日本の神社神道を代表する、伊勢神宮。ここには、プレ伊勢神宮時代の磐座や石神、あるいはいわくありげな不思議な岩がいくつもあります。つまり、大和王権の天照大神を祀る前から、この辺りの森は土着の神を祀る場であったと考えられているわけです。外宮で言えば、個人的に大変気になるのが、外宮のパ…… more ワースポットとして知られる『亀石』に穿たれた盃状穴。そして内宮で気になるのは、瀧祭神（たきまつりのかみ）。内宮正殿の背後にある、謎めいたこの巨岩も、プレ伊勢神宮時代の古い依り代だと思います。しかし、そんなプレ伊勢神宮時代ではない、比較的新しく運ばれた岩にもかかわらず、その理由がはっきりしないという奇妙な大岩があります。それが、内宮の石垣にはめ込まれたような、この岩です。名前は、籾種石（もみだねいし）。江戸時代の天明年間（1781～89）に、地元（現在の伊勢市楠部町）の人々が五十鈴川上にあった大岩をここまで運んだというのは確実です。ところが、その由来は伊勢神宮の公式ホームページにはなく、ネットでは少しずつ違う由来が語られていて、真実の歴史的経過が分からないのです。これはネットでの説です。①　形が籾種に似ているから名前がついた。②　籾種を食べながら石を運んだので籾種という。③　天明の大飢饉で、来年用の籾種まで食べざる得ない状況になった。そこで豊作祈願のために大石を奉納した。①と②は、名前の由来のみで、運ばれた理由が不明です。天明の大飢饉といえば、日本の近世では最大の飢饉とされます。死んだ人間の肉を食い、人肉に草木の葉を混ぜ犬肉と騙して売るほどの惨状だったとウィキには書かれていますから、天照大神に飢饉脱出を祈ったとして不思議はありません。というわけで、最も納得がいくのは③だと思います。しかしここに疑問が残ります。五十鈴川上にあった大岩をここまで運ぶことに、いったいどんな意味があったのでしょう。ご神体に準じる岩をわざと川や池に放り込み、水神が怒って雨をふらすのを待つというのはよく聞きます。しかし、巨大な石を境内の石垣に入れるというのは、いったいどういう意味なのか、私にはわかりません。もともと、土着の水神を祀る磐座だったのでしょうか？いずれにしろ、伊勢神宮の神職の許しを得ていたはずなので、合理的な理由がその時はあったはずです。しかし、それがはっきりと伝わってはいない・・・うーん、やはり謎というほかありませんね。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

伊勢神宮（内宮）の知られざる謎