奈良の春日大社は、日本でもっともよく知られているお社のひとつでしょう。20年に一度、社殿を美しくする「式年造替」はこれまで60回を数え、60回を越えるのは「伊勢神宮」と「春日大社」だけなのだそうです。朱色鮮やかな社殿だけでなく、地味ながら磐座等もしっかりあります。境内には平安時代…… more より奉納の始まった約３０００基の燈籠があり、古くは３００年以上の時を経たものも多くあります。そもそも社寺の参道に燈籠を並べる風習は春日大社から始まったのだそうです。燈籠には毎晩火が入るため、電気のなかった昔には、そのゆらめく灯明群が神秘的な神の世界を象徴していたことでしょうね。　　☆春日大社の「創建神話」は、鹿島神宮の神である武甕槌命が白鹿の背に乗り、御蓋山の「浮雲峰」に天から降り立ったというものです。この御蓋山は神体山のため、平安時代に狩猟伐木禁止の太政官符が朝廷より出され、現在まで原生林として保たれています。これは、隣の若草山から見る御蓋山です。もちろん聖なる「浮雲峰」は禁足地で、一般参拝者は立ち入ることができません。しかし、最も近寄れて、その雰囲気が伝わってくる場所がありました。それは、御蓋山浮雲峰遥拝所（みかさやまうきぐものみねようはいしょ）です。「神の山」としてこれまで約1300年に渡り深い信仰の対象となってきた御蓋山浮雲峰へ向けて、祈りを捧げる空間となっています。そしてよく見ると、まるで大蛇のように曲がりくねった木の間に、新旧の土器・土師器などが見られます。いかにも祭祀空間という、張り詰めた聖地感が漂っていました。私たちは日ごろ、神社の神様あるいはご神体は、立派な社殿の中だと思いがちです。しかし本当の伝統信仰では、このような場所こそが聖なる場、神様に近い場だと思われていました。独立峰ではないため、下から見ても実際にはどこが御蓋山浮雲峰かわかりにくいのですが、このパターンは京都の松尾大社なども同じです。松尾大社は京都の土着信仰に秦氏が相乗りしてきましたが、御蓋山は奈良の土着信仰に藤原氏が相乗りしてきたものだと私は思っています。ひょっとすると、案外物部系の聖地だったかもしれません。春日大社に参拝されることがありましたら、太古の信仰の雰囲気を残す、この遥拝所へもぜひお越しください(^^♪なんとか記事を続けています。三つクリックしていただくと大変励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

春日大社の創建神話・最も神に近い聖地を実感！