「雪月花」三名園の一つ、妙満寺の「雪の庭」をご紹介します。 妙満寺の沿革 妙満寺は日什大正師により康応元年(1389)六条坊門室町(現･烏丸五条あたり)に建立されました。その後、豊臣秀吉の時代に寺町二条に移され400年｢寺町二条の妙満寺｣として親しまれてきました。その後、都…… more 市化が進むのを嫌い昭和43年に｢昭和の大遷堂｣が行われ、現在の岩倉の地に移り今日に至ります。 山門とつつじ園 山門の前には｢つつじ園」があります。５月初旬～中旬に掛けて色とりどりのツツジが花を咲かせます。 また、他に杜若や睡蓮（５月中旬～）、蓮(７月～８月)が咲き、季節の景色を楽しむことができます。 この日は、つつじ園の池の中に一羽の鳥が訪れており、ツツジを背に凛とした佇まいはとても美しい光景でした。 本堂から見る比叡山 それでは、山門をくぐり、参道を進みます。 途中に龍の手水鉢があります。とてもカッコ良く素敵です。 そして、本堂の様子です。 本堂から参道を振り返ると比叡山が借景として見事に表れます。稜線がしっかりと見え、雄大でとても美しい景観です。 妙満寺仏舎利大塔。昭和４８年(１９７３)にインド・ブッダガヤ大塔をかたどって建立されました。大変立派な塔で、妙満寺内で一番印象的な建築物です。 雪の庭 俳諧（俳句）の祖といわれる松永貞徳（まつながていとく）により作庭されました。 松永貞徳は寛永６年（１６２９）１１月２５日、妙満寺を会場に正式俳諧興行として「雪の会」を催しました。これにより俳諧は、それまでの連歌から独立した文芸として認められるところとなりました。また、その事から妙満寺は俳諧（俳句）の発祥の地ともいえます。 「雪の庭」は、妙満寺の塔頭・成就院の時の住職日如上人が松永貞徳の門下でしたので、その縁から作られました。清水寺の「月の庭」、北野（一説に祇園）の「花の庭」（現存しない）とともに、いずれも成就院にあったことから成就院「雪・月・花の三名園」と並び称されていました。 その後、昭和４３年妙満寺が中京区の寺町二条からこの岩倉の地に遷堂した際、石組みをそのままに移築し本坊の庭として復興しました。 その名の通り、冠雪の比叡山を借景とした眺望が最も美しい庭です。 それでは、「雪の庭」の様子を見ていきましょう。 庭の左手には灯篭を中心とした景色が広がり、右手には石組を中心とした景色が広がります。繋がっている一つの庭なのに、其々の違った景色を楽しめる庭です。庭の奥に比叡山がチラリと見えます。石組や木々の作り出す形は山並みのように三角になっております、その向こうの比叡山迄、幾重にも山並みが重なっているかのように美しく繋がって見えます。 また、庭の左手端には手水鉢があります。 そして、額縁越しにも見てみます。 二間の其々の部屋から額縁で切り取る事により、より一層違った景色を楽しむ事が出来ます。この日は、他に人がいなかったので行ったり来たり何度も別々の景色を楽しむ事が出来ました。 一度、是非雪の日にも訪れみたいものです。 アクセス 〒606-0015 京都府京都市左京区岩倉幡枝町９１ 電車を利用する場合 叡山電鉄　：　「木野駅」下車徒歩５分 地下鉄烏丸線　：　「国際会館駅」下車徒歩２０分 バスを利用する場合 国際会館より京都バス40、50系統　：　「幡枝(妙満寺)」にて下車すぐ。 京都駅より京都バス46系統　：　「幡枝」にて下車。徒歩3分 拝観時間　：　9：00a.m.～16:00p.m. 料金　：　大人500円　高校生350円　小学生未満無料 ＴＥＬ　：　075-791-7171 ＦＡＸ　：　075-791-7267 公式ＨＰ　：　http://www.kyoto.zaq.ne.jp/myomanji/index.htm close

妙満寺～「雪月花」三名園の一つ「雪の庭」～