩 慈眼の庭」 斜面に配置した25の石を菩薩に見立てて補陀落浄土を再現したものだそうです。補陀落浄土は観音様が降臨する浄土(極楽)のことです。 金色堂の周辺は紅葉が美しく、それぞれの季節で様々な花が咲きます。 観音堂から下の広場に下りて、境内北のあじさい苑の方に向かいます。 お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。 ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→ -------------------------------------------------------------------   close

三千院 有清園から観音堂へ
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タグ お寺
投稿日時 2020-10-31 14:21:10

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