島根県雲南市大東町あたりの道路を車で走っている時、こんもりとした形のよい山が目に入りました。ほぼ左右対称で均整のとれた山容です。兵庫県篠山市福井にある神社櫛石窓神社 （くしいわまどじんじゃ）の神体山とよく似ています。ただの丘ではなさそうです。ひょっとしたら小さな神体山かな？お社が…… more 麓にあるかも！やりました、予想は的中。鳥居が見えるのです。やはり神社が鎮座していました。小さくとも神体山信仰のお社のようです。古式の神体山信仰を今に伝えるお社なら、境内に磐座があるかもしれない、そう思って社前に車を停めました。「坂本神社」という名前のようです。由緒が書いてあります。しかし、神体山のことも磐座のことも書いてありません。と言うことは、特に原始神道・自然神道で神様が降臨する磐座は、このお社にはないのかな、そう思いながら境内に入ります。ところが、いきなりこんな岩が？文句なしの巨大な磐座があるではないですか。しかも岩上には祠があります。さらに、祭壇のような小さい岩も付属していました。典型的な磐座祭祀です。「金守神社」という立て札がありました。金属神のようです。坂本神社本体の神様は、本殿におられるということなのでしょうね。さらに境内には、別の磐座・岩神もありました。これは、素戔嗚命を祀る「宮荒神社」と書いてあります。こちらは八大竜王を祀る竜王神社。前の川端にあったものを移したのだそうです。おそらくは、背後の神体山の中にも、磐座があるのでしょうね。なお参考のために、社頭の御由緒を掲載します。坂本神社　御由緒 御当社の御祭神は大国玉命 "おおくにたまのみこと"（大国主命の別称）と申し上げ父神須佐之男命の御偉業をお継ぎになり、当出雲地方開発の業を大成せられ、医薬の方を司り給いしその御神徳を尊み畏みて、茲に氏神として奉斎申し上げたのである。 創立の年代は、延宝年中（西暦一六七三〜八〇）不慮の事故にて棟札等古記録を失い不詳なれど須我神社の古記録から天正五年（西暦一五七七）以前の創立に疑いないことがわかる。 御社名は須佐之男命　稲田姫命と須賀の地に宮居し給い「八雲立つ」の御神詠あり。その地御室山の坂本に当る故「坂本神社」と称したと伝えている。 御社地は古くは現在の引坂部落にあり現にその辺りを「風呂の本」と称している。然るに時代の推移に伴い現在の薦沢の地も発達し人家も増え過密となり参拝の不便も生じた 事などから現在地の南方地続きの地に写し奉斎申し上げたのである。 「雲陽誌」に「鳥居松と申す松一本田の中に御座候、昔は神を祭りし由」と見え現在この地を「清浄久保」と称し例大祭には御神輿の御神幸がある。その後いつの頃からか不詳なれども地続きの現在地に移り奉り境内も拡張整備され御神威益々高揚しているのである。このように古くは薦沢引坂部落の氏神として崇敬されたのであるが明治初年行政区画の改正により薦沢部落の氏神として今日に至っている。 例大祭十一月五日 新嘗祭十一月二十八日 祈年祭二月二十五日須我神社といえば、巨大な磐座が八雲山山中にあることで知られています。古い記録はなくなっているようですが、おそらくここは八雲山祭祀の一端をになう、広域祭祀の重要なお社なのだと思いました。ただし、磐座には本殿と別の神様の名前が書かれており、明治期の合祀政策を含めたいろいろ複雑な歴史的事情もありそうです。神社としてのいろいろな要素が凝縮された、大変重要なお社であることはまちがいありません。≪興奮して本殿への参拝を忘れていたので、「大変失礼いたしました」と、最後にしっかりお参りをしました(*^。^*)≫　家計と休日予定を何とかやり繰りし、各地を回っております。ネタも少なくなり、先行きが不安ですが、それぞれクリックしていただくとネタ集めの励みになりますのでよろしくお願いいたします。にほんブログ村にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

坂本神社(雲南市)・原始信仰、自然信仰の凝縮した古式のお社でした！