まずは、京都府木津川市山城町の谷山不動尊を紹介します。ＪＲ奈良線の棚倉駅から北東へ、不動川をさかのぼった山間に、こんな場所があります。病気に霊験あらたかともいわれる、谷山不動尊です。石段を上ります。覆堂の中には、弘法大師作とも伝わる不動像が彫られています。災難除け、開運、病魔除け…… more の不動尊として知られ、今も信心深い参詣者がおられるようです。その横には、陰石かとも思える巨大な露岩。愛知県小牧市、熊野神社の五枚岩などから類推すると、もともとは原始神道系の磐座として祀られていたのでしょうね。これが五枚岩。なお、摩崖仏の手前には、こんな古い建物もありました。もはや現在は使われていないようでした。　　☆ここへ上る石段の途中に、こんな岩がありました。立てかけた岩は、しばしば古い神社の磐座として見たことがあります。単なる落石かとも思いながら、気になって奥へと進むと・・・地形的には、かつてお堂などがあったと推測される平らな場所があり、素朴な石造物なども見えます。周囲は荒れていて、すんなりと近づけそうにありません。しかし、無意識のうちになぜか足が動き、道なき道をさらに奥へと進みます。そこにあったのは、崩れた鳥居。祠も見えます。お参りする人も、もはやなくなったのでしょう。何とも言いがたい寂寞感が漂っていました。やはり過疎化や少子化、さらには若い人の宗教観の変化によって、なかなか維持管理は難しい時代なのだと思います。　　☆以前、反響がけっこうあったのが、兵庫県洲本市安乎町平安浦の岩戸神社(いわんどじんじゃ)廃跡です。単に、洞窟の奥にあるだけのお社ではありません。暗い洞窟なのに祠が明るいのは、洞窟奥の左上に、巨大な窓のように岩が割れ、空が見えているからです。ここには、こんな伝説が語られていました。この岩戸神社は以前、龍が神様を守っていた。その龍が留守をしている間に地元の人達が神様を安乎八幡神社へ移動した。そうとは知らずに戻ってきた龍は、いつか神様が戻ってくるはずと信じて、今も神様のいなくなった祠で待っている。しかしそれを知った地元の人達は、神輿祭りの時には、ここへ立ち寄って神様と合わせてあげている。安乎八幡神社へ合祀されたのは、やはり信仰の担い手が減ったからだそうです。ここは、日本の伝統信仰・伝統文化にとって大変重要な場所であったと私は思います。打ち捨てられたようなお社が、これからもこの国に続々と出てくることでしょう。交通の便が良い、美しくきらびやかな神社がパワースポットとしてもてはやされ、古い信仰形態を残す土俗的な地方のお社がひっそりと消えていく・・・。なんだかとても残念な気がします。なんとか記事を続けています。三つクリックしていただくと大変励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

消えゆく神社と谷山不動尊