霊窟の淡島神社と金の詳細

霊窟の淡島神社と金
秩父・仙台まほろばの道
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記事タイトル 霊窟の淡島神社と金
概要

福島県保原町には、高子二十境というのがあります。 「高子二十境」とは、江戸時代中期、高子に住む熊坂覇陵(はりょう)が20ヶ所の 景勝地を選び、それぞれの地に名前をつけて漢詩を詠んだことから始まります。 それに唱和して、息子の台州(たいしゅう)と孫の盤谷(はんこく)も同じ地で 漢詩…… more を詠み、親子三代にわたる漢詩は江戸で出版され全国へと広まりました。 高子二十境については、こちらのサイトが詳しく書かれているので、 参考にしてみて下さい。 「ふくしま伊達の名勝:高子二十境」 http://datenokaori.web.fc2.com/sub6.html 以前、丹露盤に行ったことがあり、こちらも奇岩でした。 もう一つ、淡島神社の白雲洞も奇岩(霊窟)なので行ってみました。 この淡島神社の岩から勾玉(曲玉)が出土され、 奈良時代からの遺跡と言われています。 御祭神は、少名彦命の一柱らしい。 勾玉は飾りとして身につけるイメージですが、 例えば、奈良県天河の弥山(みせん)では、火、水、土の意味があり、 右回り、左回りの渦巻きを描き、火と水の意味する石を置くと。 中央に勾玉を置いて(回転の役目?)白い丸い器に蓋をして神様に奉納する儀式が残されています。 『この神様は大国主と共に出雲の国において国土経営にあたられ、 とくに医療の法を教えられたことから、家内安全、身体の健康、 成長、病気平癒、造酒の神様として、また粟の栽培が上手であられたことから、 でた名で五穀豊穣の神様として信仰されております。 当社は370年前に法印境宥教という人が薬師如来様と共に、 この地に奉祀したものであるといわれております。 その後、明治9年に神仏分離により淡島神社と薬師堂の境内地を分割、 続いて明治12年に村社の社格をうけ、昭和25年に宮地の無償譲与をうけ、 境内地とするなど、この間、社殿の造営、維持管理、神徳の高揚に 上保原の氏子はもちろん、近郊近在の人々の尊崇をあつめ年々賑わっております。』 (看板より) ここへ来る前、三吉神社へ立ち寄り、秋田の三吉神と同じスクナヒコでした。 スクナヒコさんは、薬師様と同じに祀られていることが多い。 薬の神様と言われているからと思いますが、酒と関連されるのは、昔の薬は酒でした。 「鬱」の漢字が意味するように、森の中のもやっとした白い煙が、 陰気な感じがしていると。 それは酒を作っている姿を漢字にしているわけです。 悶々としている様子から、鬱の漢字が生まれた。 しかし、本来は、酒や薬草を煎じている姿にあるわけだから、 鬱の漢字を悶々と陰気にさせているのは、漢字を作った人が そういう人だったからだと思う。笑 でも、「避け」という言葉もあるように、酒は酔うと大変なので、 避けられたモノでもある。また、「鮭」という魚もあるように、 神格化された意味があり、今のように軽々とストレス発散!的な 飲み方ではなかったと思います。 スクナヒコさんについてまとめると、 石、薬、温泉、酒、立っている神、農耕神、クエビコ、エビ、案山子、 崩れ、杖彦、道祖神。。。 というようなキーワードが登場してきます。 私は、スクナヒコさんが小さい人というので、 例えば、コロポックルやメネフネ族などと関連づけたいところですが、 いまいち、ピンとこない。 一番なのは、「石」だと思います。 温泉と石=スクナヒコさんのイメージ。 石臼などもスクナヒコさんが薬草を煎じる時に使った道具のような感じを受けます。 また、人間というよりは、神話にあるように「立ったまま何もしない」 という案山子と見られることから、道祖神としてあるような立石やイナウ みたいな石の存在だけだった気もします。 民族がいたならば、そんな石に向かって祈りを捧げる姿から、 石には霊力が宿るとされ、大和朝廷は、 「大噴火により大石の根元から温泉がでたので、そこに少名彦命を祀った。」 と、あるように、要石のような力をスクナヒコさんが持っていたと考えられていた。 温泉石は鳴子の川渡温泉のことです。 道後温泉にもスクナヒコさんの由来があり、温泉に入って元気を取り戻して、 石の上で踊りだしたという話が。なんか、かわいい。笑 温泉もまた薬として役立てられたと思います。 ------------------------------------------------------ 一番多くスクナヒコさんが祀られているのは、茨城県と言われてますが(たぶん) 大国主の話から「酒列磯前神社」があります。 こちらも少名彦命のみを祀る。 伝承によれば、ある時、製塩業の者が海に光るものを見て、 次の日海辺に2つの奇岩があった。 怪石は彩色が派手で、僧侶の姿をしており、神霊は人に依って 「われは大奈母知(おおなもち)・少比古奈命(すくなひこなのみこと)であると。 昔、この国を造り終えて、東の海に去ったが、今人々を救うために再び帰ってきた」 と託宣したとある。(日本文徳天皇実禄) 東の海から「再び帰ってきた」 むむ~、そんなことを言ってたなあ。鶴の妄想で。 「I'll be back」って。こりゃ、ターミネータだな。笑 ちっさい黒ずくめのバイクで、あの音楽で登場。 遠くからみると無人バイクのようだけど、近くにきてようやくわかる。 あ、スクナヒコさん。 ちっさい声で「ちわっ」と、挨拶をされる・・・。 なんだそれ。 そんな妄想をしたくなる晩秋の森は、妖精たちも師走に向けて忙しく、 カサカサ音をたててます。 ですから、スクナヒコさんは、ただそこにいる石なんだと思います。 して、妖精なんでしょうね~。 私はそう思いたい。 茨城県の大洗磯前神社は、スクナヒコさんが降臨している話になっており、 必ず?水神としてミツハノメ(罔象女神)をお祀りしてます。 酒列磯前神社の水神も、ミツハノメです。 これは、三吉神社のミツハノメと同じなんですね。 水は酒なんでしょうか。 大洗磯前神社のオオナムチは、ナマズでしょう。 なので地震や震災と関連づけられ、震災では大洗で渦巻きを起した。 それは、エミシ征伐の時に石を置いて祈祷してきた大和朝廷も、 同じような天変地異を経験していたと思う。 昔は、地震と書いて、「なゐふり」と読んでいたので、 「なゐ=ない」は、「大地震」を意味し、地が揺れるといった意味になる。 鳴子温泉の鳴子は、鳴る(なる)ではなく、「なゐ」だったかもしれない。 噴き出した湯のことで鳴声(なきご)から鳴子になったというのは、 間欠泉のようなもの?で、湯の音が地響きと連動していたからでしょう。 そして、そこには、悪路王(夷狄)がいたわけです。 鳴子温泉の由来 『続日本後紀より833年~玉造塞の温泉河に流れてその色漿の如し。 加ゆるに以て山焼け谷塞がり、石崩れ木を折る。 更に新沼を作る。 沸声雷の如し。此の如き奇怪、勝げて計うべからず。 よって国司に仰して災異を鎮守し、夷狄を教致せむ。』 災害等で住めなくなった土地をどうしたらよいか、大国主が考えている時に スクナヒコさんが登場したのかもしれません。 温泉=火山=噴火。 噴火予知を知るには、温泉を見つければよい。 そこに石を置いて最小限の被害に食い止める。 が、火山は硫黄を出すので人間には毒である。 さすがに知識がない人は近づけない。 でも、スクナヒコさんはそういう知識があった。 そんな方法を教えていたのが、スクナヒコさんだったという妄想。 大和朝廷が大国主(大)とスクナヒコ(小)をセットで祀っているのは、 おそらく大小の関係は、大きな災いを小さくする働きだと思います。 これは火と水とも同じで、スクナヒコさんに水神が関係するのは、鎮める力があるからでしょう。 そう考えると、東北地方(特に太平洋側)には早くから薬師如来が伝わった理由がわかります。 津波、噴火などの自然災害が非常に多い地域だったからです。 ----------------------------------------------- 保原町は、伊達郡にありますが初代伊達さんがいた所。たしか。 保原には、縄文~古墳時代の遺跡が町中にたくさんあるそうです。 中には、大泉みずほ古墳群は、方墳、円墳、前方後円墳が集中する遺跡でした。 たくさんの移民というか、いろんな人種が住みついていた所と考えると、 保原町は豊かな所だったと想像されます。 淡島神社の本家は、加太海岸にある所です。 少彦名命と大己貴命の他、息長足姫命(神功皇后)も祀られている。 舟が沈みそうになった時に、苫を海に投げるとそのまま進んで島に辿りついたと。 仁徳天皇が来ている島でもあります。 婦人病の神様ともいわれてますが、 腹帯をつけて戦った妊婦と描かれる神功皇后からだと思います。 もうひとつ、ここに来て気になったのは、大量の「庚申碑」です。 梁川八幡宮でも池に囲まれた大量の庚申碑がありました。 治水工事を行う時に、岩にいる猿に邪魔される話が多かった。 単純に猿がいたから、と言うならば、マタギにお願いすればよい。 そんなことで苦労するはずはないと。 陰陽五行説では、十干の庚は陽の金、十二支の申は陽のこと。 保原のことを考えれば、金の意味なんじゃないかな。 山を切り崩すと都合が悪いことがあったと。。。 そこには金があったから。という妄想ですが、猿は金を守護する。 なるほど~。 (高子沼) 高子沼の伝説がそうですね。 伊達家の時代ですが、周辺の高子地区の山はかつて金山として採掘が行われていたと のいわれがあり、実際に沼底から鉱石粉砕用の石臼や廃鉱石が発見されている。 また、伊達政宗が豊臣秀吉に当地を含む伊達郡を召し上げられたときに、 土手を築いて金山の坑口を水没させたとの言い伝えもある。 ということで、庚申碑と金は関係してるでしょう。 スクナヒコさんは猿田彦と同じように見られている事もあり、 カカを思わすガガイモの実に乗って来ているのですが、 カガイモは蔓性の葛と同じ類の植物。 ツル性の植物は螺旋に伸びるので、何かと渦巻きの象徴とされていますが。 案山子もそうで、カカを思う。 栃木県の足尾に庚申山があり、猿田彦神を祀っています。 由来では、日光を開山した勝道上人が庚申山奥の院に神霊を祀ったことがはじまりで、 神道では庚申の神を猿田彦神としています。 (庚申の「申」が、「猿」と結びつけられたものです) 江戸時代末期が隆盛期で、庚申講中の参拝で賑わい、 宿坊には多数の参拝者が宿泊していました。 そのため、道標や石碑などの遺跡も数多く残っています。 ※足尾 小滝・猿田彦神社(徒然なる写真日記) https://blog.goo.ne.jp/john06/e/4d409836fba88186e46fb110732159e9 なんだか、犬に繋がってしまうのですが、「庚申山と南総里見八犬伝」。 当時は、庚申講が流行ったそうです。 ストーリーでは、庚申山に妖猫がいて悪さをするので、 犬飼現八は、猫の片目を矢で射り退治する話。 庚申山は奇岩が多いのです。 そんでやっぱり「青」なんだよな~。。。 青面金剛。夜叉神のことで、庚申講の本尊として知られ、 三尸(さんし)を押さえる神とされる。 青面金剛 そんなこんなで、最後に粟を栽培していた由来の看板の説明から、 ここで再びイザヤと繋がってしまうような所と繋がった。 伊射波神社について(鳥羽一宮) 古来より加布良古太明神、志摩太明神と呼ばれ、地元安楽島や近在 では、『かぶらこさん』の愛称でよばれた。 『延喜式・神名帳』に、粟島坐伊射波神社とある。 ご祭神は、稚日女尊、伊佐波登美尊、玉柱屋姫命、狭依姫命。 伊佐波登美尊を祀っている本宮は、安楽島にあり縄文時代からの複合遺跡があり、 大量の製塩、祭祀用土器、儀礼用銅鏃、神水を得るための欅の巨木を を刳り抜いて造った豪勢な井戸、神殿と思われる建物跡が発掘されたそうです。 後に現在の加布良古へ移したそうですが、粟嶋= 安楽島でここに 移った人が稚日女尊(ワカヒルメ)でした。 安楽島の前の海では、朝廷に捧げるアワビを採る神事が行なわれていたそうです。 妄想するに、開拓を行って来た人の中に、女性がいて斎宮みたいな人。 ひっくるめて日の神だから、卑弥呼みたいな人がいた。 常世(別世界)からきたスクナヒコは、根の国の大国主へ来たような話。 ああ、そうか。 これが黄泉比良坂なのか。気になっていた言葉。 黄泉比良坂 これも闇と光という境界があって、その仲介をしてきた猿田彦命がいると思った。 スケール大きな話で、地球が、がらりと変わる転機になると、 スクナヒコさんが登場するという妄想。 なぜなら、庚申碑がずら~っと並んでいる山路を歩いて辿りつく先には、 霊窟がある。それはスクナヒコのいる常世の世界に繋がると。 参道は導きだから、その道には、猿田彦命がいる。 そんなふうに思いました。 ということで、また水へ向かう最後の国見町探訪へ。 つづく close

霊窟の淡島神社と金
サイト名 秩父・仙台まほろばの道
タグ 洞窟・巨石探訪 神社
投稿日時 2018-11-19 01:40:04

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