冬の山寺と真野の猿丸大夫の詳細

冬の山寺と真野の猿丸大夫
秩父・仙台まほろばの道
ページの情報
記事タイトル 冬の山寺と真野の猿丸大夫
概要

冬になると山寺に行きたくなるとです・・・。 先週ですが、帰省する人が多いなか、山寺へ。 団体の観光客はいないので、とっても静か。 空いててよいですが、やっぱり中国人や台湾人が多いです。 寒い~けど、今年は暖冬だわ~。 山寺は登りはいんですけど、下りは凍ってツルツルするの…… more で、 手すりにつかまって下りると、筋肉痛になります・・・。 足より腕の方が痛みが早いなぁ。 参道を歩き初めてすぐに姥神のお社があるのですが、 ここが一番、ほっとする場所です。 山寺に何度も来るようになったら、おばあちゃんが好きになってしまいました。 顔は怖いけど。 近くに大岩がありその下に清水がある。 そこから階段を登り続ければ、五大堂の絶景が。 寒々としてますが~。 昔は、階段もない山道だったので、歩きやすくなりましたねぇ。 さて、山寺の話は何度も書いているので詳しく述べませんが、 ひとつ、気になった事がありました。 真野に繋がってしまうことが。 さくっと復習。 山寺にはマタギの磐司・磐三郎がいた。 栃木県壬生出身の円仁(慈覚大師)が後に山寺に霊場を開きます。 磐司・磐三郎は移動し、仙台の蕃山~秋田県阿仁地方まで伝承があります。 彼らは兄弟とされていますが、赤城神のムカデと男体山の大蛇対戦で、 弓の名人だった「猿丸」が登場するのですが、磐司・磐三郎が猿丸のことだとする説もある。 猿丸はムカデの左目を射り、ムカデは利根川のほとりに至り、 討ちとることができた。 その場所が現在の宇都宮だとされ、宇都宮二荒神の領土を得たと言われる。 そのような話が、なぜか、石巻の北村にも伝わっている。 その猿丸の故郷が石巻の小野郷という。 ムカデ退治と宇都宮の話から、藤原秀郷と重ねていると思いますが、 大蛇とは、この場合、豊玉姫のことでしょう。 宇都宮二荒山神社は、豊城入彦が祀られてます。 「豊」ですね。 石巻北村の話では、猿麻呂という人が登場。 猿丸=猿麻呂。 旭山には猿麻呂の母がいたので、「朝日姫」と呼ぶのです。 旭山にも、計仙麻(ケセマ)神社があり、ウカノミタマ、豊玉姫です。 その小野郷という場所には、牧山の零羊崎神社がある。 ああ~、そうだったなあ。 川崎にも小野郷があった。 川崎の小野は、あこや姫。 石巻の小野は、朝日姫。 小野小町やら小野篁やら、いろいろありそうです。 方角で考えてみれば、猿を申とするならば、羊(零羊崎神社)とあわせて、 申羊の方角は、西日本や朝鮮半島を向くことになる。 あっちからきましたよ~、という意味? 海からきた人の故郷をさすわけです。 女神はあっちから来たと。 ところで、二口渓谷(秋保)伝承によれば、 磐司・磐三郎は、近くに住んでいた鬼を退治するのに、 磐司・磐三郎が弓を射ったところ石ケ森の岩肌をかすめ、 わずかに鬼の家から手前で失速して失敗したと。 しかし、鬼はその手柄に驚き逃げてしまったという。 その矢が落ちたところは、竹やぶになっているが、「逆さ竹」と呼んでいる。 逆さ竹は、のの岳もそうです。 坂上田村麻呂がそこにいた魔鬼目(牧山)を排除したという話でしたが、 逆さに竹が生えるようになったという。 逆さにするのは生まれ変わりできないようにしているなど、 怨霊封じとも言われますが、定かではありません。 体を3か所にわけた話は、以前から何度もこのブログでも書いていました。 あのきれいな三角形に結んだハイヌベレのほぼ中心に、旭山があったのです。 松島で冬至の話をしてましたが、光が冬至や夏至の方向にさすような 仕組みがあるのかもしれない・・・? マロに封じられた女神の復活だろうか。。。 どうしても鹿が浮かぶ。 黄金の三日月マークを額にもった白鹿が。 ---------------------------------------- 小野猿麻呂は、小野猿丸ともいい、「猿丸大夫」ともいう。 調べると、あの有名な歌を残したかもしれない説もあるが、「よみ人しらず」。 しかし、私はこの和歌がけっこう好きなのです。 『おくやまに もみじふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき』 『小倉百人一首』に、猿丸大夫の作として、この和歌がある。 奥山に鹿が鳴いている声が寂しいといった歌なのですが、 この歌は、心に響きます。 鹿が人物をさしているように聞こえる。 雄鹿が雌鹿を探して呼んでいるように、この歌を詠んだ人が自分の心情と 重ねているような気がしてならない。 誰が詠ったのだろう・・・ 島へ流された運命をたどった菅原道真説などもありますが、猿とは結びつかないなあ。 猿丸大夫の歌集である『猿丸集』というのがあり、 その中に入っていた和歌だそうです。 日光山の伝承に、鹿の姿になった女体権現が、 石巻北村の小野にいた弓の名人である猿丸をよび、戦いに勝利した話がある。 北村では、猿丸の母の化身は「鹿」なのです。 ですから、やっぱり「真野」なのです。 真野の「野」、小野の「野」など、 鹿江比売姫や、鹿屋野姫、草野姫などなど、大山津見神。 「野」は、「ヤ」と呼んでいたと思われる。 かや姫=かの姫。 飯舘村の綿津見神社に祀られている神より、 『オオヤツヒメの神名「ヤ」は、家屋の事であり(おそらく出産小屋) 彼女が樹木を司る神であると同時に、樹木から作られる建造物、 家屋や船などの神であることを示している。 また、木種を全国に蒔く事は、子供を産む力をもった女性として、 生殖を司る神とされる。 現在では、兄神五十猛命と共に木の文化を司るとされ、林業や建築の神として 信仰を集めている。』 真野とリンクするのは、「鹿」なのです。 それはまた、金華山の鹿でもあり弁財天でもあり。 切ない和歌が、ある女性(母)のことを詠んでいるように聞こえてしまうのです。 東北地方では、鹿舞をします。 鹿の雄雌の交尾の舞が含まれています。 また、豊玉姫もワニを生んだとされていますが、これもオオヤツヒメと同じような 野の神として神格化されたと思います。 海民にとっての豊玉姫は、山民にとってオオヤツヒメということになるでしょう。 別の妄想をするならば、豊玉姫が生んだワニが、和邇氏のことであるとし、 和邇は丸子氏であった。和邇子は丸子。 丸子氏の祖は、豊玉姫であるとも言っているのかどうか・・・。 石巻日和山は葛西氏の拠点だった。 鰐山ともいい、葛西氏の娘が盲人の巫女で朝日姫とよんだ伝承がある。 だから、猿の丸子なんだと思う。 猿が岩場に住み、治水工事の話とリンクしているのもあるわけです。 猿とよばれ岩場に住んでいたのは、禹の故郷、雲南省がルーツかと。 禹は、美しい白狐の妻と結婚する。 猿丸大夫という人が山寺にいたのならば、岩場を好むはずだ。 山を追われてみちのくの奥地へさまよい、たどりついた所が 阿仁地方だとしたら、争いのない平和な村で良かったのかもしれない。 マタギの由来のひとつ「マタハギ」(皮をはいで暮らす人)は、 アイヌ語で「冬の人」「狩猟」といった意味があるとの事。 冬は山暮らしをしてマタギになる。 夏は海に出て海民になる。 寒かったろうな~。 でも、マタギがみた風景は、今も変わらない。 五大堂より ということで、冬の山寺でフツフツと磐司・磐三郎を想うのでした。 さびしい~松尾芭蕉。 おまけ------------------------------------------ 肉そばっ。 うましっ! ※そば処 一庵 温泉入浴して帰る。 冬の定番な過ごし方。 サルマロそっちのけ。 そば食ったら忘れる・・・。 また夏頃行きたいな~。(また来るのけ?←サルマロのつぶやき) close

冬の山寺と真野の猿丸大夫
サイト名 秩父・仙台まほろばの道
タグ お寺 東北地方の伝説(山形県)
投稿日時 2019-01-11 01:01:00

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