伊勢神宮に隠された浦島太郎と朱蒙の知られざる関係の詳細

伊勢神宮に隠された浦島太郎と朱蒙の知られざる関係
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記事タイトル 伊勢神宮に隠された浦島太郎と朱蒙の知られざる関係
概要

前回は、浦島太郎と龍宮の話でした。『丹後国風土記』逸文では、筒川の嶼子が五色の亀に出会うところから話が展開しました。なかなかインスタ映えするご両人。一方こちらは、同じ丹後半島の反対側にある、京丹後市網野町の嶋児神社。みんなが知ってる、亀に乗った浦島太郎さんですね。特にイケメンでな…… more いところが、なんだかほっとします。さて、「龍宮」とは、言うまでもなく「龍神の宮」です。元伊勢籠神社が龍に関係が深いことは、「籠」という字は、上の竹カンムリを取れば正しく「龍」となります。すなわち同社は、龍神社といってもよいだけの縁起を持っているのです。という現宮司様の言葉からも明らかです。(『元伊勢籠神社の略誌と神道哲学』P.20)さらに、次のようなことも書かれています。古代には表日本であったといわれる日本海域で、水軍、航海、漁撈、製鉄文化の開発等で活躍した海部集団は、その祖神彦火明命と共に、海神を海上の守護神として戴いておりました。この海神は人間界に現れる場合に、普通三つの姿をとるといわれております。そしてこの文の後、その三つの姿の具体例として「乙姫」が明示されていました。日本で最も古い部類の浦島伝説である『丹後国風土記』の浦島太郎は、龍宮城ではなく、常世の島に渡りました。籠神社の奥宮である冠島は、別名常世島とも呼ばれて彦火明命とそのお后市杵嶋姫命を祭る海の奥宮でもあります。浦島太郎と籠神社の関係は、確実に深いようですね。さらに重要なことは、籠神社境内のこの像です。(ウィキペディアより)これは、亀の背に乗った倭宿禰の像です。海部宮司家第四代の椎根津彦は、神武東征の途中に、明石海峡(速吸門)に亀に乗って現れます。そして神武天皇を先導して浪速、河内、大和へと進み、大和建国の第一の功労者として、神武天皇から倭宿禰(やまとすくね)の称号を賜ったとされます。つまり海部宮司家の祖先は、神武伝説において亀に乗っていたのです。浦島太郎の姿と重なりますね。この時の亀の実物?が、岡山市東区水門町の亀石神社にありました。神社由緒では、神武天皇が東征で速吸門に至った時、大きな亀にのった釣り人(字豆毘古命)が現れて案内をし、そのときの亀が岩となったと伝えられます。 亀石の長さは2m弱で、この玉垣の中にある小石でイボをこするとイボが落ちるといわれ、お礼に石を倍にして返す民間信仰が残っているそうです。  ☆ここで思うこと。元伊勢籠神社に伝わる浦島太郎の伝承や神話は、後の伊勢神宮そのものにも、何か影響しているのではないか?伊勢神宮に隠された浦島太郎?・・・・そんなもの聞いたことがない、あるわけないよという声が聞こえてきそうですね(^^♪いや、それがあるかもしれないのです。ではいったい、伊勢神宮のどこに浦島太郎の神話が隠されているのでしょう。私がこれではないかと思うのが、外宮の亀石です。この亀石には、謎めいた盃状穴がありました。ちなみに、籠神社と「元伊勢本家争い」があるとも聞く、福知山市大江地域の「元伊勢三社」のひとつ、外宮とされる豊受大神宮にも、盃状穴を見つけました。盃状穴は、長い石段の中の、誰しもが踏み通る二段目にありました。もちろん時代は不明で、伊勢の外宮の亀石と関係があるかどうかははっきりしません。しかし、何か共通性を感じるのは、私だけでしょうか。  ☆伊勢神宮の冬至の朝日。冬至の赤い夕日が最後にうっすら差し込む「天の岩戸」こと高倉山古墳の石室。内宮を拝むと、これも同時に拝することになるといわれる、背後の巨大磐座。このように、伊勢神宮には用意周到に計算された配置があちこちにあります。ならば、外宮の正宮前という重要な水路にかかる亀石が、「たまたまテキトーな平石があったから使っただけ」というような、安易なものであると考える方がおかしいと思います。何か深い理由があったと考えるのが妥当でしょう。  ☆実はこの亀石、比較神話学の観点からは、単なる偶然とは言えない重要な問題をはらんでいました。大林太良は、こう書いています。『古事記』によると、神武東征の軍が速吸の戸を通るとき、亀の背に乗ったサオネツヒコ(槁根津日子)が現れ、東征軍の水案内をした。かつて江上波夫は、このエピソードを高句麗の朱蒙が建国する場合に川を渡るとき、亀が現れて橋をつくり、その上を渡っていった話と比較した。これは極めて適切な比較であると言ってよい。(『日本の神話』大林太良 講談社学術文庫版P.119)朱蒙・・・それは、いわば高句麗の神武天皇です。韓流歴史ドラマ好きの方はよくご存じでしょうね。ケーブルテレビの番組ではおなじみです。『朱蒙 -チュモン- Prince of the Legend』は、2006年5月15日から2007年3月13日まで韓国MBCで放送されたテレビドラマで、平均視聴率はなんと40.98%。韓国テレビドラマ史上4位の記録なのだそうです。誰からも見下されていたチュモンが幾多の出会いと試練を重ねるうちに大きく成長し、やがて扶余を旅立ってタムル軍を再組織、漢との壮絶な戦を勝ち抜き、高句麗(コグリョ)の偉大な初代大王として歴史に名を残すまでの軌跡が描かれています。一方、日本と関係が深い百済は、その出自が夫余(扶余)であり、高句麗と同族であるという神話を持っていました。江上波夫への評価はともかく、大林太良が指摘したように、日本と朝鮮との建国神話でどちらも「亀に乗る」ことが重要な役割を果たしていることは、かなり重要な問題をはらんでいると言えます。なお朝鮮神話に詳しい方は、「原文は『魚鼈』の表記であり、亀だけではない」と思われたかもしれません。しかし、慶尚北道生まれの申来鉉さんによるこの本には、「魚鼈」に「かめ」と読み仮名が書かれています。さらにもう一つ重要なこと。伊勢外宮では、多賀宮などと共に、「天の岩戸」である高倉山の石室に上るには、誰もが正宮前にかかる亀石を踏んで行かねばなりません。ところが、そもそも日本神話の「天の岩戸」について、大林太良は扶余・高句麗系の建国神話は、その一面においては日本の宇気比・天岩屋神話と大きな構造の類似を持っていると明確に指摘しています。  ☆日本と高句麗の建国神話が似ている・・・嫌韓感情が強い現在では、なかなか心理的に受け入れがたいものがあると思います。「伊勢神宮は日本人の心の故郷であり、日本古来・日本独自の尊いお社なんだ」と、そう思いたい気持ちを持つ人も多いかと思います。しかし、日韓の古代関係や歴史を韓国人と議論した時、建国神話の類似性その他について「なんだそんなことも日本人は知らないのか。やはり日本人の歴史認識は幼稚で間違っている」と言われるかもしれません。それは極めて残念です。そんな時には、「日本も朝鮮半島も、北方ユーラシア文化(あるいはアルタイ系神話)の影響を受けているから、お互い多少は似ているところがあって当然だよね。もともと日本は昔からグローバルに諸外国の文化を積極的に取り入れてきたから。そうそう、伊勢神宮の亀石は、朱蒙神話と共通点があるなんて面白い意見までネットにはあるくらいなんだよ」と笑って話せる余裕も必要ではないかと、我田引水ながら思う次第です。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

伊勢神宮に隠された浦島太郎と朱蒙の知られざる関係
サイト名 神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
タグ 神社 神話 伝説
投稿日時 2020-11-05 15:20:04

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