たまたま見た一枚の写真に感動し、どうしても行きたい神社がありました。それは、姫路市の賀野神社です。その写真には、賀野神社とその向こうにそびえる巨大な三角形の岩山が写っていました。雪彦山という、何ともロマンチックというか、メルヘンチックな名前の山です。日本の伝統信仰の原風景を思わせ…… more る、素晴らしい構図でした。ところが姫路市内とはいえ、神社へは姫路駅北口から神姫バスに揺られて約一時間。夢前川に沿って山間部をひたすら遡るという、かなりの遠隔地なのです。なかなか行く機会がなかったのですが、この春、平野部では桜が散り終わった頃に、なんとか訪ねることができました。　　☆中国道の福崎インターで下り、県道67号線の谷間を北へ北へと走ります。山之内の集落を過ぎると、谷間の向こうに雪彦山が遠望できます。谷間のV字に顔を出す、聖なる三角形。昔、この谷をわらじ履きで、ひたすら遡上した人々が見た時には、まさに神仏の山と感じた事でしょう。どれだけくねくねと細い道を走るのか不安でしたが、意外に走りやすくて快適な谷道です。最期の急坂を登ると、雪彦山が大きく見え、念願の賀野神社へ到着しました。この雪彦山は、弥彦山（新潟県）、英彦山（福岡県・大分県）と共に日本三彦山として知られる修験道の行場です。そしてこの信仰の基盤となるのが、推古天皇代(592～628)に法道仙人によって開かれたとされる賀野神社でした。元々は雪彦山大権現、雪彦山金剛鎮護寺と呼ばれ、神仏習合の形式でしたが、明治元年の廃仏毀釈により、金剛鎮護寺は廃寺となり、賀野神社だけが残っています。そして、どうしても現地で見たかった「たまたま見た一枚の写真」の構図が、これでした。なんとも不思議な魅力のある絶景でした。これこそが、日本の山岳信仰の原風景なのでしょう。それにしても、岩峰がそそり立つ荒々しい三角形の山です。よく見ると、巨大な岩峰には、ロッククライマーの姿が見えます。あとで調べると、山中には「不動岩」「行者堂跡」「出雲岩」「セリ岩」など、山岳信仰がうかがえる場所がいくつもあるようです。これは出雲岩。(「関西百名山」ブログ様より)セリ岩は、大人がやっとすり抜けられる穴が開います。　(「あの山この山」ブログ様より)胎内潜りと同じで、ここは信仰上大変重要な場所だったと思います。登ってみたいとは思うのですが、「足で登る」のではなく「両手両足で登る」といわれる急坂。しかも夏は山ヒルが大量に出るのだとか。単に下から眺めるだけでしたが、それでも他では得難い絶景に満足して、帰路についた次第です。いろいろあって現在遠出ができず、取材とネタに四苦八苦しておりますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

「雪彦山」・・名前はメルヘンチックな巨大岩峰と賀野神社