データ 山号：八葉山 宗旨：浄土宗 寺格：本山 本尊：釈迦如来・阿弥陀如来（二尊） 創建：推古天皇23年（615年） 開基：（伝）聖徳太子 中興：一向俊聖 中興年：安7年（1284年） 中山道美濃の国「垂井宿」から近江の国「番場宿」に入る国境附近に建つ浄土宗「蓮華寺」、…… more 古くは推古天皇23年（615年）に聖徳太子が開基となり「法隆寺」と称して創建したのがはじまりとされています。御本尊は、二尊院と同じく阿弥陀如来立像と釈迦如来立像（鎌倉時代の作）で本堂内陣に安置されています。境内裏手には、六波羅探題北方の北条仲時以下430 余名の墓石群が祀られ今も供養が行われています。また当寺にゆかりある斎藤茂吉の歌碑や長谷川伸の著作『瞼の母』忠太郎の碑も境内に建てられています。 勅使門 本堂 鐘楼 創建当時は法相宗の寺院として七堂伽藍が整備され壮観な佇まいを持ちましたが、建治２年(1276年)の雷災によってことごとく焼失、その後延慶2年（1309年）に地頭・土肥三郎元頼が一向上人を開山として迎え、時宗の寺院「八葉山蓮華寺」として再興し、近世には旧時宗大本山として隆盛を極めますが、 昭和17年（1942年）に浄土宗に帰属して改められ知恩院派の本山として現在にいたります。 本坊裏の蓬莱庭園 境内 元弘3年（133年）、六波羅探題北方・北条仲時が一族郎党432名とともに本堂前にて切腹したことで知られる近江の蓮華寺、これにより鎌倉幕府の西国支配拠点六波羅探題は攻め落とされ、さらにこの10日余り後に鎌倉東勝寺で870名余りの一族家臣とともに北条高時が自刃、これにより鎌倉幕府は終焉を迎えます。 境内裏 430あまりの墓石群 一向上人廟所 あまり陽の当たることのない境内奥一角に整然と立ち並ぶ430柱を越える墓石群、ときおりそよぐ風の中に立つと700年も昔のことながら当時命を絶った武将たちの儚さ、無念さがひしひしと伝わってきます。今でも流れ出た血が川のように境内を流れたという「血の川」の伝承は語り継がれています。当寺に残る「陸波羅南北過去帳帳」によると元服前の幼さが残る男児の名が多く記録されているとのこと。足利尊氏の寝返りにあってこの悲劇が引き起こされ、大きく歴史の局面が変わり時代は室的時代へ移っていきます。「このみ寺に、仲時の軍やぶれ来て、腹切りたりと聞けば悲しむ …」斎藤茂吉 寺を離れる時事務所前で見た大きな布袋様、少しだけ気が楽になりました close

近江　蓮華寺　　2017/11/15