倉敷駅の北西、イオンショッピングセンターが見える高梁川の堤防を走っていると、大変気になる景色を発見しました。川向こうに、こんもりと均整のとれた里山があり、どうも参道の石段らしきものが頂上付近まで続いています。しかも山には岩があちこちにあるようです。見る角度が変わると、均整の取れた…… more 二つの山がうまく重なっています。神々の聖なる山らしき雰囲気です。さらに望遠で見ると、中腹に洞窟らしきものまで見えています。これは、神体山とそれを祭祀する神社ではないのだろうか・・・・日本の神社信仰の原点は、大和の三輪山に代表される神体山信仰と磐座信仰だと言って大きな間違いはありません。もちろん、「いや、菅原道真を祀る天満宮・天神信仰のように、日本の神社には人を祀るという起源もあるはずだよ」という意見もあるでしょう。しかし、たとえば「日本最初の天神様」がキャッチフレーズの防府天満宮は、明らかに神体山信仰がその基盤にあります。古くからの聖地だからこそ、道真を祀る場所としてもふさわしいと考えられ、信仰が新たに引き継がれたというパターンも多いはずです。というわけで、ここも典型的な原始信仰の聖地ではないかと推理し、宿に帰ってから調べました。すると、きれいな山は八幡山、頂上付近の神社は川嶋ノ宮八幡神社本宮で、イオンの近くには里宮が鎮座することがわかりました。この山には何があるのか？　あの洞窟には行けるのか？磐座や巨石信仰を研究する方は結構おられます。しかし、神体山そのものを研究されている方はほとんどないように思えます。景山春樹さんの『神体山』（学生社・1971年）以来、それほど研究が進んでいないように感じるのです。 ましてや、八幡山と川嶋ノ宮八幡神社本宮を、神体山の観点から踏査した方もなさそうでした。　　☆ ・・・・ というわけで、他の予定をキャンセルし、翌朝にさっそく訪問しました。イオンのある左岸と違って、右岸はほとんどひと気がありません。家も店も、自動販売機さえない寂しい堤防沿いを走り、迷いながらもなんとか参道下に到着。真新しい石段が、きれいに続いています。かなり長いのですが、ちょうど上りやすい石段で、お年寄りでもゆっくりならお参りできそうな感じがしました。途中で振り返ると、倉敷市街が遠くに見えました。境内に到着です。本殿の背後には、いかにも整った姿の山が見えます。三輪山や太郎坊山と同じ、神体山信仰だと確信。境内の掲示写真を見ると、まさに神体山とそれを祀る神社の関係です。本殿裏の急な斜面には、気になる巨石が危なげにとどまっています。ひょっとすると、本来のご神体かもしれません。由緒の説明板です。主祭神は、比売大神（三女神）・品陀和気命（応神天皇）・息長帯比売命（神功皇后）。そして、予想したことがズバリ書かれていました。高梁川の河口を扼す川嶋（日本書紀）の最高峰八幡山は流域の民を守る神体山として竜神信仰に始まり、次いで多産豊穣を象徴とする比売神信仰に移行した最古の信仰形態を伝えてきた神体山・龍神信仰・最古の信仰形態と記される、由緒正しきお社はそうそうありません。磐座信仰については何も書かれていませんが、神体山なら必ず磐座があるはずです。洞窟らしきものも下から見えましたから、もうこれはフル装備の原始神道。よく見ると、本殿の左側から、道が続いています。この先には何があるのか、当然ながら奥へと進みました。はたしてこの先には、何があるのか？つづくネタ不足で困っていますが、三つクリックしていただくと大変励みになります。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

川嶋ノ宮八幡神社・倉敷に残る神秘のお社