丹南天満宮(松原市) ・丹南藩の陣屋跡近くにある旧丹南村の産土神の詳細

丹南天満宮(松原市) ・丹南藩の陣屋跡近くにある旧丹南村の産土神
ちょっと気になる! ~大阪発史跡旅~
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記事タイトル 丹南天満宮(松原市) ・丹南藩の陣屋跡近くにある旧丹南村の産土神
概要

丹南天満宮 2021年4月訪問 丹南天満宮(たんなんてんまんぐう)は大阪府松原市丹南にある神社です。松原市内を通る府道2号大阪中央環状線は大阪府の大動脈の一つですが、丹南地区はその道路の南側に当たり、市域の最南端に位置しています。丹南天満宮はかつてこの地にあった旧丹南村の産土…… more 神で、明治時代の社格制度では村社に列していました。 丹南天満宮(松原市) 江戸時代、河内国には天領および他国に在する大名や旗本の領地が多く、大名としては狭山藩の後北条氏、丹南藩の高木氏のみが存在しましたが、その内の丹南藩の陣屋(藩庁)がこの丹南天満宮付近にありました(狭山藩の陣屋は狭山池の北東にありました)。 歴史と概要 丹南天満宮の正確な創建年は不祥です。現地の説明板や松原市のホームページなどによると、現在の丹南天満宮の本殿は安土桃山時代の様式を残した江戸時代初期の建立として知られている、とあり、社殿でも大阪の陣(慶長19年(1614年)・慶長20年(1615年)で焼けた、ということからそれ以前の創建であることがわかります。なお、当社の本殿は現存する松原市域の神社本殿の中でも最古級の一つとなっています。 御祭神は学問の神として名高い菅原道真公、皇祖神である天照大神、中臣氏や藤原氏の祖神として知られる天児屋根命の三柱で、元文5年(1740年)の「丹南村明細帳」に見える「天神・天照大神・春日大明神」と一致しています。なお、当時から神主はいなかったようで、社名に関しては古くは「産土神社(うぶすなじんじゃ)」と呼ばれていました。丹南天満宮から300mほど北には日本最古の官道として知られる竹内街道が東西に、250mほど東には中高野街道が南北に通っています。いずれも江戸時代には幹線道路で、譜代大名高木氏はそれらが交わる交通の要衝のすぐそばにあった丹南村に丹南藩一万石の陣屋(丹南陣屋)を構え政務を行いました。現在、丹南天満宮の北には藩政時代の高木家の菩提寺でもあった融通念仏宗の来迎寺(らいごうじ)がありますが、丹南藩の陣屋はその来迎寺の東側、中高野街道の西側にありました(現存していません)。松原市による説明板 社伝によると、江戸時代の初め、当時の丹南村の産土神社は豊臣氏と徳川氏が戦った大坂の陣の兵火に罹り焼失したそうです。その後、村民の熱意などにより再建された後は度々修理の手が入れられていた他、鳥居や燈篭など多数の石造物などが奉納されていたことがわかっています。少し詳しく見てみると、丹南天満宮では昭和54年(1979年)に本殿の解体修理工事が行われましたが、この際、北側面の浜床(向拝の階段の下にある床)の縁板底に、享保8年(1723年)3月の大工墨書が見つかり、床などの修理が行われたことが判明した他、幕末の安政2年(1855年)に本殿の彩色を美しく塗り変えたという棟札も見つかりました。本殿の屋根に関しては、創建当初は檜皮葺だったと考えられていますが、前出の「丹南村明細帳」の頃には瓦葺となり、昭和の修理で再び檜皮葺に戻されました。この檜皮葺の屋根は30年ほど経って傷みが激しくなったことから、平成22年(2010年)9月に葺き替えられました。明治時代に旧社格制度で村社となりますが、明治41年(1908年)1月27日に南河内郡丹南村大字大保(現堺市美原区大保)の廣國(広国)神社に合祀されました。その後、現社地に復社し、社名を丹南天満宮と改めたと思われます。丹南天満宮の碑 前述のように、当社の鎮座地は明治の初めまで河内国丹南郡丹南村でした。明治22年(1889円)に丹南郡の丹南村、丹上村、真福寺村、大保村、今井村が合併して、新たに町村制における丹南郡丹南村が発足し、村役場は大字丹南に設置されました。明治29年(1896年)に丹南村の所属郡が南河内郡に変更。当時の産土神社(現丹南天満宮)鎮座地住所は南河内郡丹南村大字丹南となっています。昭和31年(1956年)には黒山村、平尾村と合併して南河内郡美原町となりますが、昭和32年(1957年)に当社のある大字丹南のみ松原市に編入され松原市丹南となりました。祈祷や問い合わせ先の案内 丹南天満宮は神職不在神社で、通常の管理は町会や氏子で行っており、祈祷などの諸祭は松原市上田にある柴籬神社に依頼しているそうです。 境内丹南天満宮の鎮座地は府道2号(中環)から200mほど南で、中高野街道からも200mほど西となっています。玉垣で囲われた境内は東西約70m、南北約30mで、一直線に並んだ本殿、拝殿、鳥居は東向きとなっています。ちなみに、「丹南村明細帳」の書かれた江戸時代中頃の境内は「東西参拾五間、南北拾五間」とあります。南西側より 現在の丹南天満宮は北面の一部を除いてほぼ玉垣で囲われています。南西側から見ると境内は少し高くなっているようです。南東側より(手前は丹南公民館) 南側の玉垣に接する道路を東に進むと、境内の南寄りに公民館が建っていることがわかります。北東側より 東面には2ヶ所の入口がありますが、左は公民館で、右が天満宮の入口となっています。なお、東側の玉垣の内側には多くの歴史ある石灯籠が並んでいます。鳥居 境内入口には一対の石灯籠と石鳥居がありますが、この鳥居には「延宝七巳未年」と刻まていることから、江戸時代前期の延宝7年(1679年)に建てらたことがわかります。(一六七九)に建てられています。これは松原市内に現存する石鳥居の中でも最古級のものです。境内の参道(左が公民館) 鳥居をくぐると、石畳の参道が正面奥(西)にある拝殿まで真っすぐ延びているのが見えます。参道右手の説明板 境内に入ってすぐ右側に松原市が設置した説明板があり、その左隣に境内社が鎮座しています。皇大神宮 こちらの境内社は「皇大神宮」とあるので御祭神は天照大御神と思われます。皇大神宮の手前左側に百度石があります。八坂神社 さらにその左手には北側に延びる参道があり、その先にも境内社があるのが見えます。こちらは「八坂神社」なので御祭神は素戔嗚尊でしょうか。拝殿前の様子 元の参道に戻り、再び西に進むと程なく丹南天満宮の拝殿前に到着します。拝殿手前右手には天満宮でお馴染みの撫牛(なでうし)があり、次に一対の石灯籠、右手の境内社への参道(後述)、狛犬、右側の「丹南天満宮の碑」、拝殿の順に並んでいます。本殿 割拝殿からは、奥にある本殿が見えます。三間社流造で安土桃山時代の流れをくむ本殿は茅葺屋根と朱色の木造部分が印象的です。側面は一間、浜縁つきで内陣内部に江戸時代中期頃の様式を持った宮殿(ぐうでん)が安置されています。また、本殿の手前左右には矢大神・左大神計2躯の随身像が置かれ本殿を守っているようです。末広大明神 拝殿手前右側(北)に延びる参道の先には境内社の稲荷社「末広大明神」があります。こちらの石造りの鳥居も古く、天明5年(1785年)に奉納されたものです。また、手水鉢も歴史を感じさせるものでした。拝殿の南面 古くから丹南村の人々だけでなく丹南藩主高木氏も代々深く崇敬したといわれる当社は、今も地域の人々によって大切に祀られています。また、松原市内最古級の本殿をはじめ、江戸時代の石造物も多数残されている見どころの多い神社でもあります。丹南天満宮周辺を見ると、すぐ北の来迎寺と丹南陣屋跡以外にも、800mほど北に王仁の聖堂址、1.4kmほど南に黒姫山古墳といった史跡があります。神社では700mほど北に正井殿、1.1kmほど北に十二社権現宮、1.6kmほど北東に柴籬神社、660mほど南東に櫟本神社、750mほど東南東に丹上菅原神社、880mほど南南西に広国神社、1.5kmほど南に下黒山菅原神社、1.6kmほど南南東に丹比神社などがあります。 アクセス 府道2号大阪中央環状線「丹南東」交差点から南に約200m進み、2つ目の曲がり角を右(西)に入ります。さらに200mほど進むと左手に丹南天満宮があります。 公共交通機関では、近鉄南大阪線「河内松原」駅から近鉄バスに乗車し「丹南」バス停下車。地蔵堂と一体となったような河内松原駅前行き方面のバス停横の路地を西に入り、約190m進むと右手に丹南公民館が見えて来ます。丹南公民館入口の少し右に丹南天満宮の鳥居があります。 丹南天満宮に参拝者用駐車場は無いようです。 Tannan-tenmangu Shrine(Matsubara City,Osaka Prefecture) close

丹南天満宮(松原市) ・丹南藩の陣屋跡近くにある旧丹南村の産土神
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タグ 大阪府 松原市 神社
投稿日時 2021-06-16 01:00:06

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