盛金富士（もりかねふじ）　冨士神社（ふじじんじゃ）【データ】　盛金富士　340メートル（国土地理院の地図に山名なし。下小川駅西の340.6三角点▼最寄駅　ＪＲ水郡線・下小川駅▼登山口　茨城県常陸大宮市盛金の下小川駅▼石仏　盛金富士の山頂、地図の赤丸印▼地図は国土地理院ホームページ…… more より【案内】　盛金富士の山麓はかつての盛金村。村の中心にある山に富士浅間社を祀って山名としたと思われる。盛金村はその後周辺の村と合併して下小川村になり、いまは常陸大宮市になった。かつての村名を残した水郡線の下小川駅は無人駅。休日のためか一台の車もなかった駅前の広い駐車場に車を置いて登りだす。登山口は駅の北と南の二か所で周回コースがとれる。駅前にあるハイキング案内には山頂に「冨士神社」とあるので、富士神社として案内する。　山頂に祀られた石祠が富士神社。宝形造りで台座も入れた高さは約120センチ、立派な石祠である。「寶暦三癸酉（1753）」の造立で「盛金」銘もある。富士浅間信仰の組織である富士講が盛んになるのは、食行身禄（1671～1733）や村上光清（1683～1759）が活躍する寛保期（1741～1744）以降である。富士塚が造られるのは安永期（1772～1781）以降。富士講の先達たちの発願成就の記念に立てた富士講碑は文化期（1804～1818）以降であるから、盛金富士の石祠造立は富士浅間信仰関係の石造物としては古いものになる。ただ石祠の屋根正面に「卍」が刻まれている。富士浅間信仰と卍については管見にない。ご存知の方がありましたらご教授願いたい。【独り言】　盛金山へは駅の北から登りました。登りだしてすぐ出くわすのが二基の墓石（地図の緑丸）で、どちらも上部に胎蔵界大日如来の種字がありました。一基は種字アーンクの下に「釈了念霊　安永十辛（1781）」、一基は種アの下に「善心□□」で、富士浅間信仰に関係した者の墓石としたいところですが、わかりません。　山頂近くの尾根には２体の石仏（地図の青丸）が立っていました。１体は風化がひどくて尊名は不明ですが、子供を抱いているので子安観音としました。１体は宝冠をつけた菩薩形ですが、手の位置から判断して智拳印の大日如来としました。どうしこれらの石仏が祀られているのかわかりませんが、富士信仰繋がりとすれば富士山の神・木花開耶姫は子育ての神でもあり、富士浅間信仰の本尊は大日如来、とこじつけてみました。　南の登山口には馬頭観音の文字塔（地図の紫丸）が並んでいました。「馬力神」はこの地方の馬頭観音です。尾根に登ったところには六臂の菩薩（地図の緑丸）が立っていました。頭上に馬頭があるようなないような造りで、千手か馬頭が迷うところですが、斧を持っていることと祀られた場所から馬頭観音としました。 close

石仏830盛金富士（茨城）富士神社