岐阜市御手洗に鎮座する岐阜護國神社。古い神社や磐座に興味のある方なら、必ず驚かれるであろう立石群が境内にありました。これはストーンヘンジかサークルか、はたまた未知のメンヒル文化か？さらに下はもう、ドルメンとしかいいようがありません。それにしても、磐座研究家や巨石マニアの皆様の間で…… more 、この岐阜護國神社が話題になったというのは聞いたことがありません。ひょっとすると、ノーマークの磐座群、いや私は巨石文明を発見したのか、それならブログで報告せねばと興奮していたら、たまたまご神職が通られます。「あの、この立っている岩は、なにか由緒とかあるのでしょうか？」こう聞けば、間違いなく「神様が降りてこられる磐座ですよ。」という答えが返ってくると思いきや、「ああ、鶴石や亀石ですね。境内を整備する時に、庭師の方が置いてくれたようですね。」という、めまいがするようなシンプルなお答えが・・・・・　　☆そもそも岐阜護國神社とは、どのようなお社なのか？そして何を祀っているのか？(岐阜護國神社ホームページより)神社のホームページには、「御祭神」としてこう記されていました。戊辰の役から先の大戦に至るまでに国に殉ぜられた、岐阜・中濃・東濃各地区出身の御英霊37,800余柱。つまり、「日本の平和、郷土岐阜の平穏、家族の安泰を願い、尊い一命を捧げられた御英霊」こそが御祭神であり、高天原や風土記に登場するような神々とは、全く性質を異にするのです。神社の創立も新しく、昭和15年11月に社殿が竣工したと記されていました。ということで、風土記の時代から連綿と続き、磐座祭祀も大切に守られているというような古社ではないのです。残念ながら、磐座でも巨石文化でもありませんでした。そういえば、京都の松尾大社には、古代祭祀の場である磐座を模して新たに創られた「上古の庭」があります。おそらく、同じような観点で創作された境内なのでしょう(*_*)　　☆しかし、どうも引っかかることがあります。それは、この写真です。本殿の左後ろに、神体山のようなきれいな小山があるのです。古社なら、確実に古来からの神体山信仰が予想される山容でしょう。さらに、この山の麓には、こんな岩も。ここは、招魂祭場とよばれ、何やら古い磐座の雰囲気があります。ホームページには祭場中心にある美しく苔むした岩を磐座に見立て、御英霊の御霊をお招きします。と記されますが、本物の古い磐座だったのではないのか？磐座風創作庭園の、アートで切れ味のある立石とは、どうも性質が異なるように思えるのですが。この山際には、かっぱ堂もあります。ホームページにはこの地はもともと長良川の河川敷であり、古くから河童がいたという伝説によって創建された河童大明神。子供達の水難除け、水練上達などを願うかっぱ祭が毎年7月に行われますとあります。川沿いには「鏡石」という地名も残っており、古い水神祭祀等があった可能性もあります。　　　☆長良川の対岸から撮った写真をご覧ください。写真のちょうど中心部に鳥居が小さく見えますが、これが岐阜護國神社です。背後には、明らかに神体山風のきれいな支峰が見えています。少し引いた写真です。一番高い山頂部は、岐阜城天守閣のある金華山です。その反対側山麓にあるのは、例えば日本最大級の岩窟寺院である岩戸弘法弘峰寺(いわどこうぼうこうぶうじ)。この周辺には神社仏閣が集まっており、岡山の吉備中山同様「ミニエルサレム」的な聖地感があります。ウィキペディアには、かつて金華山山麓に50数基の古墳があり、金華山山頂部分にも古代遺跡があったと記されています。これらの環境から考えると、岐阜護國神社の境内も、案外古くからの聖地・霊地だったのではないでしょうか？そう考える方が、祖国や郷土を守るため亡くなった方々にとって、よりふさわしい鎮座地であるような気がします。取材とネタに苦労しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

岐阜護國神社・金華山という聖地の麓で・・・