金峰神社と小滝のチョウクライロ舞(1)の詳細

金峰神社と小滝のチョウクライロ舞(1)
秩父・仙台まほろばの道
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記事タイトル 金峰神社と小滝のチョウクライロ舞(1)
概要

鳥海山で有名な「チョウクライロ舞」というのがある。 初めてこの舞の名前を聞いた時、どこの言葉?と思い、 意味もわからず、その舞の言葉に魅かれてしまった。 その舞台となっている金峰神社にようやく参拝できたのです。 「チョウクライロ舞は、秋田県由利郡象潟町(きさかたまち) 小滝…… more の金峰神社(きんぽうじんじゃ)の祭礼で演じられ、 タエシトン、八講祭舞楽(はっこうさいぶがく)などとも呼ばれている。 現在は小滝地区に居住する人びとを構成員とした鳥海山小滝舞楽保存会によって 伝承されているが、かつては鳥海修験が関与した延年である。 象潟町は、秋田県の西南端、南東に鳥海山の頂を望む地にあり、 南は山形県と接し、西は日本海に面する。 小滝地区は、日本海に注ぐ奈曽川の上流、鳥海山に至る街道に沿って形成され、 鳥海山の秋田側の登山口に当たり、近世には、鳥海修験の拠点の一つであった。 金峰神社は、神仏分離以前は蔵王権現を祀る蔵王堂であり、 龍山寺(りゅうざんじ)がその別当で、祭事は龍山寺院主が所掌していた。 蔵王権現は、役の行者が奈良の金峰山より勧請したと伝えられている。 小滝地区およびその周辺には龍山寺配下の修験の坊があり、 チョウクライロ舞の担い手は修験の関係者に限られていたとされる。 明治以降は、金峰神社の氏子有志により、 さらに昭和三十九年以後は鳥海山小滝舞楽保存会によって伝承されている。」 文化遺産オンラインの情報からですが、初めて知って驚いた。 蔵王権現を祀り役小角が金峰山から勧請したものだとは・・・。 そこまで吉野が関わっている理由が、気になるのです。 金峰神社の創建は680年と伝わりかなり古いです。 蔵王権現と鳥海山大権現を祀っています。 吉野と鳥海山の修験が合致しているようですなぁ。 土舞台 ここで舞が演じられる。 「この土舞台は、閻浮提(えんぶだい)または、チョウクライロ山とも言われ、 慈覚大師が鳥海山の手長足長という悪鬼を退治した際に、 八講祭を行い、神恩に感謝する舞楽「チョウクライロ舞」を奉じたと 伝えられる舞台です。 現在、毎年5月の最終土曜日の神社例祭にこの土舞台で 「小滝のチョウクライロ舞」が行われており、同舞は、 平成16年2月6日に国の重要無形民俗文化財に指定されています。」 手長足長は、貝塚の話に出てくる妖怪なのですが、 妖怪というよりは、土蜘蛛=葛城氏説が有力なのです。 葛や国栖などの先住民をさすこともあるのですが、 アジスキタカヒコネも絡む。 鴨家の方。 朝廷に反対してきたサンカなども含め、自然をよく知っている人たちにとって、 単純に必要なものだけ獲物をとって、細々と生活していただけのことだと思うのです。 渡来してきた豪族と関わるようになり、荒い人たちと一緒にされた 先住民としては被害者であったと思う。 その人たちが住んでいた場所には豊かな水資源があり、 豊富な魚もいたので、定住を考えていた人たちにとっては、 土蜘蛛たちの存在が邪魔だと思っていたのかもしれない。 ちょっと葛藤します。 それで、この家紋をみて思い出した。 なるほど。 「三つ星」の家紋は妙見の星信仰があるのですが、手長足長伝承があることから、 この家紋には、「一文字の三つ星」がみえてしまうのです。 最初みた時、一文字がみえていたのですが、後でみると三つ星だけでした。 オリオン人のトラウマが浮かんでしまうのですが、 鬼退治の渡辺綱の家紋が繋がっている気がする。 宮城県村田町に鬼の手形があり、その鬼を退治した渡辺綱の伝承がありました。 鳥海山も鬼ケ島みたいなのです。 三つ星と一文字の三つ星家紋は、大江氏の家紋。 山形県に大江姓が多いと聞いた。 ここで吉野が繋がりそうな感じがする。 大江山(丹波)の鬼だ。 だから吉野の修験が関わる理由。鳥海山と繋がっているのだな・・・ ちょっと鬼退治について。 大江広元の大江氏は、その系図によれば天穂日命(アメノホヒ)を祖としている。 「ホヒ」を「穂霊」の意味として稲穂の神とする説と、 「火日」の意味として太陽神とする説がある。 大江氏はこの一品の文字を図案化して「一文字に三つ星」の紋を創出、 用いるようになったといい、毛利氏の家紋としても有名。 大江山の鬼退治は、女性の巫女や尼さんを想像するのですが、 山伏や修験は夫婦をもっていたというので、自由な性があったと思います。 ですが今のように自由にお互いが性を求めるようなものではなく、 出産のリスクはとても高いので、危険を侵してまで性が利用されたとは 考えられません。 これが「姥」という文化なんだと思います。 出産した子をとりあげる「トリアゲバアサン」のことです。 今でいう助産婦です。 この役目、古来は、非常に高い地位にあったわけです。 とりあげてすぐ後取りとして連れて行かれることも多かったわけで、 残酷な時代でもあります。 若すぎて不妊の女性が非常に多かったこともありますし、 母子ともに亡くなる女性もまだこの時代は多かった。 それを穢れとしてみた他国の人の文化の違いによる受け止め方がある。 宮城県の村田に伝わる「うばがふところ」という川は、 三途の川に見立てています。 鬼はあの世にいると考えられた。 その境界には姥がいる。 生きるか死ぬかの判断は、姥が判断すると考えられていたのでしょう。 子を姥にもっていかれないように退治する(星の巡りあわせ)の占いが必要だった。 姥はそんな権限をもっていたのかもしれない。 まるでイナンナのよう。 鳥海山に豊受大神が祀られていることも関係しており、 大江山の鬼は、桃太郎の鬼退治に関係しています。 元伊勢の話など、いろいろと伝承が残されている場所ですが、 豊受大神が日室ヶ嶽(鬼伝説が伝わる所)にとどまったといわれ、 日室だから、室に籠る巫女がいたと考えられます。 それは阿武隈山系に多くある洞窟に鬼がいた伝承とも同じです。 そのような聖地・聖山の修験(吉野や出羽の)同志の権利争いもあったわけです。 ただ、それがどこまで厳しいものだったかわかりませんが、 単にタタラ場(金がとれたので)の製鉄民に対して鬼といっていることもあり、 尼や比丘尼たちが売られたり利用された実情があったと思います。 その恨みの念が、鬼として化けるとはよくいわれます。 また霊的な能力をもっていたならば、当時は大変なことだっと思います。 大江山の鬼退治は、最も古いものが、 「丹後風土記残欠」に記された陸耳御笠の伝説で、 青葉山中にすむ陸耳御笠が、日子坐王の軍勢と由良川筋ではげしく戦い、 最後、与謝の大山(現在の大江山へ逃げこんだ、というものである。 この陸耳御笠のことは、「古事記」の崇神天皇の条に、 「日子坐王を旦波国へ遣わし玖賀耳之御笠を討った」と記されている。 玖賀耳之御笠(クガミミノミカサ)は、「ミミ」です。 崇神天皇時代、疫病が流行り大神神社(三輪)を祀った時代です。 その頃、「ミミ」を退治したということになる。 「ミミ」を退治して疫病がはやったと古事記では伝承される。 それを大国主の祟りと考え、「大物主」として名前を変え、 三輪山に鎮座させることにした。その祈祷をした巫女が、新しい巫女と考え、 入れ墨をした卑弥呼の時代が終わり、入れ墨をしていない卑弥呼の時代に変わる。 オオタタネコの時代です。 よく登場するミミとは、何なのか。 「神と青銅の間」の中で、「ミとかミミは先住の南方系の人々につけられた名であり、 華中から華南にいた海人族で、大きな耳輪をつける風習をもち、 日本に農耕文化や金属器を伝えた南方系の渡来人ではないか」として、 福井県から鳥取県の日本海岸に美浜、久美浜、香住、岩美などミのつく海村が多いこと、 但馬一帯にも、日子坐王が陸耳御笠を討った伝説が残っていると指摘されている。 ※大江山の鬼伝説 https://nohmask21.com/oni/densetsu01.htmlより その玖賀耳之御笠が、土蜘蛛といわれます。 なので、ミミは東北地方沿岸地域に残されている。 ミミは名取にも痕跡がある。 丹取軍のことです。 鬼の手形の記事を再び引用しますが、 民話の里に展示されている鎧の家紋は、渡辺氏の家紋で三つ星に一文字。 渡辺氏の族人はもともとは源綱の登場以前から天満にあった坐摩神社の守護集団であり、 またその源流は大阪に土着していた朝鮮からの渡来人集団の 子孫・ツゲ(都下あるいは闘鶏)氏であるとも言われる。 村田町民話の里:この近くに鬼の手形石がある。 「坐摩神社」を「ざま」と読んでしまうが、これは「いかすり」と読む。 大阪にある神社ですが、かなり古い神社で三ツ鳥居。 祭神がすべて井戸水。 これはイヒカなんでしょうか? イカスリというのは、イヒカという意味? 井氷鹿(イヒカ)という井戸が奈良県吉野にある。 水銀のことで、不老不死の薬として昔は利用されていた。もちろん毒ですが。 産出地が中央構造線で、丹生神でもある。 それに「いかすり」のイカは、イワレヒコである神武が関係しているそう。 ※神武は、「神八井耳命」と言われたので、これも「ミミ」です。 熊野へ行った神武天皇が吉野を通り、戦いをした話は「ナグサトベ」についても記録されている。 たった一行だけ名前が出てくる女性首長ですが、ナグサトベは神武に殺されて、 身体を分けて埋められた話。 そこに光る井戸が発見されたことから井光となづけられた。 縄文人の水銀採取といわれているそうです。 ナグサトベは南方の方の人なので、宗像大社にも関係してると思います。 水銀の産地には、碇(いかり)という字を当てるらしい。 そのような場所に、不動尊を建てるのかもしれない。目印として。 坐摩神社の祀られている阿須波神がありますが、 アスハ神やハヒキ神は、ハヒキが波比岐神となり、 頭に顕(神々の現れ)をつけて「顕波波木(アラハハキ)」とよむ。 井の神で水を祀り、屋敷神や大地にふんばって立つ防人の守り神といわれる。 役小角は、それを隠すためにあのような大きな蔵王権現を祀ったともいわれる。 水銀を隠すためらしいが。 聖地に近づかないための方法として考えられると思います。 明治天皇は替え玉だったのですが、明治政府が東北地方に調査にやってきて、 真実を抹消してきた経緯があることを、度々耳にする。 金峰神社もその対象にあったのです。 ということで、鬼は元伊勢の正統な海民の歴史があることがわかる。 九州から逃れてきた海民の東北地方がある。 本来、天皇家の血を継ぐはずだったのかどうか。 そんなことを妄想してしまう話は、東北地方にたくさんあります。 このあたりの話は深いので、また小出しにお伝えしていきたい。 まだ金峰神社の不思議な話がありますよ~。 つづく close

金峰神社と小滝のチョウクライロ舞(1)
サイト名 秩父・仙台まほろばの道
タグ 東北地方の伝説(山形県) 神社
投稿日時 2018-08-31 17:20:06

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