南都七大寺の一つの大安寺の遺構．史跡指定名称は「大安寺旧境内附石橋瓦窯跡」で，奈良市内の大安寺の旧境内と京都府井手町の瓦窯跡をあわせての史跡指定です．【大安寺旧境内附石橋瓦窯跡 - 西塔跡】（HDR合成，撮影：2020年1月18日）明日香村に「大官大寺跡」（史跡）がありますが，こ…… more の大官大寺を前身に奈良の都に建てられた寺院が大安寺です．遣唐使帰りの僧侶や，帰化僧・留学僧らが集まって，国際学術センターのような様相でした．写真は西塔跡．「大安寺式伽藍配置」という用語があるけど，金堂の南側の中門・南門のさらに南側に2基の塔を東西に並べた伽藍となっていました．大寺らしく七重塔が2基ありましたが，西塔は平安期中頃，東塔は鎌倉時代に失われています．塔跡基壇は残っているものの礎石はあまり残っていません．西塔跡は心礎があり，なぜか矢穴がありました．割ってもっていこうとしたけど，うまくできずに放置したという感じでしょうか．もともとはこの塔跡のみの史跡指定で，指定名称は「大安寺塔跡」でした．のちに史跡指定範囲は旧境内に広げられ，「大安寺旧境内」に名称変更されています．北側には杉山古墳がありますが，これも史跡指定範囲に含まれます．杉山古墳の前方部には墳丘を削って瓦窯跡が築かれていました．これは寺院改修のときの瓦を焼いたもののようです．この杉山瓦窯跡とは別に京都府綴喜郡井手町にある石橋瓦窯跡が後の追加で史跡指定．ここからは大安寺の創建瓦と同じものが出土していて，「大安寺伽藍縁起并流記資材帳」（天平19 [749]年）に記述のある山背国の「棚倉瓦屋」とされています．名称：大安寺旧境内附石橋瓦窯跡（だいあんじきゅうけいだいつけたりいしばしかわらがまあと）文化財区分：史跡所在地：奈良県奈良市大安寺・東九条町，京都府綴喜郡井手町 close

大安寺旧境内附石橋瓦窯跡 （奈良・京都） 【史跡】