回想ス。 ４，５年ぶりになるでしょうか。 久しぶりに、アジサイ寺と称される北山にある資福寺へ行きました。 このお寺には思い入れがありました。 ずっと前に、ピアカウンセリングのボランティア活動をしていたのですが、 その時に皆と一緒に訪れたお寺でした。 今年２月、その会にいつも参加…… more してくれた方から突然、連絡がありました。  ３年ぶりの連絡です。  「会って話がしたい」との事でした。 久しぶりなので驚いたのですが、連絡をもらって嬉しかったのです。 私のことを忘れないでいてくれた、という思いが。 会を解散、というか、去ったことを皆に何も言わなかったことが、 ずっと気にかかっていた事もあり、 これを機会に、あの時のわだかまりがなくなり、もう一人連絡がとれた方とお会いすることになりました。 私は介護に入りボランティア活動ができなくなり、 私が主催していたのではないのですが、 いろいろと活動にも問題があった為、３年前に私ともう一人の運営者は脱退。 その時のカウセリング仲間とも連絡をとることなく、 ３年のつき日が経とうとしていました。 久しぶりの再開でしたが、皆が元気なのに安心し、 当時の話に華が咲いて、いろいろと深い話になりました。 誘ってくれた方は、自分にとても向き合ってきた人で、 私はカウンセリングの資格があったとしても、 カウンセラーにはなりませんし、なれませんでした。 その方の方が、カウンセラーになっている程、 言葉、ひとつひとつを大事に伝える人なのです。 その人の持っている心が、素晴らしいのです。 だからなのか、亡き知人が、皆でまた笑顔で再会してほしいことを 望んでいたと、今はそう思うのです。 知人を仮にＡさんとします。 Ａさんは、１０年ほど前に一緒にカウセリングの資格を学んだ 良き同志でした。  ピアカウセリングの活動を誘ってくれたのも、Ａさんでした。 ボランティア活動には、限界があります。 精神的な部分でのケアというところでも限界があります。 それでもＡさんは、いつも真摯に取り組み、 静かに皆を見守るような人でした。 皆でお茶をしながら、Ａさんとも会いたいね、となり、 帰ってからさっそく、メールを送ったのですが、返信はありませんでした。 もう一人、長年、心理学やスピリチャルを勉強してきた 山形県の知人がおり、その方ともずっと連絡をとっていなかったので、 連絡をしたところ、その返信内容に、私は愕然としました。 Ａさんは、昨年の秋に亡くなったのです。 脳梗塞のようでしたが、急でした。 まだ５０代半ば。これからもっと経験を生かせる時。 あまりにも急だったことと、早く連絡をしていれば良かったという後悔、 また、このことを皆に伝える事の重さ。 一緒に勉強してきたカウセリング仲間が喫茶店をやっていて、 しばらく行ってなかった事もありました。 知人が私に連絡をしたそうですが、携帯を変え、連絡先も変えていた為、 連絡がつかなかった事を後で聞いて、がっかりしました。 私は知人に連絡先を伝えていたと思いこんでいたのです。 そんなことで、２月に「会いましょう」の連絡がなかったら、 ずっとＡさんのことを知らないままだったのです。 久しぶりに顔をあわせたのは、Ａさんの死を知るためだったのかもしれない。  それは、Ａさんが皆を心配していて、再び引き会わせてくれたと思うのです。 -------------------------------------------- Ａさんは、写真を撮るのが好きで、花も好きでした。 最初に連絡をもらった方は、皆でアジサイをみにいったことが一番印象に残っていて、 一番、楽しかったと言っていました。 なので、Ａさんを追悼する意味も込め、当時、参加してくれた４人が集まり、 資福寺へ行ったという事なのです。 このお寺での参拝で、ようやくＡさんにお礼が言えて良かったです。 会がなくなってしまったから、参加者も会いたいと思っても、 なかなか会う勇気はないものです。 Ａさんに伝えたかったことがあったという人もいて、 ようやく、心にモヤモヤしていたものがとれた。と言ってました。 その後、和菓子（お餅）がおいしいカフェがあり、 このお店もＡさんと皆で最後に立ちよったお店でした。 あの時は、皆、心の中にある重い世界にいました。 今もそういう方たちです。 だから、私は闇が好きなのです。 闇こそ光なのです。 光しか見ようとしない人は、闇の中にいるわけです。 こうして、また再び会えるということは、幸せなことです。 しかし、今、再会できるのは、本当に限られている人です。 あのピアカウンセリングは失敗だったと思っていたけど、 これが本当のピアカウンセリングだということを知ったのは、 はかなくもＡさんが亡くなった後でした。 毎年、アジサイが咲く頃に、Ａさんを思い出すでしょう。 それにしても、なぜ、人は孤独になりながら生きるのでしょうか。 花は毎年咲くけど、人は死んだら再び芽を出すことはありません。  しかし、思い出だけは、花を咲かすことはできます。  現実世界は、思い出の中に生きるという事かもしれません。 この世は幻で、存在しない中でも、「強く生きる」と決めた人しか、 花は咲かないのかもしれません。 私の方が癒されたアジサイ寺でした。 close

故人を思うアジサイ寺