津金寺裏山（つがねじうらやま）　五輪塔（ごりんとう）、宝塔（ほうとう）【データ】　津金寺寺裏山　760メートル▼最寄駅　JR北陸新幹線・佐久平駅▼登山口　長野県立科町山部の津金寺▼石仏　津金寺の裏山中腹、地図の赤丸印▼地図は国土地理院ホームページより【独り言１】　五輪塔　立科町の…… more 中山道芦屋宿の街外れにある天台宗の津金寺は、談義所（学僧の養成所）とカタクリの寺として知られた寺です。訪ねた四月中旬の山内は桜とカタクリが咲き誇っていました。境内の一角には小さな五輪塔が整然と置かれ、それはカタクリの道の一つ、寺の裏山を巡る道にも数えきれないほど並んで静寂そのものでした。　境内や裏山の五輪塔のどれも50センチ前後で大きさはそれほど違いはありません。しかしよく見ると、五輪の一番上の空輪と二番目の風輪を一石で彫るものの、風輪の大きさがまちまちです。さらに３番目の火輪の反りもいろいろです。ということでいろいろな人の手によって造られたと思われます。『立科町誌』（注）では、この地方の戦乱の歴史を踏まえて「南北朝期から戦国時代後半にわたり造立されたもので、概して戦国期のものが多い」と報告しています。その数、寺の案内には約700基とありました。【独り言２】　宝塔　裏山のカタクリの道には、高さ170センチ前後の宝塔も３基並んでいました。『立科町誌』によると、江戸時代の文化（1804～18）の初めごろ津金寺の長海和尚が裏山で見つけたもので、藪の中から一基、土の中から掘り出したものが二基、合わせて三基の宝塔です。造立されたのは鎌倉時代の承久二年（1220）と嘉禄三年（1227）で、佐久地方を治めた滋野氏の墓石でした。塔身の中央の円のなかに刻まれた種字はア（多宝如来）とバク（釈迦如来）で、これは宝塔造立の元になった『法華経』の「見宝塔品第十一」に登場する仏。多宝如来がいる宝塔が地面から湧出して、釈迦如来を塔内に招き入れるというお話です。欠けていなければ、多宝・釈迦の種字がある石造宝塔として重要文化財級のものでした。（注）『立科町誌　歴史編（上）』平成19年、立科町誌刊行会 close

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