「蛇頭岩」と呼ばれているこの巨石。いかがでしょう、蛇の頭に見えるでしょうか？背後から見ます。これは、たまたま山中にぽつんと存在するわけではありません。岡山県倉敷市にある王墓山丘陵の南端、真宮神社本殿の背後に位置していました。王墓山丘陵の北側には、全国最大級の弥生墳丘墓である楯築墳…… more 丘墓があるなど、吉備はおろか日本の古代史上極めて重要なエリアにある、謎めいた巨石なのです。周囲には、このように古墳の石室が一部露出していますが、蛇頭岩は古墳とは違うようです。この場所には、さらに重要な意味がありました。下の地図をご覧ください。神秘の古代遺跡を秘めた、吉備中山周辺です。まずは四か所のオレンジ色☆ポイント。右上から、吉備津彦神社前交差点・吉備津彦神社一の鳥居・随身門・本殿となります。本殿正面から、市街地の道路にまで直線でつながるこのラインは何か？備前国一宮　吉備津彦神社のホームページの境内ガイドには、いきなりこう書かれています。当神社が夏至の日に太陽を真正面から迎えるよう鎮座している・・・さらにホームページを読むと、詳しく記されていました。夏至（太陽の力が最も強い日）の日出には太陽が正面鳥居の真正面から昇り神殿の御鏡に入ることから｢朝日の宮｣とも称されてきました。この事は古代太陽信仰の原点、太陽を神と仰ぎ日本民族と人類の豊穣発展と幸運を祈る神社として吉備津彦神社が創建されたことを象徴しています。つまり、上のラインは夏至の日の出ラインなのです。そう言えば、伊勢神宮では五十鈴橋に冬至の朝日が昇ります。夫婦岩は夏至の朝日。吉備中山の夏至ラインがいかに重要かと言うと、反対側の左下(西南)へ延ばすと、神体山である吉備中山の頂上付近(黄色の☆)を通って、何と吉備津神社(紫色の☆)へ達するのです。頂上には、八大竜王が祀られています。これは社殿が流麗な吉備津神社です。つまり吉備中山頂上の両側には、夏至線に沿って、備前国一宮　吉備津彦神社備中国一宮　吉備津神社が見事に位置します。「備前と備中」、「吉備津彦と吉備津」という、よく似た名前のお社ですが、それぞれの国の「一の宮」という高い格式です。「一の宮なんて、ふつうその国の真ん中あたりとかに鎮座してる雰囲気なのに、なんでここではご近所にふたつもあるのか？」なんて不思議に思う方もおられるでしょうが、太陽信仰にかかわる計画的な配置構造だったわけですね。(諸説あるのでしょうが)　　☆そこで重要な疑問。左下へのラインをさらに伸ばすと、いったいどこへ達するのか？その答えが、王墓山丘陵の南端、真宮神社付近なのです。(紫色の？マーク)冒頭の「蛇頭岩」と吉備中山の「八大竜王」に関して思い出すのですが、ボンボン岩のこの岩が「蛇頭岩」の一種であるなら、これは神武という始祖伝説の直線上に組み込まれていることになります。さらに下の「蛇石」は、イザナギ・イザナミという始祖神伝説の直線上にある近江の荒神山に位置します。あるいは奈良の三輪山の神は蛇体で現れるのですが、聖なる神体山である三輪山麓の崇神天皇皇居跡(磯城瑞籬宮跡)から見る冬至の夕陽は、初代神武天皇の陵墓たる畝傍山に沈みます。同じように、吉備の聖なる神体山、吉備中山から見る冬至の夕陽は、蛇頭岩のある王墓山丘陵へ沈みます。三輪山≒吉備中山大神神社≒吉備津神社そして冬至の日没方向には、畝傍山≒王墓山丘陵さらにどちらにも共通するのが龍蛇信仰。意外にもヤマトと吉備が、どちらも同じ信仰原理であることが分かります。もし今まで述べた推理が正しいなら、そして蛇頭岩が、龍蛇信仰のシンボルとして配置された古代の巨石信仰の一種だとしたら、そこにはまだ知られざる深い謎が隠されていそうです。ネタ不足で困っていますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

間宮神社と「蛇頭岩」と吉備津彦神社・古代巨石太陽信仰と龍神の深い謎！