京都府福知山市大江町の皇大神社は、元伊勢三社のひとつで内宮とされます。天照皇大神（あまてらすすめおおかみ）を祀る古社です。これは門前の風景です。明治期まで、年間の参拝者が８万人と記されており、麓には宿屋が１０軒もあったそうです。そして茶屋、土産物店が軒を並べていたとか。今は静かな…… more 家並みですが、かつての賑わいが蘇る気がします。やはり名前だけの「元伊勢」ではなかったようです。では石段を上ります。参道石段の途中に、こんな場所がありました。厄除けの御門神社です。おや、カネのなる石？よし、ここでお参りして宝くじを買おうと近づくと・・・残念ながら、石でたたくとキンキンと金属音のなる石でした。説明はありませんが、祠の周りには白く目立つ立石や洞窟状の穴など、どうもいろいろ訳アリのような気がします。さらに進んで、これが本殿です。珍しい黒木の鳥居でした。千木は内ソギで堅魚木は１０本。左右に棟持柱があります。基礎に台石を用いる他は、伊勢神宮の古制と同じです。また、神宮は２０年毎に遷宮がありますが、当社には６０年毎の式年造替の定めがありました。本殿の両側、左殿（向かって右）は天手力雄命（あめのたぢからおのみこと）を祀り、右殿（向かって左）は栲機千々姫命（たくはたちぢひめのみこと）を祀ります。周囲には８０余の小宮が前後左右を囲んでいました。皇大神ゆかりの摂社の他、全国一宮など有験の社を集め、八方詣（八方除参り、八方開き参りともいう）などの信仰があるそうです。かつてここでは、節分の夜に裸参りの風習がありました。そして一つ一つの小宮にお参りして四方八方の厄を取り除き、新しい年（立春）を迎えたそうです。本殿の横にあるのは、樹齢２千年と伝えられるご神木です。節分の夜の丑三つ時、この巨木の梢に龍王が神灯を捧げるという神秘な伝説がありまとた。その灯は、下枝から次第に上枝へと昇ってやがて天に至ると伝えられています。この杉の根元にあるのは、龍神の磐座です。さて、皇大神社の由緒にはこう記されます。伝承によれば、第１０代崇神天皇３９年（西暦紀元前５９年）に、「別に大宮地を求めて鎮め祭れ」との皇大神の御教えに従い、永遠にお祀りする聖地を求め、それまでお祀りされていた倭笠縫邑（現奈良県桜井市三輪）をお出になったといわれます。まず最初に但波（丹波）へお遷りなり、そのご由緒により当社が創建されたと伝えられています。皇大神は、当地に４年お祀りの後、さらに諸所を経て、垂仁天皇２６年（西暦紀元前４年）に、伊勢の五十鈴川上の聖地（今の伊勢神宮）にお鎮まりになりました。さらに、神社ホームページにはこうも記されます。２千年前には、この地は大江山を中心とする丹後山地の大原生林の一角で、人跡未踏の秘境であったと思われます。庶民の参拝が始まったのは鎌倉・室町・戦国の頃からと推定されますが、徳川時代には参勤交代の通路になったため、宮津藩主の尊崇を受け、急に広く崇敬の輪をひろげました。もともとこの場所は、大原生林であり人跡未踏の秘境だというのです。そんな場所に、なぜお社が営まれたのでしょうか？そのヒントは、下の古図にあるかもしれません。（皇大神社ホームページより）神奈備型の、神々しく美しい山が二つ描かれています。神体山でしょう。そしてその間には、前回記事にした天岩戸神社。この地形は、まさに原始神道における典型的な聖地だったようです。つづく三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

元伊勢内宮 皇大神社・原生林に秘められたお社