千代田神社(河内長野市) ・菅公を祀る天神さんと江戸にちなんだ地名の詳細

千代田神社(河内長野市) ・菅公を祀る天神さんと江戸にちなんだ地名
ちょっと気になる! ~大阪発史跡旅~
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記事タイトル 千代田神社(河内長野市) ・菅公を祀る天神さんと江戸にちなんだ地名
概要

千代田神社2018年7月訪問千代田神社(ちよだじんじゃ)は大阪府河内長野市市町(いちちょう)にある神社です。鎮座地は河内長野市北部、国道170号(旧道)や近鉄長野線の線路から少し西、富田林市との境から南に300mほどの距離で、境内にはたくさんの木々があり、周辺は静かな住宅街となっ…… more ています。千代田神社(河内長野市)「菅原神社」とも呼ばれるこちらの神社は、その名の示す通り学問の神様「天神さん(=菅原道真)」を祀っており、秋のだんじり祭り以外にも近年は「天神祭(てんじんさい)」というイベントを開催するなど地域の人々と密着した神社ともいえます。※今回の訪問時は7月の「天神祭」直前の準備中で、普段は無いステージやテントが写っています。また、9月の台風21号では多数の倒木や建物の被害があったそうなので、一日も早い復旧をお祈りいたします。歴史と概要千代田神社の正確な創建年は不明です。主祭神は菅原道真公ですが、他に天児屋根命、底筒男命、蛭子命、足仲津彦命(仲哀天皇)、気長足姫命(神功皇后)、稲田姫命も祀られています。また、末社として皇太神社、八幡神社、戎神社があります。由緒書きやホームページによると、江戸時代の享和元年(1801年)頃の書物「河内名所図絵」に「天神祠 市村に在り 寺を法幢寺といふ 本尊十一面観音は聖徳太子御作也長一尺七寸 神木に膝行松(いざりまつ)といふなり」と記されている他、宝暦13年(1763年)正月の「神主宮勤致数覚」という記録に「天満宮」と記されています。それ以前の古い記録は現存していないものの、御神体である菅原道真公の座像は桧材で造られた平安末期の作といわれ、この附近に住んでいた人々の祖先の神とされる他の一体の御神体も同時代の作とされています(鎌倉時代の説も?)。これらのことから、創建は平安時代に遡るとも考えられています。由緒記江戸時代に市村(いちむら・現在の市町)の5軒の家が宮座を組織し、毎年交代で祭祀を掌ってきましたが、明治時代に専任の神主が神事を執り行うこととなり今日に至っています。明治22年(1889年)4月1日に、市村、市村新田(現在の木戸町)、向野村(現在の向野町)の三村が合併して市新野村(いちしのむら)となりましたが、 氏神はそれぞれ市村は菅原神社、市村新田は木戸神社(御祭神は足仲津彦命、気長足姫命、菅原道真公)、向野村は伊予神社(御祭神は稲田姫命)と別れていました。しかし、明治40年(1907年)10月19日に木戸神社 と伊予神社の御祭神をこの菅原神社に合祀、翌41年12月には神饌幣帛料供進神社(しんせんへいはくりょうきょうしんしゃ)となりました。ちなみに、神饌幣帛料供進神社とは、知事から郷社・村社を対象に、祈年祭、新嘗祭、例祭に神饌幣帛料(いわゆる捧げもの等)を供進された神社のことを指します。社名は、江戸時代には天神社、天満宮などと呼ばれていましたが、明治時代になり北山神社、菅原神社とも呼ばれました。さらに大正時代に入って村名が千代田村と改称してからは俗に千代田神社とも呼ばれるようになりましたが、昭和43年(1968年)、正式に「千代田神社」となりました。現在は氏子が相寄って宗教法人を組織し、お祀りされているそうです(宗教法人名簿上の表記は「菅原神社」)。拝殿千代田というと地名現在、河内長野市北部の近鉄「汐ノ宮」駅周辺から南海「千代田」駅周辺にかけての地域を「千代田」と呼びますが、この名称は大正時代からのものです。前述のように、明治22年の町村制施行により市村、市村新田、向野村が合併して市新野村が発足しましたが、それまでには、合併後の村名がなかなか決まらず、市村、市村新田、向野村のそれぞれ一字ずつから取る形でようやく決着したという経緯がありました。しかし、大阪府からは村名が不自然だとして4度に渡って再検討を通達されていたこともあってか、大正5年(1916年)4月1日に名称を千代田村に改称しました。さざれ石この名称は、大正天皇即位に因んで皇居、すなわち江戸城の別名「千代田城」から付けられたとされ、現在、国立病院機構大阪南医療センターと府立長野北高校の場所にあった大阪陸軍幼年学校の敷地も「千代田台」と呼ばれていたそうです。村役場は神社近くにあり、明治44年(1911年)8月15日に開業した河南鉄道の「汐ノ宮」駅が村の中心駅でしたが、昭和13年(1938年)2月11日に南海高野線の「千代田」駅が開業すると地域の中心はそちらに移って行きました。境内千代田神社は石川左岸(西岸)の段丘上に鎮座しており、本殿、拝殿、鳥居などがほぼ一直線に南を向いています。また、当社のすぐ東側には東高野街道が南北に通っています。千代田神社の社名標と参道近鉄「汐ノ宮」駅前から国道170号(外環状線)に抜ける道路から北向きに参道があります。鳥居社名標から鳥居までの参道は、周辺の旧家が建つエリアの道路より広々としていて、だんじり祭りもに支障がなさそうです。クスノキの大木鳥居をくぐり少し進むと、左手に大きな木(クスノキ)があり「保護樹木指定標識」がありました。この木に限らず、特に境内の東側から北側にかけては多くの樹木があって、まさに鎮守の森の風情。手水舎先ほどのクスノキから少し先にに手水舎があります。手洗鉢は宝永3年(1706年)に市村新田の代官である中村氏が木戸神社 に寄進したものを、明治の合祀の際ここに移したものです。拝殿とその周辺手水舎から再び拝殿の方を見ると、左手(西)に社務所などの建物があり、右手(東)から奥(北)にかけては森となっていてます。拝殿の奥の本殿や末社少し石段を上り参拝すると、賽銭箱の向こうに本殿や末社が並んでいるのが見えます。千代田神社は神職の方がおられるので各種ご祈祷も受け付けておられます。詳しくはホームページなどを参照してください。本殿正面千代田神社の本殿は切妻造り妻入りで、現在の唐破風の向拝のある銅板葺きの社殿は文化4年(1807年)9月に再建されたものです。嘉永4年(1851年)3月に 屋根の修理、昭和40年(1965年)3月には全体の修理がなされています。戎神社(左)と八幡神社(右)本殿に向かって左には八幡神社、さらにその左に戎神社がありますが、戎神社は向野の伊予神社の社殿を移築したものです。皇太神社また、本殿右側には皇太神社があります。神牛拝殿手前右側には明治15年(1882年)に奉納された神牛があります。また、この神牛の裏には車いすで参拝できるようにスロープが設けられていました。境内東側から見た社殿他にも境内には多数の石造物が立ち並んでいますが、拝殿正面の狛犬は文政10(1827年)年に奉納されたもので、他に宝暦12年(1762年)奉納の石燈篭をはじめ、多くの常夜燈があります。菅公記また、鳥居をくぐった右手にも「君が代」でお馴染みのさざれ石やいくつか石碑などがありますが、菅公記の石碑は狛犬同様、文政10年に奉納されたものです。本殿裏側拝殿右手からは神社の裏手に回ることが出来ますが、本殿の北東には苔むした凝灰岩の納経塔が1基あります。これはかつて宮寺であった法幢寺の遺物で、その他にもこの寺のものであった不動明王の脇童子1体と、市村にあった阿弥陀寺の什物の大般若経600巻も現存しているそうです。祭礼例祭は 10月の第2土曜日・日曜日で、市町東、市町西、向野町、木戸本郷、鳴尾町、千代田石坂、楠町、松ヶ丘町の地車(だんじり)8台が宮入りします。また、近年は7月中旬の週末に「千代田天神祭」が行われます。これは「ちよだてんじんさい」と読み、屋台が並ぶ天神祭バルやフリーマーケット、手づくり市、音楽フェスなど様々なイベントが催されます。なお、今回訪問時の写真に写る境内のテントはそのイベント用です。境内北側の森●千代田神社 ホームページ →http://stabilization.web.fc2.com/index.html●千代田神社 Facebook →https://ja-jp.facebook.com/%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E7%A5%9E%E7%A4%BE-649609971788607/アクセス公共交通機関では、近鉄長野線「汐ノ宮」駅が最寄りで、下車後は駅前の踏切を渡りやや急な坂を上ります。その後100mほど進むと交差点があり、右手に「千代田神社」の社名標があり鳥居が見えます(ここまで約250m)。駅名からして近そうな南海高野線「千代田」駅からは東に約1.1kmで、千代田小学校前を右折、国道170号(外環状線)「市町」交差点を渡り東へ向かうコースになります。車では国道170号(旧道)の「汐ノ宮」駅前を富田林方面からは右折、河内長野方面からは左折し踏切を渡り坂を上って約100m先の社名標のある交差点を右に。また、国道170号(外環状線)からは、「市町」交差点を富田林方面からは左折、河内長野方面からは右折し東に約200m先の社名標のある交差点を左に曲がります。鳥居から先の境内に駐車できないこともあるようなので、その場合は「汐ノ宮」駅近くのコインパーキングを利用するなど神社の方の指示に従ってください。Chiyoda Shrine(Kawachinagano City,Osaka Prefecture) close

千代田神社(河内長野市) ・菅公を祀る天神さんと江戸にちなんだ地名
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タグ 大阪府 河内長野市 神社
投稿日時 2018-12-08 03:00:03

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