長谷寺の奇妙な伝説と藤原氏の詳細

長谷寺の奇妙な伝説と藤原氏
神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
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記事タイトル 長谷寺の奇妙な伝説と藤原氏
概要

何気ない一枚の写真が、実は政財界をゆるがす重要な意味を持っている・・・・これって、文春砲のパターンですよね。伝統信仰分野の文春砲と呼ばれるこのブログでは(だれが言うとんねん!)、今回まずはこれを見て頂きたいと思います。ちょっと新しそうな祠が、岩の台に乗っています。まあ直接地面には…… more 置きにくいのでしょう・・・いえいえ、そう思いがちですが、この岩にはきわめて重要な意味がありました。この写真の場所の10mほど下に、こんな別の岩があります。そこに立つ説明板には、こう書かれています。川向こうの磐座の上に鎮座する八王子者(社?)は、天照大御神と素戔嗚尊との誓託によって、お生まれになった八社の神を祀る神社です。またこの磐座は、八王子社と当社の山神を参拝する場所です。つまり、説明板の下の岩も先ほどの祠の下の岩も、ともに重要な磐座だったわけです。磐座の上に祠や本殿が立つパターンですね。  ☆最初の磐座がどこにあるかと言うと、まずここが長谷寺。その川向うに聳えるカンナビ型の山が、神体山として崇められている与喜山(天神山)です。なお後日記事にしますが、中腹の天満宮には、なんと天照大御神降臨という磐座群があります。で、長谷寺正面から商店街を抜け、川を渡ります。そして天満宮をめざし、長い石段を上ります。その途中にあったのが、冒頭の磐座と祠だったのです。このパターンを見ると、長谷寺本堂の背後にある石蔵権現(いわくらごんげん)の前にある岩と床下の岩が、元々は磐座であったことは確かだと思います。由緒も意味も不明な、知られざる謎の磐座です。  ☆さて、長谷寺のホームページには、「長谷寺験記」に載る何とも奇怪な話が記されています。後一条院の御代(1016~)奈良の春日社の社司に正預中臣信清(しょうのあずかりなかとみののぶきよ)という者がいました。その最愛の息子である信近(さねちか)の足に、蛇目丁(じゃがんちょう)という、発症七日で死んでしまう恐ろしい瘡(かさ)ができました。四日目になっても医術も仏神も効なく、死ぬのを待つばかりでした。父の信清は思いのあまり春日の社に重ねて参って「どうして氏子を一人死なせなさるのですか」と嘆きます。すると、そばに控えていた巫女に神霊が憑依して、「私が氏子を思うことは、お前が父として子を思うことにも超えている。しかし、前世の善悪の報いである定業(じょうごう)は私の力の及ばないことである。ただ、お前はこれを持って長谷に参って嘆き申すが良い」と言って、長さが四寸(約十二センチ)ほどで葉が二つ付いた榊(さかき)の枝を巫女の口の中から取り出して信清に持たせたのです。信清は長谷寺に参り、巫女の口から出た榊の葉を仏前に捧げて祈ります、すると烏が一羽飛んで入って来て、例の榊の葉を取り、行方もわからず飛び去って行きました。その日はもう六日目、母と妻など七、八人が信近の死を待って見守るばかりでした。すると、南の方からまたもや烏が飛んで来て、信近の腫物(はれもの)をつついて五寸(約十五センチ)ほどの小蛇を引き出し、ばたばた動いている蛇を口にくわえ、南に向かって翔び去ったというのです。瀕死の信近は、半時ほど寝入ってから目が覚め、それからは元気になりました。それどころか以後は出世を思いのごとく遂げ、正預(しょうのあずかり)や権預(ごんのあずかり)の位を極めたと言われます。父の信清は喜んで、長谷寺にはじめて九十九間の登廊を建てました。    ☆私が気になるのは、榊(さかき)の枝を巫女の口の中から取り出したという奇怪なシーンです。類例を探すと、日本神話にはこんな話がありました。天照大神は月夜見尊に、葦原中国にいる保食神という神を見てくるよう命じた。月夜見尊が保食神の所へ行くと、保食神は、陸を向いて口から米飯を吐き出し、海を向いて口から魚を吐き出し、山を向いて口から獣を吐き出し、それらで月夜見尊をもてなした。月夜見尊は「吐き出したものを食べさせるとは汚らわしい」と怒り、保食神を斬ってしまった。それを聞いた天照大神は怒り、もう月夜見尊とは会いたくないと言った。それで太陽と月は昼と夜とに別れて出るようになったのである。この神話パターンは、古事記ではオオゲツヒメの神話となり、「ハイヌウェレ型神話」として分類されています。妄想のレベルかもしれませんが、「口からサカキを吐き出す」という神話には、何か底辺でつながる要素があるのではないでしょうか。さらに、これに関係するかもしれない、これまた奇妙な伝説が、大林太良さんの著書である『神話の系譜』に書かれていました。『神明鏡』や『多武峰縁起』には、鎌足が生まれた時に母親の身体から藤花が生じてあまねく日域に満つ夢を見たとか、母親の玉門より藤生い出て日本国に蔓延し花さくとか、不思議な伝説が書かれているそうです。これらから南方熊楠は「藤が藤原氏のトーテムになった」と考えています。さらに加えて、この話はヘロドトスの『歴史』に出るメディア人の王アステュアゲスの伝説との共通点があるのだとか。大林太良さんは「全く奇妙な一致であって、偶然とは思えない」と書かれていますから、いったい藤原氏とは何者?と言いたくなりますよね。  ☆その藤原氏の祀る春日大社には、なんとも不思議な磐座がありました。2015年の春、奈良の春日大社で国宝の本殿が140年ぶりに公開された折、本殿創建に関わる謎めいた白い磐座が初公開されると話題にりました。それは撮影不可でしたが、ほぼ同じ様式の磐座が境内にあったので撮影したものです。色や雰囲気は違いますが、藤原氏の関わる床の下の磐座というパターンは、長谷寺の石蔵権現もこの春日大社も同じです。しかしここには、大っぴらには言いにくい、恐ろしい疑惑が隠れていました。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

長谷寺の奇妙な伝説と藤原氏
サイト名 神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
タグ お寺 独断と偏見の神道論
投稿日時 2021-03-31 15:21:00

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