檜原神社と太陽の道・地図に太陽神を探す知的冒険の時代の詳細

檜原神社と太陽の道・地図に太陽神を探す知的冒険の時代
神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
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記事タイトル 檜原神社と太陽の道・地図に太陽神を探す知的冒険の時代
概要

檜原神社は、奈良県桜井市大字三輪、つまり三輪山麓に鎮座するお社です。いつ参拝しても、清浄で爽やかな気が溢れています。本殿はなく、三ツ鳥居がシンボルになっている不思議なお社です。大神神社にも三ツ鳥居があり、こう説明されていました。大神神社拝殿の奥は禁足地として普段は神職さえ足を踏み…… more 入れない神聖な場所で、禁足地と拝殿の間には結界として三ツ鳥居と瑞垣が設けられています。三ツ鳥居の起源は不詳で、古文書にも「古来一社の神秘なり」と記され、本殿にかわるものとして神聖視されてきました。同じ三輪山麓ですから、同じように「古来一社の神秘なり」であり、本殿に代わるものなのでしょうね。単なる変形鳥居ではなさそうです。この祠は、天照大神を奉じた豊鍬入姫命を祀ります。境内の入り口からは、大和の国原と、その彼方のニ上山が見渡せました。これは昼間ですが、春分、秋分のころ、神社の正面に見える二上山に夕日が沈む様子は、幻想的なまでに美しいそうです。檜原神社の由緒にはこう記されています。崇神天皇の御代のはじめ、国内に疫病多く国民の大半に及び、また流離(さすらい)背叛する者あり国情真に容易ならぬ状勢となり、天皇は大変憂慮せられ、朝夕に神祇に只管(ひたすら)ご祈念されましたが、国情は益々由々しくなる様相に、 天皇はついに、神の勢(御神威)を畏れられ、御即位六年はじめて皇女豊鍬入姫命(初代齋王・御杖代)に神璽を託されて、「倭笠縫邑」に「磯城神籬」を立ててお祀りせられました。 その神蹟が三輪山の北麓にある檜原神社の地であります。疫病や謀反の末に、神威を畏れて宮中の外に出すというのは、私には理解できません。家族に不運が続くから、仏壇も神棚もよその家に預かってもらおうというのと同じですよね。崇神天皇にとって、なぜ天照大神はタタリ神となるのか、なかなか深い事情がありそうです。それはともかく、結局最後に天照大神は伊勢に祀られることになります。そして、最後の『元伊勢』にあたる伊勢斎宮跡と、元祖『元伊勢』の檜原神社が同じ緯度に並ぶことなどから出されたのが、「大和の原像」(大和書房、1973年)という本でした。この本で小川光三さんは「太陽の道」を提唱したのです。檜原神社と伊勢斎宮跡のほか、卑弥呼の墓説もある箸墓古墳、大坂山(穴虫峠)、長谷寺、室生寺をはじめ、大和盆地を中心とする著名な遺跡、社寺などが北緯34度32分の線上にほぼ一直線に並び、西は堺市の大鳥大社や淡路島の遺跡まで延びるという、なかなか壮大なものでした。これを受けて、NHK水谷慶一ディレクターによる、『謎の北緯34度32分をゆく――知られざる古代』が1980年2月11日に放映され、一時はブームになります。しかしその後、必ずしも正確に並んでいない地点や、太陽信仰と何ら関連がないものまで含まれていること等から、次第にブームは沈静化し、結局のところ学術的にはあまり意味がないものとされてしまいました。しかし、ほんとうに意味のない、一過性のムーブメントだったのでしょうか?    ☆「大和の原像」という本を出版したのは、大和書房です。社長の大和岩雄氏は、当時自らが主幹を務める「東アジアの古代文化」誌で、小川光三氏だけでなく、さまざまな専門研究者に太陽信仰と方位についての意見を求め、掲載しました。これらの知見を総合して、のちに大和岩雄氏自身が、「天照大神と前方後円墳の謎」という本を出しますが、これはかなり内容の濃い専門的な研究成果でした。太陽信仰を観念的な物とせず、夏至・冬至・春秋分における実際の太陽の方向性や遺跡の関係をリアルな観点から見直す作業は、極めて有意義な問題提起だったと私は思います。『風土記』の解釈にも、新たな観点が提起されました。小川光三氏は、平等院鳳凰堂について、低い山の間から出た朝日が池に射し、その反射光がキラキラと阿弥陀如来の顔を照らしだす。それこそが生きた阿弥陀如来、極楽浄土の阿弥陀如来をあらわしているということをテレビ番組で話しておられました。写真家らしい素晴らしい感性だと思います。この感性あってこその「太陽の道」なのでしょう。その小川光三氏も、2016年の5月に88歳で亡くなりました。小川光三氏や水谷慶一氏の知的冒険が、キラキラ輝いていた時代が、とても懐かしく思い出される今日この頃です。取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

檜原神社と太陽の道・地図に太陽神を探す知的冒険の時代
サイト名 神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
タグ 太陽信仰 神社
投稿日時 2019-03-10 03:00:03

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