快慶作の文殊菩薩 安倍仲麻呂と安倍晴明ゆかりの寺 安倍文殊院の詳細

快慶作の文殊菩薩 安倍仲麻呂と安倍晴明ゆかりの寺 安倍文殊院
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記事タイトル 快慶作の文殊菩薩 安倍仲麻呂と安倍晴明ゆかりの寺 安倍文殊院
概要

安倍文殊院前にやってきました。ここのバス停、『新TV見仏記』(カンテレ・BS12)で、みうらじゅんさんといとうせいこうさんが、バスの本数が少ない、って言っていたので(笑)、まず確認。桜井駅に向かう最終(土日祝)は17時4分。これに乗るつもりで参拝します。バス停のところにある地味~…… more な入口。わき道かと思ったら、ここが表山門でした。緑の参道が続きます。本堂前に出ました。安倍文殊院は、大化元年(645)安倍一族発祥の地に、大化の改新の時に左大臣であった安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)により創建されました。ご本尊の文殊菩薩は日本三文殊のひとつで(切戸文殊(京都府宮津市・智恩寺)(ブログ記事)・亀岡文殊(山形県高畠町・大聖寺))、知恵の文殊さまとして学業成就の祈願や、また魔除け、災難除けの祈願寺となっています。本堂のお坊様からお声が掛かりました。まとまった数の参拝者が集まると直接ご説明をいただけるそうです。本堂内には長椅子が並んでいて、腰掛けて、そして正面にはご本尊の快慶作「木造騎獅文殊菩薩」(渡海文殊)を拝見しながら、説明を伺います。お坊様のお話でおもしろかったのが、安倍文殊院は陰陽師・安倍晴明の出生の寺院とされ、魔除け・方位除けの「赤いお札」が有名で、桜井市のお隣の天理市からも「黒い服」を着た人々が毎年赤いお札をいただきに来られるそうで、人々曰く「赤いお札だけは別」なんだそうです(*^_^*)お話の後は自由に本堂内を拝観できます。獅子に乗った文殊さまが説法の旅で4人の脇侍を従えて、雲に乗り海を渡るお姿で、快慶独特の知的で穏やかな表情を間近で拝見することができます。左手には蓮華、右手には「魔」を断ち切る「降魔の利剣」(こうまのりけん)という剣をお持ちです。脇侍の中でも特に、かわいらしい善財童子は目を引きます。(本尊左後ろの維摩居士像以外は快慶作。)文殊菩薩さまが「おい、善財」と声を掛けられ、「何でしょうか?」と振り向いた一瞬の動きを表したもので、この一点の無邪気さに、聖なる空間の緊張が緩んで、仏さまとの精神的な距離感が縮まるように感じられます。その他数々の大小の仏像を拝観したら、お抹茶をいただくことができます。らくがんと共にいただいたお抹茶で、散策の暑さでまいっていた体がしゃきっと甦りました(*^_^*)御朱印をいただきました。「赤いお札」もいただきました(*^_^*)玄関魔除け札です。五芒星がかっこいいこれは確かに悪いものが入って来なさそうです(^◇^)出掛ける前にこれを見たら、事故に遭わないようにと気分も引き締まりそうですしね。では境内を探検(?)です( ´艸`)金閣浮御堂(仲麻呂堂)です。季節外れ(?)のコスモスが美しく咲いていました。安倍文殊院では秋には5万本のコスモス迷路が開園するそうです。11月から4月にかけてはパンジーのジャンボ花絵がお目見えしたり、なかなかのパラダイス感( ´艸`)浮御堂前の安倍仲麻呂望郷詩碑「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」これは有名な百人一首の歌ですよね。仲麻呂は遣唐留学生として19歳で長安に渡りましたが、科挙に合格し、玄宗皇帝に仕えました。優秀だったためになかなか帰国することができず、ようやく帰国できる直前に蘇州の港でこの歌を詠んだそうで、ふるさとの春日の三笠山に出る月を懐かしんだのでしょう。しかし仲麻呂の船は難破し、結局帰国することは叶わずに、73歳で唐で亡くなったのですね。金閣浮御堂を拝観することにしました。文殊池にある金閣浮御堂では、寺宝展が行われており・・・受付で「肌守り」という赤いお守りと、「七まいり」の「おさめ札」をいただきました。なんでも、人は一生のうちに七つの思いがけない災難に出会うとされていて、七難に遭わないように、厄除け・災難除けの神仏が安置されている浮御堂の回廊を7回まわって厄除けの行をするのだそうです。御堂を左回りに回りながら・・・「事故に遭わないように・・・病気ならないように・・・」などと「○○しないように」と願いながら、1回まわるごとにおさめ札箱に1枚おさめ札を納め、7回御堂をまわります。急に言われるとあまり思いつかないものですが、回っているうちに「人に騙されないように・・・お金を失わないように・・・物をなくさないように」とか、まあ出てくるものですね(笑)。「泥棒に入られないように」「自然災害に巻き込まれないように」というのもリアリティがあっていいかもしれません。なるほど、災難に遭わないことが日々を安寧に過ごすことに繋がりますからこういうお参りをすると自己暗示を高めることにもなるように思いました。最後に浮御堂の中の霊宝館にお参りし、宝物も拝見。やっぱり安倍晴明のお軸がよかったかな。金閣浮御堂の向かいには・・・文殊院西古墳(特別史跡)自由に入ることができます。飛鳥時代の古墳で、安倍倉梯麻呂の墓と伝わります。弘法大師作と伝わる願掛け不動の石仏が祀られています。花崗岩をきれいな切り石に加工して、左右対称に仕上げてあり、「日本一美しい古墳」の定評があるそうです。天井の一枚岩は約15平方メートルもあり、アーチ型に仕上げてあるという、飛鳥時代にこれらの技術があったのには驚きです。古墳では全国に7つしかない特別史跡のひとつです。奥の院のほうに参ります。弘法大師像と石仏群江戸時代、四国八十八ヶ所と西国三十三所の各霊場本尊として境内に祀られていた石仏を一同に安置したものだそうです。お大師さんの前には四国八十八ヶ所のお砂踏みがあります。十一面観音像観音様の脇にはまた古墳です。閼伽井古墳(東古墳)飛鳥時代の古墳で、通路部分の中ほどには昔から枯れることのない泉があり、閼伽水(あかすい・知恵の水)と呼ばれる、仏様にお供えする神聖な水が湧いているそうです。智恵のご祈祷を受ける人に授与されて、この水で書道をすると字が上達して、知恵を賜るそうですよ。白山堂室町時代の重文で、加賀の霊峰・白山を御神体とする白山神社の末社です。国造りの神、イザナギとイザナミの縁を取り持った菊理姫神(くくりひめのかみ)がお祀りされていて、縁結びの神として信仰されています。合格門石段を上がっていきます。展望台になっていました。陰陽師・安倍晴明の天文観測の地だそうです。安倍晴明は摂津国阿倍野(大阪市阿倍野区)の生まれともいわれますが、安倍文殊院さんでは当地の出身ということになっています。安倍の晴明を祀る晴明堂晴明の一千回忌にあたり2004年に200年ぶりに再建されました。如意宝珠ぴかぴかで美しい石ですね。手を触れて所願成就をお願いするといいそうです。奥の院から下ります。金閣浮御堂の向かいにある稲荷神社かなり疲れているんですが、せっかくなので行ってみます。稲荷大明神(葛の葉稲荷・くずのはいなり)こちらは安倍晴明の母と伝承される白狐・信太森葛葉(しのだのもりくずのは)大明神がお祀りされています。上がってきてよかったです(*^_^*)眺めがよいです!夕刻となり、境内にわんちゃんたちのお散歩などもあり・・・(^^)表山門は創建以来閉められたことがなく、境内は入山料が必要ないのでいつでも誰でも本堂前でお参りができるそうです。安倍文殊院、国宝の快慶仏あり、お抹茶のお接待あり、古墳あり、厄除けの七まいりあり、眺めがよく、年中お花を楽しめて・・・まちがいなく総合アミューズメント度の高いパラダイス寺院でございますね( ´艸`)さてさて、最終バスに乗り遅れると桜井駅まで2kmの距離を歩くことになるのでこれにて参拝終了です。(6月24日参拝) close

快慶作の文殊菩薩 安倍仲麻呂と安倍晴明ゆかりの寺 安倍文殊院
サイト名 旅する鎌倉
タグ お寺 その他の神社仏閣史跡
投稿日時 2017-07-20 08:41:01

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