大阪府三島郡島本町大字大沢にひっそりと鎮座する早尾神社は、早尾大神(猿田彦命)と応神天皇をご祭神とします。貞観2年(860年)、筑紫の南の本より当地に遷座し祀ったと伝えられています。鳥居を潜って拝殿らしき建物まで進むと、その背後に巨石が置かれていました。ははあ、本殿とその裏の磐座…… more （本来のご神体）だな、と思ったのですが、意外にも左側直角方向に石段が続き、その上に本殿がありました。では、さっきの岩は何なのでしょう。特にしめ縄もないことから、磐座とは思われていないようです。次に、小川をはさんで平行する、道路側から見ます。おそらくかつては「禊の小川」だったと思われる水路を越えて階段があり、さらにその先の石段を進むと本殿ですから、本来の参拝パターンはこちらだったかもしれません。川と石段と磐座というパターンは他にもあり、極端な例ではこんなものも。早尾神社の岩も、かつては磐座ではなかったのかと思います。ところでいちばん驚いたのは、この建物の中にあった同心円です。弓を射る祭儀があるのでしょうか？これをご覧ください。日本における太陽信仰の源流の一つとされる、対馬の阿麻氐留（アマテル）神社です。やはり同心円がありました。本殿背面にも。対馬の神社を詳しく解説する、対馬観光物産協会の『対馬神社ガイドブック』には、こう書かれます。中国には、太陽はもともと10個あり、旱魃が起きるため英雄が9つを射落としたという神話がありますが、阿麻氐留神社にも弓で的を射る神事が伝えられており、その関連が指摘されています。太陽神話と弓で的を射る神事のかかわりが指摘されているのです。複数の太陽を射る神話(射日神話)は、中国の『淮南子』に「堯の時に至り、十日並び出づ、禾稼を焦し草木を殺して、 民は食する所無し、堯すなわち羿をして、上十日を射使む」とあるにとどまらず、台湾・インドネシア・ボルネオにも類似神話が伝えられる広域神話でした。またこれは、福岡県うきは市にある珍敷塚古墳の壁画です。これには、死者が太陽の輝く陽の世界から、月の支配する陰の世界へ、鳥の導く船で旅立とうとする姿が表されています。そしてここにも、同心円の太陽がありました。これらは神話学において、ヨーロッパやエジプトの太陽の船との関連が指摘されています。　☆NHKが2014年6月11日に放送した、「歴史秘話ヒストリア　　女王卑弥呼はどこから来た？」　という番組では、卑弥呼の鏡として内行花文鏡が注目されていました。内行花文鏡では、太陽を表す中心部の球体部分から、線が同心円状に広がっています。サイズが大きいので、なかなかの迫力です。実は伊勢神宮の八咫鏡（やたのかがみ）も、これではないかと言われています。「貞観2年(860年)、筑紫の南の本より当地に遷座し祀った」という伝承から考えると、古くは卑弥呼のようなシャーマンと太陽信仰に関わる信仰が、対馬＆北九州周辺からこの早尾神社につたわったのかもしれません。想像すると、ロマンが広がります。（内行花文鏡ならもっとドデカイのですが）四苦八苦のネタ探し、三つクリックしていただくと元気が出ますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

早尾神社（島本）・同心円と卑弥呼の鏡