(昨日の続き)お迎え大師の絶景スポット。ここから八栗寺本堂方面を振り返ると、背後の五剣山がのしかかるようにそびえています。一つの峰を剣と呼び、西から一ノ剣、二ノ剣、三ノ剣、四ノ剣、五ノ剣と、山上に5つの大きな峰が存在するためこの名前がつきました。いちばん右の五ノ剣だけが平らなのは…… more なぜか？それは、1707年（宝永4年）の宝永地震で崩壊したのです。なかなか山が崩壊するというのも聞きなれませんが、どうもかなり平べったい山容だったようです。いわば塀を立てたような奇観であったため、もろく崩壊しやすかったともいわれます。さてここから、奥の院の「中将坊」まで登ることにします。案内図では、一ノ剣の途中にあるようです。おや、なんだか懐かしい雰囲気の店が。ラムネとニッキ水。なんだか昭和レトロな風景ですね(^_^.)　　☆さて、本堂横から、山に入ります。石段を上ると、「中将坊」。巨岩を背にしています。この雰囲気は、原始神道も修験系の寺院も同じですね。まさに日本古代からの伝統信仰の場です。背後の岩にへばりつくようなお堂です。岩屋のようになっているのでしょうか。中将坊のお堂は、背後の五剣山が修験僧の修行の地であったことから、五剣山を護る天狗である中将坊を祀ったもので、中将坊大権現は修験僧の守り神となりました。ここから五剣山への登山道があったようですが、現在は入山禁止。あれ、建物の隙間に、大きな下駄が。その説明です。願い事のある人は、この中将坊堂に天狗の履物である下駄を奉納します。そうすると中将坊は夜のあいだにその下駄を履いて走り回り、願い事を叶えるために奔走してくれるのだとか。翌朝、もし奉納した下駄の歯が汚れていれば、中将坊がこの下駄を履いて走り回った証拠であり、願い事は叶うと信じられました。ですから現在でも中将坊には、多くの奉納された天狗の下駄が置かれているのです。さらによく見ると、奥の崖面には、いろいろいなものが祀られています。中将坊の建物ができる前は、どうもこの崖と上の岩が信仰の中心だったようです。　　☆いったん本堂まで降りて、五剣山をゆっくり眺めます。尾根筋には、さまざまな祠や石造物。崩壊した五の剣に、窪んだ横筋が入っています。アップしてよくよく見ると、この窪みの左端には、石の祠のようなものが見えます。こんな危険な場所にまで、だれかが重い石の祠を運んだのです。この山に登った人によれば、こんな場所は四つん這いでやっと進める、崖っぷちの超危険な道？なのだそうです。垂直の岩峰が屹立する五剣山では、修行中に転落死する修行者も多かったようです。もちろん自己責任なのですが、転落した者は修行の心構えが足りなかったり、修行に身が入ってないために、中将坊の怒りに触れたと考えられていたとか・・・・(>_ close

八栗寺と五剣山・入山禁止の奥にあるのは・・・