厳美渓から車でやってきたのは平泉、天台宗別格本山 毛越寺（もうつうじ）。毛越寺（医王山毛越寺金剛王院）は嘉祥3年（850）慈覚大師円仁が創建、奥州藤原氏二代基衡、三代秀衡が造営しました。芭蕉句碑かなり摩滅しているのですが、左が芭蕉の真筆といわれる「夏草や　兵どもが　夢の跡」。元禄…… more 2年（1689）高館（たかだち）を訪れた松尾芭蕉が、奥州藤原氏と源義経を偲んで詠んだ句です。泰衡に急襲された義経は高館で妻子と共に自害しています。右は文化3年（1806）地元俳人素鳥たちによって建てられた副碑。本堂毛越寺一山の根本道場で、平成元年に建立されました。本尊は平安時代の薬師如来。日光・月光両菩薩の脇侍と四天王も祀られています。南大門跡仁王像が安置されていた毛越寺の正門。礎石12個が完存します。大泉が池池は海を表現しています。見えている中島には二つの橋が架けられていました。毛越寺は特別史跡、特別名勝で、平成23年には世界文化遺産に登録されました。焼失前の伽藍創建時の堂宇、廻廊の基礎、礎石、土塁などが遺されています。築山（つきやま）海岸に迫る岩山を表現しています。開山堂毛越寺の開山・慈覚大師円仁をお祀りし、大師像のほか両界大日如来像、藤原三代（清衡、基衡、秀衡）の画像を安置しています。嘉祥寺（かしょうじ）跡吾妻鏡によると、二代基衡が着工、三代秀衡が完成させたお堂です。本尊は丈六の薬師如来。金堂円隆寺（こんどうえんりゅうじ）跡基衡が建立した勅願寺で本尊は雲慶作の丈六の薬師如来。毛越寺の中心伽藍です。遣水（やりみず）庭園の発掘調査中に発掘されました。遣水の遺構は奈良の宮跡（きゅうせき）庭園を除いては例がなく、平安時代の遺構としては唯一のものです。常行堂（じょうぎょうどう）現お堂は享保17年（1732）の再建。本尊は宝冠阿弥陀如来、脇侍に四菩薩を安置します。美しいです！この常行堂には奥殿があり、秘仏の摩多羅神（またらじん）が祀られていると聞いていたのでちょっと裏に回ってみます。この部分が奥殿ですね。摩多羅神は、円仁が唐から帰国する際に感得して、常行堂の守護神として勧請したと伝わるそうです。33年に一度のご開帳。祭礼は1月20日で、延年の舞が奉納されます。観自在王院跡毛越寺の塀越しに見える観自在王院跡。二代基衡の妻が建立した寺院で、大小二つの阿弥陀堂がありました。洲浜海岸の砂州を表現しています。出島と池中立石（ちちゅうたていし）一方、こちらは荒磯です。飛島の立石は約2m。日本の美しい海岸風景がここに凝縮されていたのですね。池を一周して、御朱印をいただきました。四寺回廊の御朱印帳には「寶」の印です。（8月29日参拝） close

円仁創建、芭蕉の足跡を辿る旅 みちのく四寺回廊(13) 毛越寺