岩屋や岩陰は、日本で最も早くから霊地・聖地とされた場所で、遺跡もたくさん発見されています。例えば、佐世保市の福井洞窟。社殿の周囲から3万年以上前の石器が出土するなど、旧石器時代終末期から縄文時代草創期の遺跡であり、考古学上きわめて重要なものです。次は、同じ佐世保市の岩下洞穴です。…… more ここは縄文時代草創期から古墳時代にかけての遺跡で、縄文早期から古墳時代までの遺物が出土しました。特に縄文早期の遺跡部分から、頭や胸に石を乗せた埋葬人骨や磨製石器を副葬した埋葬人骨など、20体を超える埋葬人骨が確認されています。さらに、岐阜県下呂市金山町の岩屋岩陰遺跡は、巨石信仰と縄文遺跡で知られています。また、文献に不思議な伝説が残る場所としては、島根県の猪目洞窟。「出雲国風土記」にはこう記されます。夢にこの磯の窟の辺に至れば、必ず死ぬ。故、俗人古より今に至るまで、黄泉の坂、黄泉の穴と名づくるなりつまり、夢で猪目洞窟を見た者は必ず死ぬ、ここは黄泉の穴であると記される、神秘と恐怖の洞窟なのです。1948年の漁港修築工事に伴い、同洞窟内の土砂を採掘中、弥生時代から古墳時代にかけての人骨を十数体発見。1700年前の女性の白骨が状態よく残っていたという特異な遺跡です。腕には貝和がはめられ、稲籾入りの須恵器などの副葬品が埋められていたそうです。また木器、貝類、獣骨、灰なども見つかっていて、その遺物は現在出雲市大社町の公民館に保管されています。これは猪目洞窟から見た外側の海です。対岸にも怪しげな洞窟が・・・　　☆　　さて、和歌山県田辺市に、こんな場所がありました。小さな信仰はあるようですが、特に説明板のようなものはありません。ただの奇妙な浸食地形なのでしょうか？何とも不思議な表面ですね。ところがこの奥に、磯間岩陰遺跡（いそまいわかげいせき）がありました。さっきの場所からは民家があって通れないので、大通りの案内に従って、住宅街の細い道を大回りして近づきます。迷路のような路地の奥にあったのは、まさに岩陰遺跡でした。ここは古墳時代の岩陰内集団墓で、1969年（昭和44年）11月に岩陰内で人骨や須恵器などが発見され、翌年には13体の人骨も発見されています。出土品です。（ウィキペディアより）ただし、ここには鳥居も神社もありません、つまり、この遺跡は単なる古い墓に過ぎないということになります。はたして、そうでしょうか？　　☆磯間岩陰遺跡は、ほぼ南北に細く突き出した丘陵の西側にあります。では、その反対側、つまり東には何があるのか？そこには、日吉神社が鎮座していました。丘陵の南端は、県道２０６号線に面しています。それがここ。巨大な岩盤が突き出ています。通常、こんな目立つ岩盤の横に鳥居があれば、もともとは磐座信仰から発したお社だと推測されます。正面から見て、この岩の左奥が先ほどの遺跡で、右奥が日吉神社。その社殿は、この丘陵を石段で上がったところにありました。つまり遺跡の上は、ほぼお社の境内なのです。ちなみにこれは、日吉のお社らしいコマ猿？巨大な岩の丘陵と、両側の遺跡・神社。となるとこの丘陵全体が、古くから何か特殊な意味を持つ聖地・霊地であった可能性出てきます。実はここから真東へまっすぐ進むと、紀伊半島を横断した東端に、ゴトビキ岩と阿須賀神社が位置しています。熊野権現は、この間を移動しています。ここ西端の田辺でも、実は不思議なモノと神様の移動がある事がわかりました。つづくこの暑さで取材は大変ですが、細々と続けております。三つクリックしていただくと大変励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

磯間岩陰遺跡と日吉神社・奇妙な岩肌から見えてくるもの