和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある熊野那智大社（くまのなちたいしゃ）です。熊野本宮大社、熊野速玉大社と共に熊野三山の一つに数えられ、熊野十二所権現や十三所権現、那智山権現とも呼ばれており、社殿および境内地はユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一部となっています。…… more ちなみに那智の滝のある飛瀧神社はこちらの神社の別宮です。御祭神は熊野夫須美大神（くまのふすみのおおかみ）夫須美（ふすみ）とは「むす」という生成発展を意味する言葉であり、同時に「結（むすび）」という意味を持っているため、かつては「結宮(むすびのみや)」という通称で呼ばれていたこともあったそうです。創成の詳細は不明ですが『熊野権現金剛蔵王宝殿造功日記』によりますと、孝昭天皇の頃にインドから渡来した裸形上人が十二所権現を祀ったとされ、また『熊野略記』では仁徳天皇の頃に鎮座したとも伝えられています。現在は山の上に社殿がありますが当初は那智の滝のある飛瀧神社の地に社殿があったため、一説には那智山の奥にある妙法山に登るための禊祓の地だった那智滝が聖地化し、夫須美神が勧請されて当社が滝本で創建されたとも言われています。『長秋記』（1134年）によりますと、平安時代後期には三山とも天照大御神を含む御子神の五所王子と眷属神の四所明神を加え、現在のような十二所権現を祀る形が整ったと記されており、平安時代の末期には鳥羽上皇、後白河法皇、後鳥羽上皇などが幾度も熊野三山に足を運び、大いに賑わっていたと伝えられています。明治時代になり神仏習合が廃されますと、熊野本宮大社、熊野速玉大社では仏堂は全て廃されましたが、当社の如意輪堂は有名な西国三十三所の第一番札所であったため、数多くの社僧坊舎があった那智大社ですが破却されることは免れ、明治6年に県社に指定され那智神社と称するようになると、如意輪堂は独立し現在の青岸渡寺となりました。その後、1921年（大正10年）に官幣中社に昇格して熊野那智神社と称されるようになりました。○いつもポチッと投票ありがとうございます(o´ω`o)励みになります♪○ close

▼熊野那智大社-本殿▼