善能寺と来迎院 2019の詳細

善能寺と来迎院 2019
京都を歩くアルバム
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記事タイトル 善能寺と来迎院 2019
概要

←目次  2006年1月27日から毎日更新しています。 ※写真は全てクリックで拡大します。 昨日の雲龍院から次の泉涌寺塔頭に向かいます。その途中にあり、先日の本山の記事で紹介できなかった写真を少し。 下は経蔵の前にある巨大な「解脱金剛宝塔」、新宗教「解脱会」を創始した岡野聖憲が埋…… more 葬されています。解脱会は戦前から泉涌寺・醍醐寺と関係が深く、敗戦によって困窮を極めた泉涌寺を支援しました。 華道「月輪末生流」は泉涌寺長老が家元の流派です。規模は小さいながら10代・20代の若い世代が日々熱心に教えを受け、稽古している活気のある伝統華道だそうです。境内で展示会が開催されていました。 鎮守社がある小山の麓に「華」の石碑があります。おそらく華道に関するものと思われますが詳細は分かりません。 泉涌寺の境内から、大門に戻らず今熊野観音寺に行く近道があり、その途中に塔頭の善能(ぜんのう)寺と来迎院があります。 「善能寺」 創建の詳細は不明ですが、平安時代前期の823年弘法大師空海の開創ともいわれています。稲荷大明神を祀り、もとは西八条北猪熊(二階堂町)にあり、洛陽観音霊場の一つとして崇敬されました。 平安時代前期の平城天皇、嵯峨天皇の勅願寺となり、二階堂(二階観音堂)と称して、稲荷大神の本地仏・聖観音を本尊としました。(山門が閉まっているので、こちらの門から中を覗きます。) 室町時代の後嵯峨天皇の勅命により、泉涌寺に移り塔頭の一つになりました。後奈良天皇の勅命により、今熊野観音寺の北西に護持院として移転したともいわれています。(山門の内側あたり) 明治の廃仏毀釈により荒廃しましたが、1887年現在地に移り再興されました。 本堂の「祥空殿」は、航空機事故の犠牲者の霊を慰めるために、遺族篤志家・谷本氏の寄進により1971年に建立されました。 左は稲荷大神を祀る「日本最初稲荷神石社」で、空海が祀ったといわれています。右は弁財天です。 向かいに「来迎院」があります。大同元年(806)弘法大師が唐土で感得した三宝荒神を奉安して開かれたと伝えられています。後の鎌倉時代1218年、藤原信房が帰依して寺は興隆しました。 400年後の健保6年(1218)、月翁智鏡長老が堂宇を開創して泉涌寺子院としました。  文明の兵火によって灰と化しましたが、天正5年(1577)織田信長により五十石を受け、慶長2年(1597)前田利家により再建されました。 徳川氏も別朱印として百国を寄せ、朝廷の御安産の勅願所とされて禁裡御菩提所の別当となりました。「本堂」 本尊の「阿弥陀三尊像」、霊元天皇の念持仏「幻夢観音菩薩坐像」、大石内蔵助の念持仏「勝軍地蔵大菩薩」が祀られています。内蔵助は勝軍地蔵に大願成就を祈念したといわます (後で写真があります)。 本堂の横に石段や祠があります。石段の上の「広幅殿荒神堂」は来迎院の鎮守社で、木像荒神坐像一躯、木像護法神立像五躯(共に重文)が安置されています。 上の写真の右にある祠の中に、弘法大師が独鈷で掘り当てたといわれる独鈷水が湧いていて、泉山三名水の一つです。 前に弘法大師像があり、その横に「祈願の御石」が積まれています。願い事を書いた御石を持って大師像の周りを3度巡ります。その後で石碑に書の梵字に御石をあてて祈念して修めるのだそうです。 荒神堂の前まで石段を上ります。荒神とともに祀られている護法神はその眷属(ボディーガード)で武装をしています(国立博物館寄託)。 荒神像は下の写真の右の「三宝大荒神」で、胞衣(ゆな)荒神とも呼ばれ、安産の守護神として信仰されてきました。鎌倉時代作といわれ、唐風衣冠束帯に、袴、沓を履いて座る像は珍しいそうです。 上の写真の左が本堂に祀られている勝軍地蔵大菩薩です。横に石舟(宝船)があり、たくさんの布袋の伏見人形が乘っています。昔の京都の家では台所に布袋人形を祀り、家内安全を祈り毎年より大きい人形を加えたそうです。 今でも古い町家で大きくなっていく布袋人形が見られるそうです。しかし多くの家では置き所に困り、古い布袋人形をここに納めたのだと思われます。 元禄14年(1702)大石良雄(内蔵助)は、赤穂を退き山科に浪宅を構え、当寺の檀家となりました。 風雅の人であった内蔵助は茶室「含翠軒(がんすいけん)」を建て、お茶を楽しむとともに、同志と仇討の密議を行ったともいわれています。(向うの庫裏は「含翠の庭」への拝観入口です。) 茶室は赤穂浪士談合所という別名があります。以下の3枚は過去の写真で、紅葉がすすんでいます。 「含翠の庭」は大正時代(1912-1926)玄暁により作庭された池泉回遊式庭園で、心地池、円形の苔地があり、石塔、燈篭などが立ち、紅葉の名所になっています。 「伽藍石の蹲踞(つくばい)」 お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。 ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→ -------------------------------------------------------------------   close

善能寺と来迎院 2019
サイト名 京都を歩くアルバム
タグ お寺
投稿日時 2019-11-09 16:01:03

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