これは、京都嵐山の渡月橋から見る愛宕山です。標高924mの山頂には、全国約９００社を数える愛宕神社の本社とされるお社が鎮座しています。今日あたりの雨で、神社境内の雪も溶けているかもしれません。大宝年間、修験道の役小角と泰澄が愛宕山に登った時、太郎坊天狗の神験に遭って朝日峰に神廟を…… more 設立したのが、霊山愛宕山の開基と伝わっています。また修験道七高山の一つともされ、京都では「伊勢へ七たび　熊野へ三たび　愛宕さんには月まいり」と言われるほど重要な伝統信仰の山なのです。大阪や兵庫の山間から、はるか遠くに京都の愛宕山が小さく見えることがありますが、京都の右京区に住む人間なら、ほぼ確実に愛宕山と識別できるでしょう。上の写真は麓に近付きすぎてかえって分かりにくいのですが、遠くから見ると三角形が飛び出した頂上部が印象的なのです。八合目や九合目辺りから頂上が突出した霊山は結構多くて、天孫降臨の高千穂峰などもその典型だと思います。さて、愛宕山は古くから火伏・防火に霊験のある神社として知られています。奈良県山辺郡山添村菅生にある小さな「愛宕神社」も、消防用の半鐘が立っていました。巨石・磐座信仰と愛宕信仰の関係も、未だ検証されていない重要な課題です。　　☆さて、兵庫県丹波市氷上町にも、山頂に愛宕神社がありました。その山が、権現山とよばれる、見事なカンナビスタイルの里山なのです。まさに神が降臨するにふさわしい山です。望遠でよく見ると、不思議な形の巨大な立石が見えます。　これは絶対知られざる巨石・磐座信仰があるはずだと確信して、登ってみました。さて、ここには何があったのか・・・・　　☆登山口はちゃんとあるのですが・・・・去年の台風のせいか、登山道は荒れ放題。おそらく濁流が刻んだ谷状の山道は、悲惨なまでに登りにくいのです。これは、歩きやすい本来の登山道です。それでも枝につかまりながら３０分ほど登ると、こんな岩がありました。下から見えていた岩でしょうか？何とも不思議な割れ方です。この岩で思い出したのが、愛宕山太郎坊天狗の名を冠した、滋賀県の太郎坊山です。なんとなく山容が似ています。そして愛宕神社ではありませんが、こんな巨大な割れ目がありました。なんだかパターンが似ています。「奇しき岩に神が宿る」という原理から言えば、氷上の立石にもかつては巨石信仰や磐座信仰があったと推測できます。さらに急坂を登りました。すると頂上部には、意外に小広い平地があり、山奥側に愛宕神社がありました。広場の反対、平野部側には巨大な露岩がどっしりと腰を据えています。頂上から麓へは、いくつかの巨大な露岩が並んで下へと繋がっています。そして、先ほどの割れた岩に至ります。　　☆何度か滑りながらも下へ降りると、　こんな神社が山麓にありました。そして、磐座と思しき立石。本殿の奥にも、いわくありげな巨石群が散見できました。山頂から見下ろす平野部の向かい、氷上町石生には、山中の巨石祭祀で知られるいそべ神社もあります。ここでふと思い出したのですが、そういえば、福島県二本松市上川崎にある愛宕神社にも、奇妙な巨石信仰がありました。ここも山の上にある巨石で、奇妙な割れ目があります。愛宕神社における不思議な共通性には、なにか深い意味が込められているのでしょうか？なんとか記事を続けています。三つクリックしていただくと大変励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

京都の霊峰愛宕山と氷上の愛宕神社・知られざる神体山がここにも