前回の続きです。三重県総合博物館にて「三重の仏像」展を観たあと、このまま帰るにはもったいないので、津駅周辺の寺を拝観することにしました。駅周辺で昼食をとり、午後から向かったのは津駅から歩い10分程歩いたところにある四天王寺というお寺です。「四天王寺」と言えば大阪のイメージしかあり…… more ませんでしたが、聖徳太子は全国に四つの四天王寺を造ったとのことで、ここもはそのうちの一つだということです。共通点は名前だけでなく、いずれも太平洋戦争中に空襲被害にあっているという悲しい歴史もまた共通しています。大阪・四天王寺の堂宇もそうですが、こちらの本堂も戦後に再建された建物で、コンクリート造りのお堂となっています。こちらのご本尊は薬師如来です。本堂中央には比較的に新しい綺麗な像が鎮座されていました。空襲被害により旧国宝（現行法では重要文化財）に指定されていた仏像５体は焼失してしまったとのことですので、このご本尊もまた戦後に作られたものだと思われます。実はこの日の午前中に「三重の仏像」展にて、四天王寺の薬師如来坐像（重文）を拝観させていただいてきたのですが、その像はご本尊とは別の薬師様です。戦災をくぐり抜けた貴重な像で、1077年に定朝により造られたと伝わるもの。普段はご本尊に向かって右側にある厨子に安置されているようです。さて本堂の拝観を終えたら、境内を散策。山門近くにはお稲荷さんの社がありました。一方、本堂南に隣接する墓地の方に目を向けると、モミジが綺麗に色づいておりました。その墓地の一段高い場所には織田信長の生母である花屋寿栄禅尼の墓がありました。本能寺の変の後、信長の弟・信包をたよって津に移り、この地で亡くなったのだそうです。境内の紅葉を楽しんだら、次のお寺へと向かいましただ、その話はまた次回。こちらはいただいた御朱印です。「醫王殿」（いおうでん）四天王寺（してんのうじ） 見仏メモ■所在地：三重県津市栄町1-892■山　号：塔世山■宗　派：曹洞宗■本　尊：薬師如来■創　建：聖徳太子（7世紀頃）■拝観料：なし■公式HP：【三重県津市　四天王寺】■今回見仏した御仏　　・薬師如来坐像■地　図　 close

三重にもあった四天王寺