滋賀県高島市鵜川に鎮座する白鬚神社（しらひげじんじゃ）は、全国にある白鬚神社の総本社とされています。祭神は猿田彦命で、社伝では垂仁天皇（第11代）25年に倭姫命によって社殿が建てられたのが創建だとされる古社です。社殿背後の山は、神体山の鈴隈山で、頂上部には磐座があるそうですが、禁…… more 足地だと聞きます。しかし、山麓部分にも、こんな磐座がありました。あまりに白い巨岩で、周囲に同質の岩はありません。どこからか運んできたのでしょうね。「白鬚」というと白い鬚の老人を連想しますが、「白」は案外この白い岩と関係があったりして(@_@)この白い磐座の横には、岩戸社があります。ここは古墳の開口部を岩戸として祀っています。羨道部分の上にも磐座でしょうか？古墳の石室と磐座が、本殿背後の傾斜地に並ぶのは、京都府亀岡市の出雲大神宮などと同じパターンです。その神社の実質的な開祖が葬られている可能性もあり、ひょっとするとその人物が神格化されたのが猿田彦の神なのかもしれません。　　☆さて、この白鬚神社から湖岸沿いに２㎞ほど西南に、御旅所がありました。かなり厳重な禁足地的扱いのようですから、いろいろ由来があるのでしょう。しかし白鬚神社ホームページをはじめ、いろいろ調べましたが、この御旅所についてはよくわかりません？？ここからは、湖中鳥居が真横に見えました。背後は伊吹山です。近江の厳島とよばれる湖中鳥居ですが、現在の鳥居は再建で、これも由来ははっきりしません。古くは陸上あるいは波打ち際に立っていたともされます。ただ、ホームページには由来＝古来波打ち際に鳥居が見え隠れしていたとも、天下変災の前兆として社前の湖中に石橋や鳥居が突然姿を現したとも言われる。（社伝・社記）湖上交通の盛んな頃、舟でのご参拝の目印でもあったか？とあり、より古くは今のように湖中に立っていた可能性もありそうです。そしてこの鳥居から見えるのは、沖島です。湖の中の島に人が大勢生活しているという、極めて特異な沖島には、厳島神社がありました。安芸の宮島のような水中鳥居ではありませんが、社殿背後には磐座らしい岩盤も見られるなど、なんだかいわくありげ。さらに沖島の背後には、湖東地区の長命寺山や津田山の山塊がそびえていますが、古代にはここも島でした。これは長命寺の影向石です。これらの山には、不思議な磐座や巨石が埋もれています。また琵琶湖沿岸からは、縄文時代の丸木舟がたくさん発掘されました。琵琶湖北部から若狭湾へはわずかに２０㎞ほどしか距離はありません。反対の琵琶湖南部からは、淀川水系で大阪湾へ通じています。イザナギを祀る湖岸の多賀大社をみても、かなり古くから海人系の信仰や文化が流入していた「淡海＝淡水の海」でした。近江の古い神社については、陸上ではなく、湖上からの視点で見ていく必要がありそうです。最後に、ライトアップされた湖中鳥居です。取材とネタもそろそろ限界ですが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

白鬚神社・倭姫命が創建した近江の厳島