◆データ 山号：御都繖山 宗派：臨済宗妙心寺派 本尊：十一面千手観世音菩薩 創建年：（伝）推古２年（594年） 開基：（伝）聖徳太子 繖山の山麓にある臨済宗妙心寺派の「石馬寺」、推古２年（594年）に天皇の摂政であった聖徳太子が創建します。創建時は法相宗、その後天台宗に転宗…… more し、近江源氏である佐々木氏の帰依を受け栄えますが、永禄11年（1568年）、織田信長の上洛に抵抗した佐々木承禎との戦いによる戦禍に巻き込まれ多くの堂宇が焼失、在りし日の壮観な光景は二度と見られなくなります。その後も、寺領を認めなかった豊臣秀吉の政権により受難の時期は続きます。ようやく徳川政権になって、慶長８年（1603年）幕府の命で石馬寺が再興され、寛永11年（1634年）には御茶屋御殿を移築するなど境内が整えられ、正保元年（1644年）には雲居希贋国師を招き臨済宗妙心寺派の寺院として中興開山します。 かんのん坂 石馬の石庭 寺伝によると、鎮護国家、仏法興隆を祈る道場を求めてこの地を訪れた聖徳太子、繖山から下りる際、麓辺りの松の木につないだ馬が石と化して池に沈んでいたことに霊威を感じ、直ちに山を「御都繖山」と名付け、寺を創建、「石馬寺」と号されます。そして今も山麓の 石段を上がる手前には石になったと伝えられる馬が沈んだ池があり、馬の背と思われる石が顔を のぞかせています。 本堂と宝物殿の前 梵鐘 不動堂（旧行者堂） 苔生した石積みの階段「かんのん坂」が続く参道は、参拝客も少なくて静寂そのもの、さらに閑静な境内へと導いてくれます。11月になってからの二つの台風が近くを通り抜けたので心配していましたがようやく無事参拝することができました。境内には本堂 や大佛宝殿などが立ち、大佛宝殿には平安・鎌倉時代に作られた役行者大菩薩腰掛像、木造四天王立像、十一面観音菩薩立像や大威徳明王牛上像など11躰の重要文化財に指定された仏像が安置されています。仏像に疎いわたくしでもこの豪華さには目を奪われます。 本堂前 石馬のお不動さん これから紅葉見頃ともなってくると境内も賑わってくるのでしょうけど一足先の静かな境内をくつろぐことができてこれはこれで「◎」‼　　数年前、観音正寺に上った時、足を痛めてすぐ近くにありながら断念したこともあったので今回は「満足感ひとしおの石馬寺」といったところでした。 境内 聖徳太子の馬が石と化して沈む「石馬の池」 close

近江　石馬寺　　2017/11/15