※今年の５月のゴールデンウイーク、豊田市美術館へ行ったときの記録です。「東山魁夷　唐招提寺御影堂障壁画展」鑑真和上の為に描かれた襖絵。訪れてから３ヶ月経ちましたが、とても感動したので、記録に残しておきます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…… more ーーーーーーーー鑑真和上（がんじんわじょう）、学校で習ったなあ、くらいの知識しか無かったのですが、とてもすごい人だということが分かりました。鑑真和上は、中国　唐の生まれで、僧侶の戒律を作った人です。むかーし昔は、僧侶に対する基準がなく、自分でお坊さん、と名乗ってしまえば、誰でもお坊さんになれるような、そんな感じだったそうです。（簡単にいうと、ですが）それで、聖武天皇が僧侶に位を与える制度を普及させようとして、戒律の僧として高名だった鑑真の元へ、日本の僧、栄叡（ようえい）と普照たちが唐に渡ります。要請を受けた鑑真さんは、弟子に誰か日本へ行きたい者はいないか、と問いかけたが、危険を冒して日本へ行きたいという者はいなかったそうです。そこで、鑑真自らが日本へ行くことを決意し、それを聞いた弟子２１人も着いていくことになりました。でも、悪天候や、鑑真の渡日を惜しむ者の密告で、栄叡が逮捕されたり、最後には亡くなったりして、やっと６回目で日本へ到着。いかに昔の舟の旅が大変だったかがよく分かりますが、何度も漂流したり、厳しい旅の中で、鑑真は両目を失明してしまいます。そんな状態で、日本へ来て下さったということだけでも、すごい人だなあと思う。私だったら、目も見えなくなったし、まぁやめとこ、となるでしょう。（私と比べるのがずうずうし過ぎますが）なので鑑真は日本へ来たときには両目を失明していて、日本の景色を見ることはなかった。その鑑真に、ぜひ日本の景色を見て欲しい、と描かれたのが、御影堂障壁画です。約１２００年の時を経て、鑑真に捧げられたその絵は、東山魁夷が１０年掛けて描かれたものです。この内容は、展示の最後にビデオ放映されているのを見て知ったのですが、鑑真さんが、とても喜んでいる姿が頭の中に映像で浮かんで、もう泣けて泣けて・・・（ワンワン泣く訳にはいかないので、ひっそりですが）だって１２００年ですよ？１２００年経って、日本の風景をやっと見ることが出来て、故郷中国の風景も描かれていて、そうかそうかと言って見て回っている鑑真さんの映像が頭に浮かんで、本当に感動しました。はっと周囲を見ると、この人何泣いてんの？みたいな目で見られたのがつらい(>_<)今思い出しても泣ける。簡単ですが、図録を買ったので、その一部を残しておきます。この方が鑑真和上です。空海さんとか最澄さんも、とても古い僧侶というイメージですが、更に昔の僧侶で、お二人共鑑真の影響を受けたそうです。 close

東山魁夷｜唐招提寺御影堂障壁画展｜豊田市美術館