「仁和寺と御室派のみほとけ」展(東京国立博物館)の詳細

「仁和寺と御室派のみほとけ」展(東京国立博物館)
南都を一望す、日本を一望す
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記事タイトル 「仁和寺と御室派のみほとけ」展(東京国立博物館)
概要

東京国立博物館の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」を観覧してきました。この展覧会は、真言宗御室派の総本山仁和寺の寺宝をはじめ、御室派の各寺院が所蔵する名宝が一堂に会するというものです。会場は平成館。さすがに運慶展ほどは混まないだろうと思っていましたが…… more 、どうやらその考えは甘かったようで、平日の夕方でもかなりの混雑でした。第一会場は書や絵などの展示が中心です。目玉は国宝の「三十帖冊子」でしょうか。これは遣唐使として唐に渡った空海が、現地で経典などを写して持ち帰ってきたという小型の冊子本で、空海は生涯手元に置いていたと考えられています。6か年かけて修理が終行われたそうで、平安時代のものだとうは思えないぐら、大変綺麗な状態で展示されていました。奈良に関連するものとしては、子島寺(高取町)の子島曼荼羅(国宝)も出陳されていました。これは縦横3メートルもある巨大な曼荼羅です。そして第2会場は仏像の展示が中心となります。まず仁和寺の観音堂内部が再現された展示室に入ると、館内の雰囲気が一変しました。なんとここは写真撮影が許可されており、スマホやカメラを頭上に掲げる人で一段と混雑していました。のちにトーハクのブログをみると、SNSによる拡散まで推奨されていました。これもミュージアムの新たな戦略なのでしょうか。理由はともかく、仏像好きとしてはたいへん有り難いことではあります。仁和寺の観音堂は修行道場のため一般には非公開となっています。現在はその観音堂では修復工事が行われているといことで、今回は観音堂に祀られる33体全てが東京にお出ましになられたということです。つまり、本来仁和寺に行っても拝観できない仏像が、この展覧会だと写真まで撮れてしまうというわけです。千手観音像を中心に33体の仏像がずらりと並ぶ光景は壮観です。ここに立ち並ぶ諸仏は観音堂の創建時に創られた江戸時代の作ですが、そのお姿は三十三間堂の像を参考に作られているとのことです。中央には千手観音菩薩。その両脇には降三世明王と不動明王が立ちます(画像は降三世明王)。さらに左右には二十八部衆が立ち並びます(画像は阿修羅像)。そして両端には風神像と雷神像が配されています(画像は風神像)。また、堂内の壁画も忠実に再現されています。これはお堂の改修前に巨大スキャナで壁画をスキャンし、印刷したものだそうです。雨漏りなどによるシミもそのまま再現されています。合計約400億画素という高精細な画像として再現されているそうで、もはや素人目にはこれが本物の壁画なのかプリントされたものなのか見分けがつきません。そして、その先の展示室からは再び撮影禁止となりますが、御室派のみほとけコーナーということで仏像好きにはたまらないゾーンとなっています。道明寺の十一面観音立像と葛井寺の千手観音坐像についてはガラスケースなしで360℃見ることができます。背後に周って大正面を拝むこともできました。また通常公開されていない雲辺寺の千手観音菩薩立像や、33年に一度しか公開されない福井・中山寺の馬頭観音菩薩坐像(次回は2028年の予定)など、大変貴重な観音様を拝むこともでき、大変満足して会場をあとにしました。「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」  観覧メモ■会期:2018年1月16日(火)~3月11日(日)  (関連展示「運慶の後継者たち―康円と善派を中心に」は12月3日まで■会場:東京国立博物館(平成館)■開館時間:9:30~17:00 (※金・土曜日は21:00まで)■休館日:毎週月曜日■観覧料金:一般1600円■駐車場:なし■交通:JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分    東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、東京メトロ千代田線根津駅より徒歩15分    京成電鉄京成上野駅より徒歩15分■公式サイト:    【東京国立博物館 - トーハク】    【特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」】■今回見仏した御仏(リンク先は当ブログの紹介記事) ・阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 - 国宝、平安、木造、創建当時のご本尊 ・薬師如来坐像 - 国宝、平安、木造、像高11.8cm ・降三世明王立像 - 重文、平安、木造、福井・明通寺 ・深沙大将立像 - 重文、平安、木造、福井・明通寺 ・十一面観音菩薩立像 - 国宝、平安、一木造、大阪・道明寺 ・千手観音菩薩立像 - 国宝、奈良、木造、大阪・葛井寺 ・千手観音菩薩坐像 - 重文、平安、木造、徳島・雲辺寺 ※通常非公開 ・如意輪観音菩薩坐像 - 重文、平安、木造、兵庫・神呪寺 ※毎年5月18日に開帳 ・馬頭観音菩薩坐像- 重文、鎌倉、木造、福井・中山寺 ※33年に一度の開帳 他、多数■地図  close

「仁和寺と御室派のみほとけ」展(東京国立博物館)
サイト名 南都を一望す、日本を一望す
タグ お寺 見仏(ミュージアム)
投稿日時 2018-03-01 03:41:01

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