月神の謎と月読神社の詳細

月神の謎と月読神社
京都を歩くアルバム
ページの情報
記事タイトル 月神の謎と月読神社
概要

←目次  2006年1月27日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 外出自粛中は、今までの記事の歴史や人物、物事などを少し掘り下げてお届けしています。調べていると興味がわいてきて、お付き合いくださると嬉しいです。 一昨日の記事の松尾大社から、山裾沿いの道…… more を南に歩いて10分ほどのところに「月読(つきよみ)神社」があります。現在は松尾大社の境外摂社ですが、それは明治になってからで松尾大社より古い歴史があります。 「月読尊(つくよみのみこと)」は、『古事記』や『日本書紀』に登場する神で、月読命や月弓尊など様々な表記があります。古事記では伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の右目から生まれたとされます。 左目からは天照大御神、鼻からは須佐之男命が生まれ、ともに重大な三神を成すとあります。一方、日本書紀では伊邪那岐と伊耶那美(いざなみ)との間に三神が生まれたとしています。 いずれにしても、月読尊は伊邪那岐の長女・天照大御神の弟神、須佐之男命の兄神になります。記紀では月読尊の活躍は描かれず、夜を司る以外にも支配領域が様々に書かれて定まらず、影の薄い神と言えます。 このような月読尊の扱いは、世界中で見られる太陽と月の神に神話に、後から須佐之男命を挿入したためといわれています。天上における月読尊の行動が須佐之男命のものに書き替えられたというわけです。 日本書紀では、神々にかわり天皇が支配する時代に月読尊が再び登場します。第23代顕宗(けんぞう)天皇3年に大陸への使者の阿閉臣事代(あへのおみことしろ)に月神から神託がありました。「本殿」は江戸時代の建立で檜皮葺。 神託は「私は月神で、祖先は天地を熔造(ようぞう)した功績がある高皇産霊(たかみむすび)である。もし土地を用意して自分を奉れば、福慶(ふくけい)があるだろう。」でした。「聖徳太子社」月読尊を信仰した聖徳太子を祀ります。 事代は都に帰り、このことを朝廷に奏上すると、月神の要求にしたがい山背国葛野郡の「歌荒樔田(うたあらすだ)」の地が用意されました。「月延石」は石を撫でて子授け、安産を祈願します。 そして月神の末裔と称する壱岐の押見宿祢(おしみのすくね)が神社を造営し、祠官として奉仕しました。本殿左の「御船(おふね)社」航海や交通安全の天鳥舟命(あまのとりふねのみこと)を祀ります。 日本書紀に書かれた神社が月読神社の始まりと考えられています。押見宿祢の子孫は出身地の壱岐(伊岐)を氏の名とし、世襲祠官として永く月読神社に仕えました。 「願掛け石」 伊岐氏は、壱岐国の県主(島造)となり地理的に大陸に近いので早くから中国の亀卜(きぼく)の術を我が国に伝え、神祇官として卜占(ぼくせん)に関与して、後に卜部(うらべ)氏を名乗りました。「解穢(かいわい)の水」山からの水で自己の罪や穢れを除くとか。 祭神の月読尊はもともとは天文・暦数・卜占・航海の神でした。時代とともに疱瘡の神として崇められることもあり、近世以降はむしろ農耕の神として地元農民の崇敬を受けて今日に至っています。「本殿」 祭神のご神徳の最初の部分は、世襲祠官として神社に仕えた伊岐氏によって付与されたと考えられます。当初の鎮座地は、月読の地名が残っている桂川左岸、あるいは、右岸の桂上野のあたりともいわれています。 文徳天皇の斉衝3年(856)度重なる桂川の氾濫を避けて安全な松尾山麓の現在地に遷りました。以後この地も、祠官の家名も松室(まつむろ)と呼ばれるようになりました。 この葛野郡一帯は早くから、帰化族の秦氏の勢力圏で、当神社や松室氏も秦氏の庇護を受け親密な関係にあったようです。世襲祠官の松室氏は、秦氏が管理する松尾大社にも代々奉仕しました。 江戸時代には、月読神社は完全に松尾大社に従属して、社領として松尾神社神供料1,000余石のうちから月読禰宜分100石1斗、月読祝分16石が配分されました。 月読神社の最初の鎮座地の近くに桂離宮があります。桂の地名は月で木を切り続ける中国の桂男の故事に由来します。呉剛は妻が密通した炎帝の孫伯陵を殺し、怒った炎帝は呉剛を月に配流して不死の樹「月桂」を伐採させました。 桂男の伝説は平安時代には日本に伝わり、江戸時代には妖怪となり、満月でない月を長く眺めていると桂男のせいで寿命が縮まるといわれました。これは月読尊のイメージが重なったともいわれています。 京都で月読尊を祀る神社は、摂末社を含めてもほとんど見当たりません。そのうちの一つが今宮神社です。本殿には大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)が鎮座しています。 奇稲田姫命は、素戔嗚尊の八岐大蛇退治で助けられた娘でその妻になりました。生まれた子が大国主神(大己貴命はその幼名)、事代主命は、大国主神の子です。月読尊からは弟の妻、その子供と孫の神々にあたります。 本殿左の高台に摂社「月読社」があります。月読神社では託宣神、海の神、五穀豊穣商売繁盛の神とされたご神徳も、ここでは事代主命に奪われてしまった形です。、 祇園祭の「月鉾」は月読尊にちなんだ鉾です。稚児人形は「於兎丸(おとまる)」といい、明治45年五代目伊東久重の作の現代的な容貌で、その前年までは生稚児が乗っていました。 応仁の乱以前から存在していて、もとは「かつら男鉾」などと呼ばれていたましが、天王座に月読尊を祀ることや鉾頭に新月の飾りを付けている事などから月鉾と呼ばれるようになりました。 「御金(みかね)神社」は、金運の神として信仰されています。主祭神の鉱山や鉱物の神・金山毘古神(かねやまひこのかみ)に加え、邪那岐、伊邪那美、天照大神、月読神を祀り、24時間参拝可能です。 お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。 ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→ ------------------------------------------------------------------- close

月神の謎と月読神社
サイト名 京都を歩くアルバム
タグ 神社
投稿日時 2021-05-17 15:00:06

「月神の謎と月読神社」関連ページ一覧

新着記事一覧

”❁〚石山寺;秋月祭』龍神池の御神木に【明王様】出現!”


❁【摩訶不思議の世界シリーズ】〚未曾有(みぞう)写真〛 《峠の祥龍》
    ***先年掲載記事が届きましたので~御紹介させて戴きました。***【摩訶不思議の世界】その他最新版は〖松下輝志ツイッターフェイス...
❁【摩訶不思議の世界シリーズ】〚未曾有(みぞう)写真〛 《峠の祥龍》
お寺
2022-09-26 04:22:34

桜につられてお参り「日照山 真證寺」


歴史めぐり 御朱印好きのあちこち紀行
春のこと満開の桜があまりにも素晴らしかったので車を停めて見に行きましたお寺の境内の桜ですこちらからだと逆光なので反対側に回るとさらに美しい桜...
歴史めぐり 御朱印好きのあちこち紀行
お寺 山口県の寺院 御朱印
2022-09-26 01:01:03

府八幡宮


神社 御朱印 日本巡り旅
府八幡宮ふはちまんぐう静岡県磐田市中泉112-10538-32-4762  鳥居の前でペコリ    手水舎    楼...
神社 御朱印 日本巡り旅
神社
2022-09-26 01:00:10

東光院 風鈴祭り (京都府綾部市上延町堂の奥) <東光院 其の肆>


和辻鉄丈の個人巡礼 古刹と絶景の健康ウォーキング(御朱印&風景印)
風鐸から風鈴へ(2022.6.17)<コース>【往路】JR大阪(5:55) → JR京都(6:27→6:37) → JR園部(7:20→7:26) → JR綾部(8:25)あやべ駅前観光案内所 →...
和辻鉄丈の個人巡礼 古刹と絶景の健康ウォーキング(御朱印&風景印)
お寺
2022-09-26 00:41:52

【2022年9月】京都・奈良・三重県神社参拝&観光まとめ


SERUNAさんちのあじふらい
2022年9月。二日間で京都・奈良・三重に行ってきた記録。URLクリックで記事に飛べます。★一日目(2022.9.6)旅のメインはゴールデンカムイ展。大好き...
SERUNAさんちのあじふらい
【まとめ】旅の記録 神社
2022-09-25 15:00:08

【大阪】住吉大社「初辰まいり」で新たにいただけるようになったステキな【刺繍御朱印】~まとめ版~


~ Destiny 癒しの御朱印巡り ~
【大阪】      住吉大社   初辰まいり とは    毎月最初の辰の日に 種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社の   ...
~ Destiny 癒しの御朱印巡り ~
御朱印 神社
2022-09-25 14:40:07

重陽の節句は陸奥国分寺の菊理媛命さま~【木ノ下白山神社(宮城県仙台市)】


ハロちん♪と参拝歩記
木ノ下白山神社(きのしたはくさんじんじゃ)2022.9.9(金)宮城県仙台市若林区木ノ下に鎮座する白山神社へ行ってきました薬師堂にある鐘楼へ近づいてみ...
ハロちん♪と参拝歩記
お寺 神社
2022-09-25 14:21:24

狛犬たちのモノローグ  File.1249  胡録神社  其の弐


白獅子・黒狛犬
若者と中年をつなぐライン「 えっ えー !! 今の若い人にとっては LINEって中年との連絡ツールになってしまったんだってー」「 ほんとうに ⁈ ...
白獅子・黒狛犬
狛犬たちのモノローグ 神社
2022-09-25 04:40:14

東光院 本堂 (京都府綾部市上延町堂の奥) <東光院 其の参>


和辻鉄丈の個人巡礼 古刹と絶景の健康ウォーキング(御朱印&風景印)
丹波の厄除薬師(2022.6.17)<コース>【往路】JR大阪(5:55) → JR京都(6:27→6:37) → JR園部(7:20→7:26) → JR綾部(8:25)あやべ駅前観光案内所 →...
和辻鉄丈の個人巡礼 古刹と絶景の健康ウォーキング(御朱印&風景印)
お寺
2022-09-25 00:41:01
;